クラウドSIM系無制限WiFiキャリアが台頭してから大分時間が経過しますが、無制限をキーワードにしてユーザーを煽った挙句に大障害を引き起こすことになったのは記憶に新しいところ。
ではクラウドSIMじゃない無制限系のWiFiキャリアはどうなのか。
SAKURA WiFiの他にも無制限を謳う事業者はたくさんあります。しかし、申し込みを停止している事業者も多く、安心したインターネット接続を提供できていない事態が続いています。
そのような状況でSAKURA WiFiという事業者がユーザーに安定したインターネット接続を提供し続けることができるのか。
SAKURA WiFiとはいったい何なのか、ユーザーにどんなメリットがありデメリットがあるのか、検証します。
目次
SAKURA WiFiとは
ソフトバンク再販系事業者
SAKURA WIFiは典型的なソフトバンク再販系事業者です。SIMカードを提供しているわけではありませんが、ソフトバンク回線のルーターをレンタルしています。
ソフトバンク再販系事業者の中には無制限プランと20GBや30GBなどのプランと合わせて提供していた事業者がありましたが、昨今のネット需要で無制限プランは打ち切りになっているところが多いです。
大容量SIMを再販している事業者もSIMカードの仕入れが滞っており、実質本格的な販売再開には至っていません。
しかしSAKURA WiFiは無制限プランでサービスを展開しており、確認したところ注文も問題なくできるようです。
もちろん無制限というデータ通信は大手キャリアでも難しいので、小規模WiFiキャリアが実現できることはありません。無制限でデータ通信しても規制にあったりします。
事業会社はWeb系IT企業のBALDIA
事業会社のBALDIAという企業は、Web開発などを事業としていて、VRなどのコンテンツもクライアントに提供しています。
開発事例を見ると、クライアントのWebサイトの作りはモダンで、PCだとCPUパワーがないと実行できないサイトの作りをしています。
なので開発のセンスはあると言えます。
しかしそれとレンタルWi-Fi事業は別です。レンタルWi-Fiはルーターを配って顧客管理することがメインの業務になるかもしれませんが、インターネットのトラブル、障害、カスタマー対応などがWeb系事業の片手間であれば、それなりの品質になる可能性もあります。
要はインターネット専業ではないので、トラブルがあった時の対応次第で企業の評価が問われます。
SAKURA WiFiのスペック
SAKURA WiFiの料金プラン
SAKURA WiFiの料金プランです。
月額料金 | 初期費用 | オプション | |
SAKURAガード | ウィルスセキュリティ | ||
クーポンで3,680円 | 3,000円 | 月額500円 | 月額500円 |
ごく一般的な料金ですが、他のキャリアより若干高めと言えます。
ただ、この無制限プランだけで他の料金プランを用意していないのはシンプルで分かりやすいです。
解約金無料のレンタル
契約期間の縛りはありません。いつでも解約できて解約金無料です。
これはメリットです。やはり縛りがあるのとないのとではユーザーへの負担は違いますので、満足行かない場合は解約できます。
全額返金保証あり
満足行かなかった場合の全額返金保証があります。条件は以下の通り。
発送日から3週間以内に返却し、追跡番号を連絡 |
SAKURA WiFiの利用が初めて |
クーポンを利用しての申し込み |
これに加えて、返却処理手数料のいうのが1,000円かかります。正直面倒な制度で、料金も発生するという本末転倒な制度になっています。
それでもサービスに不満がある場合に返品することができるのはメリットです。
SAKURA WiFiのデメリット
そもそも無制限はリスクである
どんなときもWiFiの通信障害があったように、無制限のデータ通信そのものがリスクとなります。
SAKURA WiFiはクラウドSIMではないため、クラウドSIMと同列に比べることはできませんが、無制限を謳う事業者のルーター、SIMカードを使うことによって結局通信キャリアがトラフィックの調整のために帯域を制御する可能性が出てくるからです。
クラウドSIMではクラウドSIMのSIM Bankに使うSIMカードが枯渇した、そしてユーザーの使い方も度を越した通信量でデータ通信をしたので、最終的に回線がストップする事態に追い込まれています。
