※現在申し込みを停止しているようです。
2019年以降クラウドSIMを採用したWiFiキャリアは、無制限に使い放題を謳って大々的に広告を打ち、インターネットをする若者をとりこにしてWiMAX等からユーザーを獲得してきました。
そのクラウドSIMの台頭から時間が経過し、クラウドSIMのサービスが発展途上であること、そしてインターネットサービスとして未熟なことが露呈した2020年。
どんなときもWiFiの大障害によって、クラウドSIMが無制限にインターネットをすることに耐えられない仕様であるということがよく分かったと言えます。
そこでクラウドSIMを採用した(正確には採用していた)キャリアの一つである、GMOが提供するギガゴリWiFiとはいったい何なのか、という疑問も浮かんできます。
「ギガゴリ…?」
奇抜なネーミングで注目を引く手法を使ったギガゴリWiFiとは何なのか。
ユーザーに使うメリットはあるのか。
クラウドSIMの現実を扱う企画第6回は、ギガゴリWiFiを取り上げます。
目次
ギガゴリWiFiとは
クラウドSIM無制限系だったWiFi
ギガゴリという名前は、ネーミングセンスはあまりないと言えるかもしれません。なぜならインターネットとあまり関係ないからです。
ギガゴリWiFiはクラウドSIMを使ったワールドプランという無制限プランを用意していました。現在はワールドプランを取り扱っていません。
やはりコロナウィルスに端を発したインターネットトラフィックの急増、そしてSIM BankというクラウドSIMのプールに使うSIMカードの枯渇というクラウドSIMの不完全性が露呈したこともあり、うまくいかないサービスだという判断に至ったようです。
現在は20GBと30GBのプランになっており、ソフトバンク回線を使うポケットWi-Fiのレンタルです。
GMOの前身はインターキュー
このことは2020年代になった現在、あまり知らない人が多いかもしれませんが、GMOとくとくBBを展開するGMOという企業の前身はインターキューという会社です。
インターキューはダイヤルQ2(ダイヤルキューツー)という、その昔出会い系などのサービスでよく使われたダイヤルサービスでインターネットプロバイダをしていたようです。昔はダイヤルアップ接続でインターネットをすることが主流だった時代で、このうち0990から始まる電話番号を使って繋げるというものです。
このダイヤルQ2がインターネットにも応用されて、インターキューはダイヤルQ2回線を使ってインターネット接続ができるというものでした。当然、Q2の利用料は高額になります。
筆者はインターキューを使ったことはないので詳細は不明ですが、当時ダイヤルQ2というのはイメージが良くないものだったことは確かです。
ダイヤルQ2そのものは情報サービスのためにあったようですが、利用する目的が違うことが多いのでいつの間にかなくなったようです。
もちろんGMOという企業は、現在お名前ドットコムでドメイン販売のトップであり、当サイトもお名前ドットコムを利用しています。ドメイン運用については何も問題ないですし、インターネットにおいてドメインネームは重要なのでインフラ提供という意味では特に何か質が悪いということはないです。
しかしGMOの前身はインターキューであることは確かです。
ギガゴリWiFi通信障害の結果と現状
ワールドプランはなくなる
確認したらいつの間にかワールドプランというクラウドSIMのプランはなくなっていました。
さすがにGMOもクラウドSIMの一連の騒動で、クラウドSIM技術による無制限接続がインターネットサービスとして正常に運用できないことが分かったらしく、プランの提供を続けることが難しいと判断したようです。
この背景には、もちろんどんなときもWiFi通信障害があります。
この通信障害は、クラウドSIMの技術というより、クラウドSIMを使った無制限インターネットが限界を迎えたということであり、uCloudlinkのクラウドSIMがどうのこうのというわけではありません。
結局のところ、SIM Bankに使うSIMカードが供給されないとか、SIMカードの供給が追い付かなくなるほどユーザーが増えて大容量通信をされてしまえば、無制限を謳うインターネット接続は不可能であることが確認できた事象であると言えます。
なのでギガゴリWiFiもクラウドSIMのサービスはやめてしまいました。ワールドプランは低速化する報告がオンライン上に上がっています。
