ソフトバンクが提供する光コラボのソフトバンク光は、FTTHシェアでNTTコムに次ぐ2位につけており、ADSLやワイヤレスを含んだ固定ブロードバンドではISPシェア1位と非常に人気が高くユーザー数も多い光回線です。
インターネットプロバイダとしてのソフトバンクは、ADSL時代にYahoo! BBとして一躍ブロードバンドのトップに躍り出ました。そんなソフトバンク光の実力が気になるというのが正直なところ。
ソフトバンク光の実際に測定した回線速度は、どのような感じなのか確認してからソフトバンク光に申し込みたいと思いますよね。
では、今回はソフトバンク光の実効速度はどのようなスピードが出るのか検証結果を解説します。
目次
- 1 ソフトバンク光の実効速度はどのくらいか?高速化の方法も解説
- 1.1 ソフトバンク光の通信速度
- 1.2 ソフトバンク光の速度は配線方式で変わる
- 1.3 ソフトバンク光IPv4 PPPoEの実効速度
- 1.4 ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドの実効速度
- 1.5 ソフトバンク光をWi-Fiで接続したときの実効速度
- 1.6 IPv4 PPPoEネットワークが遅いと言われる理由
- 1.7 BBIXを活用したソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドとは
- 1.8 ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドは光BBユニットを使う
- 1.9 光BBユニットはE-WMTA2.4を使おう
- 1.10 ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドの申し込み方法
- 1.11 携帯がソフトバンクじゃなくてもソフトバンク光にした方がいい?
- 1.12 高速なソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドを使う
- 2 ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドで速度の速いネット環境を構築する
ソフトバンク光の実効速度はどのくらいか?高速化の方法も解説
ソフトバンク光の回線速度は、実際のところどうなのでしょうか。
ソフトバンク光は携帯がソフトバンク、あるいはワイモバイルだと割引になるので、携帯と一緒に使いたいですよね。
もちろん携帯がSBワイモバじゃなくてもソフトバンク光にする理由があります。
ソフトバンク光の通信速度
ソフトバンク光の通信速度には、利用する配線方式によって様々なメニューがあります。
NTT東日本エリア
住居形態 | 回線タイプ | IPv4 PPPoE | IPv6 IPoE+IPv4 | ||
下り | 上り | 下り | 上り | ||
戸建て | ファミリー・ギガスピード | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
ファミリー・ハイスピード | 200Mbps | 100Mbps | 1Gbps | 100Mbps | |
ファミリー/ファミリー・ライト | 100Mbps | 100Mbps | 100Mbps | 100Mbps | |
集合住宅 | マンション・ギガスピード | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
マンション・ハイスピード | 200Mbps | 100Mbps | 1Gbps | 100Mbps | |
マンション | 100Mbps | 100Mbps | 100Mbps | 100Mbps |
NTT西日本エリア
住居形態 | 回線タイプ | IPv4 PPPoE | IPv6 IPoE+IPv4 | ||
下り | 上り | 下り | 上り | ||
戸建て | ファミリー・スーパーハイスピード | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
ファミリー・ハイスピード | 200Mbps | 200Mbps | 1Gbps | 200Mbps | |
ファミリー/ファミリー・ライト | 100Mbps | 100Mbps | 100Mbps | 100Mbps | |
集合住宅 | マンション・スーパーハイスピード | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
