「契約期間の縛りなしで自由に光回線を使いたい」
「縛りってイマイチだよね。やっぱり縛りなしのネット回線がイケてる」
そう思った時、縛りなしで気軽に申し込める光回線は何がいいのかという疑問が生じます。
縛りなしで本当にお得な光回線はどこか。縛りなしでも品質には妥協したくない。
そのような高いネットリテラシーを持つユーザーの要求に応えられるプロバイダは一体どこでしょうか。
今回は定番の縛りなし光回線であるDTI、ぷらら、エキサイト、おてがる光、enひかりを比較し、どのプロバイダを選べばいいか解説します。
縛りなし光回線の選び方
代表的な縛りなし光回線は以下の5つ。
- DTI光
- エキサイト(MEC光、光Fit)
- ぷらら光
- おてがる光
- enひかり
上記プロバイダの特徴は最低利用期間なし、解約金なし。この中からどこを選ぶかが焦点となります。
選び方のポイントは以下の通り。
- 自社で回線を運営している
- 月額料金は2年総額を考慮する
- IPv6のVNE事業者を考慮する
- サポート全般の信頼性
- ルーターレンタルの有無
- メールサービスの有無
それでは一つ一つ見てみます。
自社で回線を運営している
格安光コラボはそもそもプロバイダではなく、販売代理店のような事業者が〇〇光と名前を付けて光回線を販売しています。
つまり、FVNE(仮想固定通信提供者)を活用すればどんな事業者でもプロバイダのようなことができるんですね。
なので、多くの人は細かいことはどうでもいいと考えがちですが、自社で回線を運営しているプロバイダを選ぶことは重要。
ここで、厳密にISP(インターネット・サービス・プロバイダ)として回線を運営してきたのはDTIとぷららだけなんです。
ポイント
自社で回線を運営している→DTI、ぷらら
FVNEを使って回線を販売している→エキサイト、おてがる光、enひかり
DTIは親会社のフリービットが回線を提供、ぷららはNTT回線を提供してきました。
月額料金は2年総額を考慮する
格安光回線は安いですが工事費がかかることが多いです。もちろん工事費無料キャンペーンを活用すれば圧倒的に安いですが、通常は工事費がかかる。
そこで2年総額を考慮すると以下の通り。
プロバイダ | 月額料金 | 工事費 | 契約事務手数料 | キャンペーン | 2年総額 | |||
マンション | 戸建て | マンション | 戸建て | マンション | 戸建て | |||
DTI光 | 3,960円 | 5,280円 | 16,500円 | 19,800円 | 880円 | キャッシュバック マンションひかり電話なし13,000円 マンションひかり電話あり16,000円 戸建てひかり電話なし15,000円 |
ひかり電話なし99,420円 ひかり電話あり109,620円 |
ひかり電話なし132,400円 ひかり電話あり141,600円 |
エキサイトMEC光 | 3,850円 | 4,950円 | 事務手数料1,100円 開通手数料3,300円 |
契約事務手数料0円 開通手数料0円orWi-Fiルータープレゼント 工事費0円 マンション月495円×12か月 戸建て月522円×12か月 |
86,460円 | 112,536円 | ||
ぷらら光 | 3,960円 | 5,280円 | 0円 | キャッシュバック オプション加入最大55,000円(3年縛り) |
56,540円(3年縛り) | 91,520円(3年縛り) | ||
おてがる光 | 3,608円(IPv6なし) 3,773円(IPv6あり) |
4,708円(IPv6なし) 4,873円(IPv6あり) |
2,200円 | 新規初月無料キャンペーン 乗り換え1年間500円割引 でんき加入最大2,000円キャッシュバック NTTグループカードで500円×12か月割引 時期によって工事費無料キャンペーン |
101,684円(IPv6なし) 105,479円(IPv6あり) |
130,284円(IPv6なし) 134,079円(IPv6あり) |
||
enひかり | 3,520円(IPv6なし) 3,718円(IPv6あり) |
4,620円(IPv6なし) 4,818円(IPv6あり) |
3,300円 | 勝手に割り(UQmobile,ahamo,povo) Wi-Fiルーター大特価キャンペーン |
104,280円(IPv6なし) | 133,980円(IPv6なし) | ||
ざっと見てお分かりのように、おてがる光やenひかりは月額料金が安いけれども通常は工事費がかかり、2年総額で考えるとDTI光とエキサイトMEC光が安いです。IPv6は無料。
品質や信頼性で考慮するとDTIですが、エキサイトMEC光は工事費無料キャンペーンをよく実施しています。タイミングが良ければエキサイトにしてもいいかもしれません。
→DTI 光公式サイトもしくはエキサイトMEC光
公式サイトで検討する。
