「最近テレワークを始めることになったけど、オフィスの電話はどうすればいいんだろう」このように思っているマネージャーは多いです。感染症の対応はもちろん、在宅勤務という働き方のニーズは高まるばかりなので、テレワークの問題に対処しなければなりません。
コンピューターとインターネットの問題と同時に対処しなければいけないのは電話です。当然、オフィスの固定電話は事務所に出社しないと取ることができません。電話に出るためだけに出社した、という経験をした人もいるのではないでしょうか。
今回は、テレワークを導入するにあたって、クラウドPBXという新しいオフィスの電話環境について解説し、おすすめのクラウドPBXを5つ紹介します。
目次
テレワークの障壁となる電話対応の問題
テレワークだとどうしてオフィスの電話が問題になるのでしょうか。
電話対応のために出社して密になっている
電話のために出社しなければならない、あるいは、電話に出ることが必須である職種なら、テレワークができる従業員も限られてきます。その結果、電話に出るためだけにオフィスが密になります。コールセンターなどはそのいい例です。
外線はもちろん、内線が一番厄介ですね。内線でコミュニケーションを取らないといけない業務はもちろんあります。テレワークならZoomやSlackなどを使って対応できますが、気軽に話をする環境を作ることはできません。
事務所にいない時に電話に出られない
もし電話が必須でない職種でテレワークをしたとしても、たまにかける携帯電話への通話料がかさみます。Slackなどでは上手く伝えにくいという問題もあるかもしれません。
事務所にいない時に電話をやりにくい、電話をしたとしても経費が余計にかかるという状況には対処しなければなりません。
一部の社員に電話対応の負担がかかる状況
電話対応を一部の社員ができればいいとなっても、その一部の社員にだけ負担がかかってしまいます。同じ人が電話係のように出社するのは不公平ですし、輪番で電話対応するのも面倒です。
しかし、多くの企業でこのやり方をしています。週何日か出社して電話を受けながら仕事をします。
コールセンターがテレワークできない
テレワークでコールセンターをやるのが難しい、と思っている人は多いです。問い合わせの受電はもちろん、システムがコンピューターに依存しているなら自宅で問い合わせ対応することができません。
コールセンターは人数も多いですし、オフィス内での一人一人の間隔も狭くなりがちです。コールセンターをテレワークでできたら、と思う経営者は多いですし、オペレーターの方もコールセンターをテレワークでやりたいと思っているのではないでしょうか。
拠点間の電話代が高コスト
オフィス内ではなく拠点間の電話もテレワークの問題となっています。自宅では遠い拠点に内線で話すことが難しくなります。インターネットを使ってビデオ会議をすればいいですが、電話ほどの手軽さはありません。場所や時間を設定する必要があります。
感染症対策でテレワークをしない普通の時でも、拠点間の通話は料金が高くなります。もちろんひかり電話であれば市内料金で済みますが、無料とならない場合があります。
拠点が多数ある事業者は、通信費を極力下げたいと思いますよね。そしてどこにいてもオフィスや各拠点の電話に出られるのが理想です。
テレワークの電話問題を解決するクラウドPBXとは
テレワークを検討したときにオフィスの電話がどのように問題になるか分かりました。やっぱり事務所にいないと電話が取れないというのは、密集だけでなく仕事の効率そのものに影響を与えます。
そのような時に役立つのがクラウドPBXです。テレワークの問題を解決するクラウドPBXとは何でしょうか。
スマホ内線化
まずクラウドPBXの特徴として挙げられるのは、やはりスマートフォンを内線化できること。スマホにアプリを入れることによって、インターネットのクラウドPBXを通して仮想的に内線を作ることができます。

専用の電話機を使わないことから、外に出ても会社の電話を受けることができますし、会社の番号を使って外で仕事の電話をかけることもできます。テレワークであれば、オフィスにいなくても自宅で会社の内線をかけることができます。
クラウドPBXを使えば電話のために出社する必要はありません。そしてオフィスにいないと仕事の電話を受けられないということもなくなります。PBXとしての機能を果たすので、スマホで話しても内線なら費用は0円です。
番号は03や06などの番号に加えて0120のフリーダイヤルも使えます。もし仕事用の携帯電話なら番号も携帯になるので、携帯番号を知らない人にとってはその企業の電話であることも分かりにくいです。03などの番号が使えるのはアドバンテージが高いですよね。
低コスト
クラウドPBXは低コストで運用でき、初期費用は10,000円で導入できる事業会社もあります。内線数によって月額費用が変わりますが、一人用の安いプランであれば2,000円から、小規模オフィスで5,000円程度から始められます。
そしてクラウドPBXは内線なので、拠点間の通話も0円です。多拠点の場合に電話代がかかっていたとしてもクラウドPBXを導入することによって、費用は最小にすることができます。