マンション・ハイスピード | 200Mbps | 200Mbps | 1Gbps | 200Mbps | |
マンション | 100Mbps | 100Mbps | 100Mbps | 100Mbps |
通常、ソフトバンク光を申し込むと速度は1Gbpsで、東日本エリアだと戸建てはファミリー・ギガスピード、マンションはマンション・ギガスピードになります。
西日本エリアは、戸建てはファミリー・スーパーハイスピード、マンションはマンション・スーパーハイスピードです。
戸建ては光ファイバーをそのまま引き込むので光配線方式です。100Mbpsから1Gbpsがあり、現在はほとんどの場合1Gbpsで工事をします。
マンションも100Mbpsから1Gbpsで、100MbpsはVDSL方式で接続するケースとLAN配線方式となり、1Gbpsは光配線方式となります。
マンションは光配線方式が可能なら1Gbpsで工事します。なのでソフトバンク光の標準的な速度は1Gbpsになります。
他に、一部エリアでファミリー・10ギガという10Gbpsの超高速プランがあります。これは現在、対応エリアがとても限定的で、東京でも一部の区の一部エリアで対応ですので、それほど気にしなくてもいいと思います。
ほとんどの場合、1Gbpsあれば速度的には十分です。10Gbpsにしてもいいのですが、4K映像の配信でも20Mbpsあれば見られるので、1Gbpsのプランで問題ないでしょう。
ソフトバンク光の速度は配線方式で変わる
前述の通り、ソフトバンク光の速度は光ファイバーの配線方式で変わります。戸建てはすべて光ファイバーを直接引き込む光配線方式なので1Gbpsの速度でリンクできます。
マンションは以下の方式から対応している方式を選びます。
- 光配線方式
- VDSL方式
- LAN配線方式
特にマンションなどの集合住宅は配線方式で速度が変わり、1Gbpsの速度が出る光配線方式が一番速いです。光配線方式の工事ができない場合はVDSLとなり、100Mbpsの速度になります。LAN配線方式は古い物件だと100Mbpsの可能性もありますが、新しい物件は1Gbpsでリンクできます。
マンションタイプは1本の光ファイバーを共有して使う方式になっています。これを共同利用方式と言います。

この共同利用方式において、光コラボのソフトバンク光は光配線方式で工事ができる可能性が高いです。なので特別な事情がない限り1Gbps回線を使うことができると思います。光配線方式で工事すると以下のような光コンセントを設置することになります。

このような光コンセントの工事をして光ファイバーを部屋に直接引き込むと、数百Mbpsで高速通信することができます。
ソフトバンク光IPv4 PPPoEの実効速度
ここではソフトバンク光をIPv4 PPPoEで接続したときの実効速度を解説します。IPv4 PPPoEとは従来からある接続方式で、IPv4アドレスを使ってPPPというセッションを張ってデータ通信をするものです。
速度測定をした環境は以下の通り。
- 東京
- 100戸以上の集合住宅
- 光配線方式
- 光BBユニットに有線LAN接続
- アプリはOokla SPEEDTEST
東京にある100戸以上の集合住宅で、光配線方式を使い、ソフトバンクからレンタルする光BBユニットに有線LAN接続で測定しています。測定結果は以下の通り。
ソフトバンク光IPv4 PPPoEの5回分の平均速度
下り(Mbps) | 上り(Mbps) | |
1回目 AM9:50 | 514.25 | 730.39 |
2回目 AM10:30 | 479.30 | 598.07 |
3回目 PM2:34 | 220.82 | 546.06 |
4回目 PM3:45 | 186.31 | 401.86 |
5回目 PM7:02 | 462.54 | 627.42 |
平均 | 372.64 | 580.76 |
上りがかなり高速で、平均で500Mbps超えています。下りは午後に速度が落ちたため平均が下がっていますが、それでも300Mbps後半の速度が出ていますね。下りの速度はネットワークの混雑の影響が出やすいので、比較的午後は伸び悩む傾向があります。
しかし5回目の夜7時台の速度を見ると、下り372Mbps上り627Mbpsなので、特に夜間帯に回線速度が調整されるようなことはありません。夜でも快適にデータ通信ができます。
ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドの実効速度
では、ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドの速度はどうでしょうか?
