NTTが「NTT」へ
NTTは5月9日の会見で日本電信電話から通称NTTを正式名称にすると発表しました。
文字の色は黒(ブラック)から青色に変更、併せてフォントをNTTデータと同じにするとのこと。
ブラックではなく安全の青ですね…。ブラックではないとの主張があるかどうかは不明。
フォントをNTTデータと同じにするのはより現代的に、そしてインターネット時代のアピールですかね。
グループ各社も名称とロゴを変更
そしてNTTコミュニケーションズは「NTTドコモビジネス」、NTTコムウェアは「NTTドコモソリューションズ」へ。
ドコモビジネスは何だか法人向けマーケティング企業みたいな名前。ドコモソリューションズはIT業界によくある外部委託先の中間請負・派遣会社みたいな…。
大丈夫ですかね!?。NTTコムはマイライン時代の長距離電話とかインターネットプロバイダを運営。ネットのプロ集団が「ビジネス」。
とはいえコムウェアはそもそもSI系なのでソリューションズも納得か。
ドコモとNTTコムとコムウェアは2022年に経営統合していて、そもそも「ドコモビジネス」は法人向け事業ブランドだったんですね。
何が理由なのか
NTTを正式名称にした理由は対グローバルの意味もあるようですが、シンプルに「携帯とネットのシェアを他社に奪われたから」ですね。
持ち株の社長がよくインタビューに答えています。「絶対にシェア35%を割るな」と檄を飛ばしている。
NTTドコモはかつて6割以上のシェアをもっていましたが、KDDIとソフトバンクにシェアを奪われ、2020年には楽天モバイルも登場。
現在のシェアはMVNOを含めて4割程度となっています。
つまり危機感を持っていることが分かります。このままでは土管と基地局を管理するだけの企業になってしまう…!!
まあ前から言われてましたが。
というわけで通信の自由化で分社化が進められましたが、シェアの低下とグローバル対応でNTTグループを一つにして「あの頃」を取り戻したいのです。
NTT復権のカギは
ドコモはデータ通信が詰まって評判を落としましたし、NTTコムは法人向けサービスで情報漏洩を許しています。
d払いは不正利用されたり、ネガティブな話題は枚挙にいとまがない。
何が問題なのか。次の点をチェックするといいかもしれません。
- 仕事は下へ投げるものと思っていないか
- 過剰なプロダクトアウトになっていないか・マーケットインしているか
- 金融やECなど通信インフラ以外で収益力を上げられるか
NTTグループに限った話ではありませんが、仕事は下に投げるものと思っている企業や個人が多いです。
なので自社の仕事が分からない、業務で何が問題なのか分からないから品質低下や事故に繋がる。
一方、IOWNは法人向けでサービスを開始し、海外向けには仮想化NW輸出の話もあるのはいいですね。
いずれにしろ、技術力も大事ですが何をやりたいのか目的が明確でないと高い技術力も宝の持ち腐れ。
ユーザーに何を提供したいのか、客観的に見て何が問題なのかよく把握すれば、携帯・光ファイバー開発全盛時代やiモード時代に戻れるかもしれません。
とはいえ最近、住信SBIネット銀行買収の報道が出ました。金融を強化したい意欲を感じる展開になっています。金融は楽天やソフトバンクの後塵を拝している状況なので注目ですね。