ぷららはキャッシュバックを付けて3年以内に解約すると35,000円の違約金を取られるので実質3年縛りとなります。要はトラップですね。
なので、もしぷららを申し込むならキャッシュバックなしにしましょう。そうすると2年総額で価格的なメリットは少なく、さらにぷららはOCNバーチャルコネクトで速度制御されます。
もし、サポート面を期待しない、回線が使えればそれでいいと思うなら、格安なおてがる光かen光でもいいでしょう。IPv6オプションは別料金です。
IPv6のVNE事業者を考慮する
このサイトではおなじみのVNE事業者。IPv6を使うにはVNE事業者のネットワークを活用するのが一般的です。
最もよく利用されているVNE事業者はJPNE(日本ネットワークイネイブラー)のv6プラス。特に速度制御することもなく高いパフォーマンスを発揮します。
v6プラスを採用しているのはDTI光、おてがる光、enひかり。enひかりはv6プラス以外にもtransixやクロスパスを利用可能。
対してOCNバーチャルコネクトやtransixは速度制御を実施。ぷららはOCNバーチャルコネクト、エキサイトはtransixです。
サポート全般の信頼性
基本的に、プロバイダではない販売代理店は回線の運営業務を他の企業に外注しています。サポートも外注。
もちろんプロバイダと言えるDTIやぷららも多くの業務を外注しているだろうことは事実。とはいえ、有事の対応はプロバイダとして一定の信頼性が期待できるでしょう。
じゃあエキサイトやおてがる光やenひかりは信頼できないのかというとそうではなく、回線を使えることも事実です。ですが、格安光回線に全てを期待することは難しいかもしれません。
ルーターレンタルの有無
今は大抵安いルーターをサクっと買ってインターネットを始めるユーザーが多いですね。とはいえ、とりあえずプロバイダからルーターをレンタルしたいという人もいるでしょう。
5つの縛りなしプロバイダで唯一Wi-Fiルーターを無料レンタルしているのがぷらら。ぷららは初心者向けのサポートは手厚いので、もし何もないけど光回線を始めたいユーザーはぷららで始めることを検討しましょう。
エキサイトだと開通手数料0円キャンペーンをWi-Fiルータープレゼントに変更することも可能です。
メールサービスの有無
DTIとぷららはメールが無料オプションですが、エキサイトとおてがる光は有料。enひかりはメールなしです。
最近はメールを省略する事業者が増えています。GmailやiCloudなどのクラウドメールを持っていれば、プロバイダのメールが必要ないと思うでしょう。
もしプロバイダのメールを無料で使いたいならDTIかぷらら。必要ないならエキサイト、おてがる光、enひかりとなります。
縛りなし光回線比較の結論
ここまで縛りなし光回線プロバイダの選び方を見てきました。
様々な観点でプロバイダを選ぶことになりますが、やっぱり重要なのは価格。値段が安くて信頼性の高いプロバイダはどこなのでしょうか。
2年総額が安いDTIかエキサイトになる
前述したように、縛りなしプロバイダ5社の2年総額を比較するとお得なのはDTI光かエキサイトMEC光、もしくは工事費無料キャンペーンを適用したおてがる光になります。
プロバイダ | 2年総額 | |
マンション | 戸建て | |
DTI光 | ひかり電話なし99,420円 ひかり電話あり109,620円 |
ひかり電話なし132,400円 ひかり電話あり141,600円 |
エキサイトMEC光 | 86,460円 | 112,536円 |
おてがる光 | IPv6なし101,684円 IPv6あり105,479円 IPv6なし工事費無料85,184円 IPv6あり工事費無料88,979円 |
IPv6なし130,284円 IPv6あり134,079円 IPv6なし工事費無料110,484円 IPv6あり工事費無料114,279円 |
縛りなしで最安にしたいなら、おてがる光でIPv6なしを工事費無料キャンペーンで契約する方法になります。
実際には、おてがる光の工事費無料キャンペーンは引っ越しシーズンの限られた時期。さらに最安レベルにするにはIPv6ではなくIPv4 PPPoEなので、限られた期間にIPv6なしの条件を受け入れる人限定となります。
しかもおてがる光はプロバイダというより販売代理店なので、サポート面を全て期待することが難しい側面もあります。
そしてぷららはキャッシュバックがあっても実質3年縛り(3年以内に解約で違約金35,000円)なので、結果的にDTI光かエキサイトMEC光になるというわけ。
さらにエキサイトだとtransixによる速度制御がありサポート面も期待しにくいので、どちらかというとDTI光が推奨となります。
なぜDTIが推奨できるのか
では、なぜDTI光になりますか。ポイントは以下の通り。
- 法人向け回線に強いフリービットの子会社
- インターネット回線の提供に注力している