IPv6高速ハイブリッドとは、次世代IPアドレス技術のIPv6を使い、新しいネットワークであるIPv6 IPoEの経路を使ってインターネット接続する技術です。
IPv6は速度を高速化する技術ではありませんが、IPv4 PPPoEとは別のネットワークを使うため、結果的に速度のパフォーマンスが良くなる可能性があります。
速度測定した環境はIPv4 PPPoEと同じです。
- 東京
- 100戸以上の集合住宅
- 光配線方式
- 光BBユニットに有線LAN接続
- アプリはOokla SPEEDTEST
上記が測定したときの環境です。ここでは、IPv4 PPPoEと同じように5回速度測定をして平均を求めてみます。測定結果は以下の通り。
ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッド5回分の平均速度
下り(Mbps) | 上り(Mbps) | |
1回目 AM9:42 | 505.15 | 567.40 |
2回目 AM10:29 | 476.71 | 513.67 |
3回目 PM3:39 | 454.28 | 576.69 |
4回目 PM4:45 | 434.91 | 576.35 |
5回目 PM8:56 | 410.81 | 584.99 |
平均 | 456.37 | 563.82 |
IPv4 PPPoEに比べて速度が安定しましたね。下りの平均速度は400Mbpsを超えていて、上りも500Mbps超えているので、IPv6(IPoE)だと上りと下り両方が安定して高速になります。
これを見るとIPv6であれば400Mbps~500Mbps以上の速度で接続でき、上りと下りの差が縮まって常に質の高い高速通信ができることが分かります。ソフトバンク光のIPv6高速ハイブリッドオプションを付けることによって、速度はブレのない安定性を持つようになります。
ソフトバンク光をWi-Fiで接続したときの実効速度
今までは有線LAN接続でしたが、最も身近な接続方法であるWi-Fi接続で速度測定をするとどうなるでしょうか?
Wi-Fiは、IEEE802.11ac規格の電波を使う光BBユニットの無線LAN機能を使い、iPhone SE(第2世代)でSPEEDTESTアプリを使いました。
下りは100Mbpsを超えていて、上りは300Mbpsを超えることが分かります。下りの速度が少し出にくい結果ですが、スマホで100Mbps出れば十分ですよね。
なので、Wi-Fi接続で使うソフトバンク光なら家のどこにいても高速でインターネットができるので、初めての光回線でも不安はないですね。
IPv4 PPPoEネットワークが遅いと言われる理由
よく、IPv6にすると速度が速くてIPv4は遅いと言われていますが、これはどういうことでしょうか?
そもそもIPv4とかIPv6というのは、インターネット・プロトコルというインターネット接続の手順に使う技術であり、パケットのルーティング方法を標準化したものです。
172.10.10.1のようなIPv4アドレスでは数が足りないので、ほぼ無限にアドレスを作れるIPv6に置き換えようとしています。
なのでIPv4が遅いという言い方は間違いですが、IPv4 PPPoEに使うネットワークが古いことは確かであり、ネットワーク機器のパフォーマンスがいまいちであるという理由からIPv6を選んだ方がいいという認識になっています。
IPv4 PPPoEネットワークは、NTT回線にある網終端装置を使い、この装置はユーザーが接続するセッションに限界があります。インターフェースも1Gbpsだったり、台数を増やすことが難しいなど、様々な制約があります。
一方でIPv6(IPoE)で使うゲートウェイルーターは、プロバイダが増設させることができますし、機器のインターフェースも10Gbpsになるなど、高速化が図られています。
そしてIPv4 PPPoEネットワークは、特に地方で速度が遅い場合があります。というのは、地方はNTT回線のPOIという接続ポイントの数が少なく、限られたNTT収容ルーターに多数のユーザーが接続する状況になっていることがあります。
なので、一部で言われる「〇〇光遅い」という表現は間違いで、プロバイダが原因で速度が遅いケースはほとんどありません。
ボトルネックとなるのはNTT収容であり、各都道府県に設置されたNTT収容の能力で速度が速いか遅いか決まることが多いです。
BBIXを活用したソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドとは
そこで遅い回線よりもできるだけ速く安定した回線にしたいと思った場合、ソフトバンク光ではIPv6高速ハイブリッドオプションがあります。
IPv6高速ハイブリッドを有効にすると、使用するネットワークがIPv4 PPPoEと違うIPv6ネットワークになりますので、質の高い安定した高速接続になります。
IPv6高速ハイブリッドは、VNE事業者にソフトバンク系列のBBIXを使います。IPv6高速ハイブリッドは、ユーザーが仮想的にBBIXバックボーンを通ることになります。ネットワーク図は以下の通り。
プロバイダの契約はソフトバンク光ですが、実際に使うIPv6ネットワークはBBIXのものとなります。BBIXは全国に相互接続点のIXを置き、トラフィックを高速に捌いてユーザーの増加に対応しています。
ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドは光BBユニットを使う
このソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドは、利用するのに光BBユニットという専用のネットワーク機器をレンタルする必要があります。

レンタルする方法としてはおうち割光セットを申し込むのがおすすめです。おうち割光セットは以下の3つのオプションが必須です。
- 光BBユニットレンタル
- Wi-Fiマルチパック
- BBフォンまたはホワイト光電話または光電話(N)+BBフォン
携帯とのセット割であるおうち割光セット(月500円)に含まれるオプションの中に光BBユニットレンタルがあり、月額500円で光BBユニットとWi-Fiの利用とひかり電話が使えるようになっています。
ソフトバンク光のIPv6高速ハイブリッドは独自の方式を使っているので、他社メーカーのWi-Fiルーターは使えないようになっています。光BBユニットをレンタルしてIPv6接続しましょう。
光BBユニットはE-WMTA2.4を使おう
ソフトバンク光でレンタルする光BBユニットは、2020年からE-WMTA2.4という新しいバージョンになっています。

この光BBユニット2.4は以下の特徴があります。
- Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)対応
- オートチャネルセレクト
- ビームフォーミング
- 4×4 MIMO
- マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)
- WPS
Wi-Fi 6対応なので、電波の安定性が増して広範囲で高速接続ができるようになっています。そして一番のメリットはビームフォーミング対応です。ビームフォーミングによってデバイスに直接電波を向けることができるので、接続が切れにくくなります。
ただ注意点もあって、2.3より本体サイズが大きくなります。

一回り以上大きくなるので、交換の時は注意しましょう。そして2.4に交換すると2.3にダウングレードできないのでその点も意識しておきましょう。
現在送られてくる光BBユニットは2.3の場合もあるので、その場合にもし2.4に交換したいならサポートに連絡して2.4に交換してもらいましょう。
ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドの申し込み方法
ソフトバンク光のIPv6高速ハイブリッドオプションは、ソフトバンク光を申し込んだあと、折り返しの電話連絡があればその時にIPv6を申し込むことができます。
開通したあとに申し込むなら、接続方式変更のお申し込みのページからMy SoftBankのページで必要事項を入力して手続きしましょう。
携帯がソフトバンクじゃなくてもソフトバンク光にした方がいい?
このパターンの人は結構いるのではないか、と思います。ソフトバンク携帯やワイモバイルを使っていなくてもソフトバンク光にしようかどうか考えている人はいますよね。
その場合でも、ソフトバンク光を使うメリットを考えるなら、携帯がソフトバンクorワイモバイルじゃなくてもソフトバンク光にするかどうか前向きに検討できます。ソフトバンク光のメリットは以下の通り。
- IPv6高速ハイブリッドに使うネットワークはBBIX
- 最大24,000円キャッシュバックor1,100円割引×24か月
- おうち割光セットで携帯が割引になる
- 他社プロバイダ違約金還元
キャッシュバックキャンペーンで工事費最大24,000円キャッシュバック、または1,100円引きが24か月のどちらかを選べます。
他社ISP違約金還元など、割引やキャッシュバックが充実しているので、新規や乗り換えでソフトバンク光にするのは本当にお得なんですよ。
高速なソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドを使う
ソフトバンク光の具体的な実効速度が分かり、高速化の方法も分かりました。実際の速度を見るとあまり不安はないですよね。
地域によって速度は変わりますが、もしあまり速度が出ないとしてもIPv6高速ハイブリッドのオプションがあるので対策できます。
新規でソフトバンク光を考えているならもちろん、他社ISPから乗り換える動機としても、ソフトバンク光の実効速度を見れば前向きに検討できます。
ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドを使って快適なネット環境にすれば、ストレスフリーなライフスタイルになると思いますよ。
ソフトバンク光IPv6高速ハイブリッドで速度の速いネット環境を構築する
ソフトバンク光の実効速度は、地域によって違いがありながらも1Gbpsのプランなら400Mbps~500Mbps以上出ることが確認できました。
500Mbpsという速度は1秒間に62.5MBのデータを転送できる速度です。メール1通10KBだとしたら、一度に6,000通以上のメールを送信することができます。
実際にはメールを6,000通送ることはありませんが、最近は動画のストリーミングや配信など、大量にデータを送受信する時代になっています。大容量データ通信を行う時代には、速度の速いネット環境を構築することが重要ですよね。
ソフトバンク光のIPv6高速ハイブリッドを使えば、気分よく快適なインターネットライフにすることができると思います。