これはLTEなどの電波を無限に使うことは不可能であることを物語っています。
無線の電波は有限であるという前提を変えることはできないため、データ通信はどこかで調整する必要があると言えます。
契約にはオプション加入必須
機器保障のSAKURA ガードと、ウィルスセキュリティの2つのオプション加入が前提の申し込みとなっています。
SAKURA ガードは一般的な機器保障で、水没や破損などの事故があった場合に本体を保障する内容となっており、月額500円です。
ウィルスセキュリティはウェブルートというソフトウェアでセキュリティ対策をするというもので、こちらも月額500円です。
これらは、本来任意で申し込むことが推奨されます。オプションが必要ない人もいるからです。
ただ初月だけ加入して、その後解除することができるので、申し込んだ時に必要なければ解除しましょう。
口座振替なし
支払い方法はクレジットカードのみで、口座振替はありません。
この辺も柔軟とは言えず、インターネットの提供をメインで事業を行うなら支払い方法を多様化させて、様々な顧客を獲得するべきですが、支払いの回収だけを考えてユーザーのことを考慮に入れていません。
支払い方法はクレジットカードだけでなく、デビットカードや口座振替など、多様な支払い方法を用意すべきです。
無制限系WiFiが心配なら
ここまで見てきましたが、SAKURA WiFiはクラウドSIMでないと言っても、やはり無制限にデータ通信ができるかどうか確実なサービスとなっていません。
データ通信ができるかどうかは、ユーザーの使い方と、通信キャリアがどこまでデータ通信量を許容できるかで決まります。
では、可用性が高い、必ずインターネットに接続できてデータ通信ができるサービスはどこになるでしょうか。
安定のWiMAX
WiMAXなら3日10GB制限があっても、インターネット接続ができなくなることはありません。回線のパフォーマンスより安定性重視ならWiMAXの方が安心です。
DTI WiMAX2+なら、最初の2か月無料で、4か月後からは3,760円で一定の月額料金になります。
WiMAX回線が入らない場合のハイスピードプラスエリアも無料、契約に余計なオプションは必要なく、そのままIPv6にも対応しています。
安定の楽天モバイル
3大都市圏なら楽天モバイル。日本全国で楽天回線が使えるようになるには時間がかかりそうですが、エリア内なら検討する価値ありです。
データ通信無制限というのは、高速通信が1日10GB目安で実現できており、10GBを超えると3Mbpsに帯域制御されますが、実質使い放題です。
モバイルルーターにNECのMP02LNを使えば、面倒なAPN設定も要らず、すぐに無制限データ通信を始めることができます。
安定の光回線
光回線にデータ通信の制限量はもちろんありません。
DTI 光なら契約期間の縛りなし、解約金なしで、月額料金マンション3,600円です。料金としてはWiMAXより安いです。
工事費がかかりますが、半年使えばキャッシュバックで戻ってきます。
光回線は工事があるので、一見面倒かなと思うかもしれませんが、一旦回線を引いてしまえば後は快適にインターネットをすることができます。
常時接続なので据え置きのWi-Fiルーターを置けば、自宅に帰ったら即インターネットに繋げることができますし、モバイルルーターのバッテリーを気にする必要がありません。
やはり自宅なら光回線を引きたいところです。DTI光に関しては以下の記事でもまとめています。
無制限のリスクを抱えたくないなら他キャリアを選ぶ
以上のように、SAKURA WiFiを桜が咲くかのように使えるキャリアかという点では、無制限データ通信に何も保証がないので使うにはリスクが伴います。
LTEの電波が有限なのに無制限にデータ通信ができるかと言えば、はっきり言うとできません。
なので本当に無制限のように使いたいなら光回線になりますし、データ容量に上限がないWiMAX、または楽天モバイルのような新しいキャリアの回線なら大容量データ通信が可能です。
もちろんSAKURA WiFiが使用できない状況にはなっていないので、インターネットができないというわけではありませんが、ネットは余計なリスクを抱えて契約する必要はありません。
快適なインターネットをしたいなら、いつ通信規制がかかるか分からないサービスより、信頼性の高いプロバイダやキャリアを選択しましょう。