- ISP歴25年以上の信頼性
- IPv6はv6プラス(無料)
- キャッシュバックあり
- メールサービスあり
- DTI Club OFFあり
- auセット割が安い
上記を一言で表現すると「DTIはインターネットのプロ」ですね。にもかかわらず、キャッシュバックや優待サービスのDTI Club Offがあるので、接続だけではない良さがあります。
詳しく見ていきましょう。
法人向け回線に強いフリービットの子会社
フリービットは法人向け回線に強い事業会社で、企業向けにコストパフォーマンスの高い回線を提供しています。
IPv6ネットワークも持っていて、VNE事業者としての側面も持っています(個人向けのDTIはv6プラスを使う)。インターネット界隈ではそこそこ名の知れた企業なんですよね。
DTIはフリービットの子会社として個人向けサービスを展開。インターネット黎明期から回線を運用しているDTIなら、一定の信頼性が期待できます。
インターネット回線の提供に注力している
DTIは余計なオプションを省いてインターネット接続に注力しているので、回線品質も期待できますね。
もちろんIPv6はJPNEのv6プラスなので、DTIが直接運用しているわけではありません。とはいえ、速度のパフォーマンスは良いです。

下り600Mbps超えてますね。VNE事業者にOCNバーチャルコネクトを使っていた時は速度低下しましたが、v6プラスに統一されてから安定しています。
ISP歴25年以上の信頼性
特にユーザーに直接メリットがある話ではありませんが、1996年にプロバイダを開始したDTIなら老舗の安心感がありますね。
IPv6はv6プラス(無料)
IPv6にJPNEのv6プラスを使っているので速度制御されることもなく、いつでもIPv6インターネットを快適に利用できます。
transixのようにIPv4アドレスを他のユーザーと共有することもありません。v6プラスはIPv4 over IPv6のプロトコルがMAP-Eなので、どちらかというと癖がないです。
ただ、IPv6はVPNやサーバー公開などの動作を保証していないのでご注意を。
キャッシュバックあり
前述したように、DTIは最大19,000円キャッシュバックありです。→DTI 光公式サイトを見る。
契約から半年経つとDTIのメールアドレスに案内メールが来るのでチェックを忘れずに。
メールサービスあり
最近はプロバイダのメールがなくてもいい人が多いかもしれません。とはいえ、DTIのメールはウイルスチェックや迷惑メールの処理が無料ですし、持っていて損はないです。
DTI Club OFFあり
タイムセールで宿泊代が500円になる企画があったり、ホテルレストランが割引になるClub OFFが使えるので活用しましょう。
auセット割が安い
au携帯を使っている場合、DTIの料金が最大1,320円引きになります。携帯が割引ではなく光回線が割引になります。
もし一人でau携帯を使っている場合、DTI光ならマンションタイプで2,640円になります。
DTI光のデメリットは自社のIPv6ではないこと
DTI光のデメリットをあえて挙げるとすれば、自社のIPv6を使っていないこと。DTIのIPv6はフリービットのIPv6ではなくJPNEのv6プラスです。
フリービットのIPv6は本当に稼働しているのでしょうか。それともIPv6は法人向け回線だけなのか。個人向けのDTIはIPv6をJPNEに外注しているので、フリービットのIPv6は使えないというわけです。
別にv6プラスでパフォーマンスが良いので大きなデメリットではありません。
エキサイトMEC光は工事費無料で縛りなし
一方で、エキサイトMEC光は工事費無料キャンペーンを実施中で2年総額がとても安くなっています。
→エキサイトMEC光公式サイトを見る。
縛りなしで工事費と手数料が無料なので、もし光回線を格安で始めたい場合にエキサイトが使えます。
とはいえエキサイトはプロバイダではなくポータルサイトなので、開通が遅いなどのサポートが期待できない可能性があります。
エキサイトが採用しているtransixは速度制御している
これも前述したとおり、エキサイトのIPv6であるtransixは速度制御しています。夜間にパフォーマンスを発揮できないこともあるので注意しましょう。
さらにtransixはIPv4アドレスを他のユーザーと共有しているので、VPNなどのサービスが使えない可能性もあります。
エキサイトのサポート全般は期待しない方がいい
繰り返しですがエキサイトのサポートに品質を期待しないようにしましょう。料金が安ければ最低限のサービスであることを認識すべき。
工事費を無料にして月額料金も安くて…となったら、サービスのどこかで質を落としている可能性があります。それが分かるのが開通の問題。
エキサイトMEC光 申込状況
8/9(月)利用申込み
8/11(水)工事日連絡までに3〜4週間かかるとの連絡あり