引っ越しや席替えに工事が不要なので、クラウドPBXなら電話の移動も費用がかかりません。インターネットなのでどこでも使えるからです。LANケーブルを挿しかえることによって対応できます。
コールセンターもテレワーク可能
テレワークしにくいコールセンターにクラウドPBXを導入すれば、テレワークをより一層使いやすいものにします。問い合わせ対応に必要なシステムがブラウザなど汎用的に使えるものであれば、自宅でコールセンター対応が可能です。
会社の番号がスマホで使えるということは、どこでもコールセンター業務ができるということです。PCにヘッドセットをつける形でもクラウドPBXを運用できるので、自宅でもどこでもいいです。
コールセンターのような密集しやすい環境であれば、なおさらテレワーク環境に移行したいですよね。そのような時、クラウドPBXを使えば問題解決となります。
Webで管理できる
クラウドPBXならWebを使って、いつ、誰が、どのくらいの時間通話したのか履歴を確認できます。設定もWebで管理するので簡単。コストもかかりませんし、端末を一元管理できて便利です。
テレワークでオフィスの電話対応に困った時のクラウドPBX5選
では、クラウドPBXはどの事業者を使えばいいのか、5つに絞って見てみます。
ナイセンクラウド
ナイセンクラウドなら、個人事業主やSOHOでクラウドPBXを使う時でも、一人用のライトプランで月額2,000円から始めることができます。初期費用も10,000円なので始めやすいですね。
小規模プランのペアは、1~2人で会社を経営している場合に2内線で月額5,000円。もちろん3回線以上の中規模以上のオフィスにも対応していて、プロプランだと月額10,000円で5内線以上に対応しています。
ナイセンクラウドだとどちらかという小規模オフィスに向いているんですが、結構大手企業も使っています。家具や文具で有名なPLUSだったり、金融のセブン・グローバルレミットというセブン銀行子会社も使っていますね。
なので、個人事業主から一般的な中小規模の法人まで幅広く、クラウドPBXを安価で運用できます。スマホの内線化、拠点間通話無料、03や06の電話をそののまま使える、Webでの管理など、基本的な機能はそろっています。おすすめ。
BIZTEL
BIZTELは利用している大手企業も多く、Web広告もガンガン流していてシェアや規模が大きいクラウドPBXですね。特に大規模コールセンターなどを運営している企業に使われているようです。
例えば、ツムラやヤマハ発動機という誰でも知っている企業が使っていたりします。それくらいの企業だと問い合わせの規模も大きくなるので、大規模コールセンターに対応できる信頼性を担保しているということなのでしょう。
普通のオフィス向けプランもあって、中規模クラスの会社から使えます。というのもライトプランで内線数が40なので、ある程度の規模に成長した会社向けになってますね。料金もそれなりに高く、ライトプランで月額21,000円となっています。
GoodLine
GoodLineもSOHO向け2内線のプランで月額3,000円という始めやすさがメリットになっています。特に選ばれている理由は、録音機能や自動音声応答、分析といったツールが標準搭載されていること。
初期費用が若干高くて、20,000円からとなっています。そして月額費用と基本料金が分かれていて、3内線以上のビジネスプランは月額費用は1,000円ですが基本料金は5,000円です。回線ドットコムより少し高いです。
ただ、ほかでは有料のオプションもGoodLineだと標準で使えるのでわりとおすすめですね。
MOT/TEL(モッテル)
MOT/TELは月額費用がかなり安いです。20内線で税込4,378円なので格安で運用したい小規模事業者なら検討してもいいですね。ただ初期費用はスタンダードで税込32,780円とそれなりに高くなっています。
録音や自動音声応答といったオプションは有料ですが、クラウドPBXの基本機能が使いたいだけなら、安いMOT/TELはアリです。スタンダードであれば、内線化のアプリ、チャット、ネットFAXやクラウド電話帳などが使えます。
初期費用は高くても必要最低限で安いクラウドPBXが使いたいなら、MOT/TELでいいのではないでしょうか。
クラウドPBXに移行してビジネスを効率化する
以上、テレワークを考えた時にオフィスの電話問題を解決するクラウドPBXについて、推奨する事業者を含めた解説となります。電話そのものをやめることは現実的ではないと考える企業がほとんどなので、クラウドPBXでテレワークに対応することは必然的な流れです。
もしテレワークをしないとしても、どこでもスマホで内線が使えるクラウドPBXなら機会損失を防ぐことができます。出張や外回りの時でも会社の電話番号が使えるのはメリットですね。
紹介したクラウドPBX事業者を検討して、自分たちの会社に合ったサービスを導入すれば、より一層ビジネスを効率化できます。2020年代は電話もIT化していくことが求められるので、企業の規模を問わずクラウドPBXを導入していきましょう。