SIMカードだけでなくスマホも安く買えるOCNモバイルONE。一時MVNOはキャリアの陰に隠れましたが再評価され、改めてOCNモバイルONEの存在感も高まってきました。
やはり楽天モバイルの0円プラン廃止の影響が大きかったですよね。多くの楽天ユーザーがよりコスパの高い格安SIMを探すようになり、MVNOが再び注目を集めたわけです。
では、MVNOシェア2位のOCNモバイルONEに注目する理由は何ですか。MVNOなのに速度が速いことも理由の一つ。
そこで今回はOCNモバイルONEの5Gをレビューしてみました。速度やエリア、そしてインターネットユーザーの評判を見た時に、OCNモバイルONEの5Gは実際どこまで使えるか検証します。
OCNモバイルONEの5Gとは
携帯の5Gはエリア拡大が進んでいますが全ての地域で使えるわけではありません。今は駅前など限られたエリアで5Gが使えます。
5Gの拡大は時間がかかりそうですが、OCNモバイルONEで5Gは使うべきですか。
OCNモバイルONEの5Gはどのようなものでしょうか。
音声SIMのみ5Gに対応
2022年10月現在、OCNモバイルONEの5Gは音声SIMのみで使えます。データ通信専用SIMは5G非対応。ここは改善してほしいですが音声だけ。

なぜ音声だけなのか分かりませんが、つまらない区分けを作ってもユーザーに良いイメージを持たれることはありません。コスト的にデータ通信専用は見送ったのでしょうか。
とはいえ5Gオプションそのものは無料。新規で携帯を使う、あるいは今使っている携帯を他社からOCNモバイルONEに乗り換えるだけで5Gを使えます。
マイページで申し込みが必要
MVNOではよくあるのですが、OCNモバイルONEの5Gオプションは別途申し込みが必要です。マイページから申し込んでください。
詳細はOCNモバイルONEの5Gオプションページで。
ドコモ回線の5Gを使う
OCNモバイルONEはドコモ回線の5Gを使います。OCNモバイルONEはNTTコミュニケーションズが運営していましたが、運営の主体はNTTレゾナントに移りました。
NTTコミュニケーションズはMVNE(仮想移動体サービス提供者)としてドコモ回線を仮想的に運用し、事業そのものはレゾナントに…ちょっと複雑ですが、OCNモバイルがドコモの5Gに乗り入れる形は変わりません。
ドコモの5GはSub6とミリ波、そして4G LTEと同等の「エセ5G」を使います。この「エセ5G」はどのキャリアにもあり、「5Gだけどほぼ4G LTEと変わらない」電波。

Sub6以上であれば数百Mbps以上出ます。現状、ミリ波は端末が対応してないことが多く使えないようです。→ドコモの5Gページ
5G SA(Standalone)は使えない
ドコモには5G SA(Standalone)という有料オプションがあります。この技術は5Gのための装置や基地局が5G専用になっていて、それぞれを組み合わせる技術のようです。
この5G SA(Standalone)がOCNモバイルONEでは使えません。と言っても5G SA(Standalone)は大都市の駅前でスポット的に使える程度であり、普段気にする必要は全くありません。
もし5G SA(Standalone)が気になるなら、ドコモに加入してSamsung Galaxyなどの限られた端末を購入し、その電波が入るスポットに繰り出すとようやく体験できるでしょう。
いずれにしろ、今は全く気にする必要はありません。
OCNモバイルONE 5Gの対応エリア
OCNモバイル5Gの対応エリアはドコモ 5Gのエリアに準じます。→ドコモの5Gページ
エリアマップを見ると、駅前を中心にしてまだら模様みたいになってますね。以前に比べたら拡大しているかもしれませんが、広範囲をカバーすることは難しいようです。
2022年10月現在、例えば東京駅の丸の内口で使えても有楽町方面に行くと5G電波のエリアではありません。5Gの電波は伸長しにくく、基地局から近い範囲でしか使えないんですね。
とはいえ、よく外出する人やオフィスが5G対応エリアにあれば5G回線に接続する機会は多いでしょう。最近はスマホが5G表示になることが多くなりました。
なので、運よく対応エリアにいて5Gオプションが有効なら4G LTEの数倍から数十倍の高速通信ができます。
OCNモバイルONEの5Gをレビュー 速度や評判はどうか
ではここからはOCNモバイルONEの5Gをレビューしていきましょう。
OCNモバイルの5Gを速度測定すると何が分かりますか。また、ユーザーの評判はどうなっているでしょうか。
5Gの速度測定をした環境
5Gの速度測定をした時の環境は以下の通り。
- 場所:東京駅八重洲口
- 時期:2022年6月
- 端末:Xiaomi 11T Pro
- 時間帯:午前11時台
測定場所とは少し違いますが八重洲のイメージは以下の通り。

駅の出口あたりが一番よく電波が入ります。測定した日はとても暑く、気温は35度を超えていました。
OCNモバイルONEの5Gの速度と品質
OCNモバイルONEの5G速度は以下の通り。