8/14(土)カスタマーサポートに現状の申込状況から、見込みの開通日を問い合わせたがテンプレ返信でゼロ回答(質問に答えてない)
9/12(日)一切の連絡なし— うらやす (@urayasu_san) September 12, 2021
連絡が来ないなどで開通が遅れたことが報告されています。
その他の縛りなし光回線のメリット・デメリット
5つの縛りなし光回線の中でおすすめできるのはDTIとエキサイトであることが分かりました。
では、その他の縛りなし光回線はどうですか。
DTIとエキサイト以外の縛りなし光回線をどのように使えるでしょうか。
データ通信量が少ないならエキサイト光Fit
エキサイトにはデータ通信量によって従量制で月額料金が変わるエキサイト光Fitがあります。
→BB.excite光 Fit公式サイトを見る。
安定した光回線がいいけどそれほどデータ通信量は多くないというユーザーは、エキサイト光Fitで月々の光回線コストを低減できます。
回線タイプ | データ通信量 | |||
0~30GB未満 | 30GB~200GB未満 | 200~500GB未満 | 500GB以上 | |
マンション | 2,640円 | 3,410円 | 4,180円 | |
戸建て | 3,520円 | 4,290円 | 5,060円 | 5,830円 |
マンションタイプなら200GB近く使っても3,410円ですからね。ブラウジングしたり少しZoomでビデオ会議するくらいなら200GBいかないユーザーが大半ではないでしょうか。
デメリットはエキサイトMEC光と同様に速度制御、開通に難あり、サポート全般が不安の3つです。
工事費がかかるが安いおてがる光
光回線をシンプルに使いたい、回線を使えればそれでいいと考えるならおてがる光かenひかり。おてがる光なら工事費無料をやることもあります。→おてがる光公式サイト
おてがる光は販売代理店のような事業者(エクスゲート。モバイルWi-Fiも運営)が〇〇光と言って回線を販売しています。先述したようにFVNEを活用すれば自社を窓口にして光回線を販売できるんですね。
なので、回線そのものは問題なく使えます。有料のIPv6オプションを有効にすればv6プラスを使ってインターネットができます。
メリット
工事費を普通に払えば2年総額はDTIやエキサイトより高いですが、その代わり月額料金は安く、IPv6なしで3,608円。長期的にシンプルな光回線を使いたいならおてがる光でもいいでしょう。
プロバイダではないのでサポートを全て期待できるかどうか筆者は保証できません。有事に何かあってもいい、自分で問題は解決できるユーザーがおてがる光を使うことができます。
最安レベルのenひかり
enひかりも販売代理店が〇〇光と言って光回線を販売しています。回線そのものは問題なく利用可。enひかりの特徴はIPv6のVNE事業者を3つから選べること。→enひかり公式サイト
メリット
JPNEのv6プラス、インターネットマルチフィードのtransix、アルテリアネットワークスのクロスパスの3つからVNE事業者を選択可能
価格もIPv6なしで3,520円と最安レベル。光回線を本当に格安にしたい、サポート全般は必要ないユーザーはenひかりにして格安にすることができます。
プロバイダではないので、有事に何かあってもいい、もしくは自分で問題は解決できるユーザーがenひかりを使うことができます。
とにかく格安にしたい、回線が使えればいいユーザーにおすすめ。
インターネット初心者にはぷらら
もし自分がインターネット初心者だと思って手厚いサポートが必要ならぷららにしましょう。→ぷらら光公式サイト
Wi-Fiルーターレンタルも無料ですし、最大99個のメールアドレス、そしてインターネット接続25年以上の老舗の信頼性。何かあれば気軽に相談できます。
最近はゲーマー向けに高速・低遅延のPLALA GGGG光サービスも提供して高速回線をアピールしています。
デメリットは速度制御と、キャッシュバックによる3年縛り。夜間帯になれば速度を制御されますし、キャッシュバックをもらって3年以内に解約すれば違約金35,000円です。
縛りなし光回線を使って最強のネット環境を構築する
縛りなし光回線を比較すると料金だけではないサービスの違いが分かります。料金が安いのはメリットですが、格安光回線がプロバイダではなく販売代理店のような事業者が運営していることも分かりました。
自分にサポートは必要ない、回線が使えればそれでいいという場合は格安の光回線にすることもできます。
とはいえ、キャッシュバックなどの特典を考えた時、2年総額で安い老舗プロバイダを選択することができることも分かりましたね。
もちろん工事費無料キャンペーンを活用して、うんと安く光回線を始めることもできます。
ご自身で考慮して最良の選択ができれば、縛りなし光回線を使って最強のネット環境を構築できるでしょう。