そしてサポート対応も、返信が遅かったり良いとは言えないようです。
ギガゴリWiFiの料金プラン
ギガゴリWiFiの料金プランです。
プラン | 契約期間 | 月額料金 | |
1年目 | 2年目以降 | ||
20GB | 1年 | 2,350円 | 2,850円 |
30GB | 1年 | 2,650円 | 3,100円 |
変動料金制です。20GBで2年目以降2,850円というのは、現在は安いと言えないです。
というのは、楽天モバイルが実質無制限で2,980円ですし、格安SIMのDTI SIMに1.4ギガ使い切りというのがあって、それはデータ通信で2,200円です。1日1.4ギガなら30日で42ギガ使えるので、ギガゴリWiFiの料金的なメリットはないと言えます。
縛りあり、違約金は高い
契約期間は1年なので1年使わないと違約金18,000円取られます。これは痛いです。
その分月額料金が低く設定されているのですが、前述したようにそれほど料金的なメリットがないのに、さらに違約金まで設定されてしまいます。
2年目以降も違約金8,000円なので、20GBや30GBのサービスに違約金のある契約期間縛りありのプランは、現状ユーザーにメリットがあるとは言えません。
クレジットカード払いのみはデメリット
支払い方法は現状クレジットカードのみで、口座振替は準備中となっています。おそらく口座振替は設定しないと思われます。
そして仮に口座振替にした場合も、初期費用が20,000円に設定されていてメリットがありません。
クレジットカードのみという支払い方法はユーザーにとって不親切で、企業の料金収納にメリットがあるけれども、ユーザーにとっては支払い方法の柔軟性がなくデメリットなだけです。
ユーザーにメリットがない事業会社
1年契約なので契約年数は短いですが、以下の点でユーザーにメリットがないと言えます。
- 契約期間の縛りあり
- 1年契約なのに違約金が18,000円と高額
- 容量が少ないのに価格的なメリットなし
- 事業会社の前身はインターキュー
上記の最後の項目は今ではそれほど重要ではありませんが、やはり20GBとか30GBとかデータ容量が少なくて月額料金も安くない、違約金も莫大な金額を徴収されることを考えると、ユーザーにはほぼメリットがありません。
ギガゴリWiFiにメリットが見出せない場合
では、ギガゴリWiFiにメリットがないと判断できた場合、どんなWiFiを使えばいいでしょうか。
縛りなしWiFi
縛りなしWiFiなら、モバイルルーターこそ選ぶことはできませんが気軽にインターネットが契約できるのでおすすめできます。
縛りなしプランだと1日2GBの制限がありますが、月間60GBだと考えればライトユーザーならそこそこ使える容量です。レンタルなのでいつ解約してもいいです。
縛りのある無制限プランというのもあって、目安は月間300GB程度なのですが、無制限感覚で使うことができます。
安定の楽天モバイル
3大都市圏に住んでいる場合はやはり安定の楽天モバイル。まだ楽天回線エリアが狭いのでモバイルの範囲に入れるのは少し早いかもしれませんが、楽天は電話よりモバイルデータ通信として使い勝手がいいです。
モバイルルーターはNECのMP02LNを使えば設定不要で簡単接続。開通に手間取ることなくスムーズに無制限データ通信ができます。
ギガゴリWiFiはメリットがないので他キャリアがおすすめ
はっきりと書いてしまいましたが、ギガゴリWiFiを使うメリットはないので他のキャリアを使いましょう。ネーミングセンスもありません。
そしてGMOの前身はインターキューであること。これを踏まえてGMOのネット接続を使うかどうか検討することも必要です。
インターネット接続事業者というのは、人間に善悪の違いがあるように、良い事業会社と悪い事業会社があります。Webの検索結果では、それほど良くない事業者が良いと言われていたりするので注意することも必要です。
そういったことを前提に考えて検討すると、自ずと何を選択すればいいか、分かるようになります。
例えば固定回線インターネットのプロバイダは、どれも同じように見えるけれどもサポート体制が違っていたりします。
同じようにWi-Fiを提供する事業会社も、ただルーターを配るだけのような事業者もいるので、注意することも必要になります。
優良なキャリアはあるので、十分比較検討して快適にインターネットをしたいと思います。