下り200Mbpsを超えました。5Gならもう少し出てもいいかなと思いますが、光回線レベルのスループットなので良いと思います。
ping応答は200を超えて高め、つまり遅延が多少発生しています。5Gは低遅延が売りなんですがあくまでも理論上の話のようです。ジッターは悪くないですね。
上りは30Mbpsなのでやはり速いとは言えません。30Mbps出ていれば十分なのですが、最近はネットの使い方が変化して動画など大きいファイルも扱いますからね。上りが速くないことは5Gの弱点の一つです。
見て分かるように、現状ギガビットレベルのデータ通信は期待できません。とはいえモバイルでギガビットを必要とする人は少ないでしょう。
MVNOのOCNモバイルでこれだけ高速通信できれば多くのユーザーは満足するのではないでしょうか。
4Gに切り替わることがある
5Gの電波は安定しませんが、OCNモバイルONEで5Gを使っても変わりなく安定しません。5G表示になっても少し移動すると4Gに切り替わったりします。なので繋がりやすさの品質はあまり期待できないですね。
お店の中に基地局があってWi-Fiのように5Gが使えるなら別。あるいは5G基地局の間近でデータ通信をするなら当然5Gでしょう。しかし現状はふとした隙に4G LTEに切り替わります。
もちろん5G表示でも実質4G LTEと同じような「エセ5G」の時も度々あります。駅前のように立地が良ければ数百Mbpsが期待できます。
5Gは運よく繋がればボーナスの高速通信ができる環境が当分続きそうです。
5Gの特徴である速くない上り速度に注意
前述の通り、上りがあまり速くないです。ここは注意。速いのですが数百Mbps出ることが期待できません。4G LTEと変わらないとも言えます。
なので、もしモバイル中心で容量の大きいファイルをアップロードするような使い方をする場合は注意してください。
OCNモバイルONEは4Gも速い
5Gは200Mbpsの高速通信ができましたが、従来の4G LTEも速度が出ます。

上記は下り60Mbpsを超えていますね。ランチタイム速度は以下の通り。

MVNOですが38Mbpsいってますね。MVNOだとランチタイムに1Mbpsくらいの低速になることが多いですが、OCNモバイルはキャリアのメイン回線並みに高速。ほぼドコモのサブブランドと言っていいでしょう。
格安ながらドコモ回線をそのまま使うような感覚で使えるのでコスパは相当高いです。
OCNモバイルONE 5Gの評判
OCNモバイルの評判はどうなっているでしょうか。SNSを見てみました。
OCNモバイルONE、5Gでもしっかり速度出るな ピーク300Mbps超えてた
上記はしっかり5Gで速度が出ているコメント。300Mbps出ていれば満足でしょう。格安SIMでこれだけの速度なら不満はないはず。
OCNモバイルONEの5G申し込んだけど、エリア内でも遅い。4Gのときのほうが断然早かった。戻そうかなー。
一方でネット回線に必ずある評判は「遅い」。どんな回線でも必ず遅い評判はあります。
しかし、もしこのコメントが4G LTEと同等の「エセ5G」のことだったら納得。5Gで数十Mbpsなら速いとは言えません。
OCNモバイルONEの5G通信提供開始。思ったよりも通信速度が出ててかなり快適。驚きました。 けど、5Gにするとバッテリーの持ちが明らかに悪くなるのはなぜだろうか。
上記コメントは5Gだとバッテリーの持ちが悪いことを指摘していますね。確かに5Gはパワーを使うと思うので、バッテリーを食ってしまうデメリットも意識しておいた方がいいかもしれません。
評判を見ると概ね良い評価だと思います。やはり値段に対するパフォーマンスを褒めていますよね。
OCNモバイルONEにするのはアリかナシか
まあアリですよね。
OCNモバイルONEより安い格安SIMはたくさんあり、日本通信やHISモバイルは月額290円を達成しています。ただそれらは5G未対応。
ドコモ回線をほぼそのまま使えて5Gが無料ならユーザーとしては圧倒的コスパで嬉しいと思うでしょう。現状、OCNモバイルの5Gは音声SIMのみですが、他社からMNPして料金を下げながら品質を保ちたいユーザーは満足するはず。
筆者が検証した限りメイン回線と変わりませんからね。5Gの質は改善すべき点がたくさんありますが、とりあえず5Gオプションを有効にして繋がったときに「おおっ速い」と体感できると思います。
OCNモバイルONEのその他の注意点
OCNモバイルONEの注意点(デメリット)をまとめると以下の通り。
- 初期費用3,300円+SIMカード手配料433.4円
- データ通信専用SIMは5G非対応
- マイページはやや複雑
- eSIMはない
初期費用はMVNOの明らかな弱点。ahamo、povo、LINEMOのようなキャリアのオンライン専用ブランドは手数料を取らないことにしましたが、MVNOで手数料が廃止される動きは全くナシ。
なので全部が全部都合よくいかないことがあるので、長期的に使えるかどうかよく検討して申し込みましょう。長く使うなら当然初期費用はペイできます。
最低利用期間の問題はクリアされています。高額な転出手数料もなくなりました。現在はインターネットユーザーにとってかなり快適な環境になりましよね。
安く5Gを使いたいならOCNモバイルONEはアリ
価格競争で大分安くなりましたからね。これ以上値段を下げることは難しいでしょう。物価高の時代にネット回線の費用を安くできるのはユーザーにとって喜ばしいことです。
OCNモバイルだと音声3GBで990円。そして新たに500MBが550円のワンコイン的なプランも登場しました。電話さえできればいいと思うユーザーでも使えます。
5G回線そのものはこれから改善の余地がありますが、無料オプションで、かつ、ここまで安い月額料金で5Gが使えるなら不満はないと思います。
あとは初期費用を払おうと思えるか。ahamoや楽天モバイルとは少し違う立ち位置なので、初期費用無料は当分厳しいかもしれません。とはいえ、長期的に使おうと思うユーザーなら初期費用も気にならないでしょう。
これだけコスパよく5Gが使えるなら、気に入って長く使うユーザーも増えると思います。今後にも期待ですね。