ネットを見ていると「40代以降のITスキルが低い」といった記事を時々見かけます。
パンデミックでテレワークの時に、40代以上の世代は会社に相談できる人がいないと回答した割合が多かったとか。
いつの時代も機械の扱いは若者が得意。かつて女子高生が公衆電話でやったポケベルへのメッセージ打ち込みの速さは異次元だったようです。
今回は、ITスキルの世代間格差は実際どうなのか見てみます。
目次
ITスキルの世代間格差は実際どうなのかーまとめ
世代間格差はある?
ITスキルに世代間格差は本当にあるのか。
結論は世代というより、電子機器の使い方が人によって違うことや環境の違いに焦点を当てた方が話が早いです。
ネットを駆使してソフトウェア開発をする90代もいれば、スマホでSNSを眺めながら買い物をするだけのアラサーもいる。
前者は90代のエンジニア、後者は2010年代以降の携帯電話ユーザーです。
最近は世代を問わずSNSで情報発信をし、YouTubeで動画と配信をやります。たくさんの40代以降の専門家が情報発信していますよね。
人によって持っているものや役割が違います。
ジェネレーションXが発展させたインターネット
TCP/IPやUNIXの生みの親、またコンピュータのメーカーなど、ネットの礎を作ってきた世代は今60代〜80代。
確かに敬意を評したいですね。
とはいえ現在のネット社会は、実は「ジェネレーションX」と呼ばれる世代が発展させてきました。
ジェネレーションXとは1960年代半ば〜1970年代生まれの世代を指す言葉で、1990年代の若者のつかみどころがない特徴をよく表しています。
内向的。そして個人主義。
その90年代初頭にWWWとブラウザが出現。インターネットの普及に貢献した技術者はジェネレーションXが多い。
Linux開発者リーナス・トーバルズは1969年生まれ、ブラウザ「モザイク」を開発したマーク・アンドリーセンは1971年。
Google共同創業者ラリー・ペイジ(1973年)、セルゲイ・ブリン(1973年)、旧Twitter共同創業者ジャック・ドーシー(1976年)。
そして話題のイーロン・マスク氏は1971年。
40代〜60代以上のITスキルはどの程度か
それは外国のIT業界の話だろ…
と思うのは当然。じゃあ日本はどうか。日本にもIT系の著名人一杯いますよね。
Windows95の発売とプロバイダが登場してきたのが1995年。90年代後半〜2000年代に働いていた20〜30代は現在40代以上になっています。
2000年に職場でPCを使っていた人が30歳なら2025年で55歳。同様に40歳だったら現在65歳になります。
つまり、当時頑張ってコンピュータとインターネットを勉強した人はITガジェットを違和感なく使いこなす。
職場がPC環境じゃなかったとしてもケータイでネットをやって情報収集したと。
逆にそうではない人もいるでしょう。
「信用できないインターネットなんかよりアナログだよな」という人を見かけることがあります。いつの時代も昔の人は頑固。
つまりそういうことで、ばらつきがあるものの特に90年代後半〜2000年代にかけて若年層だった現在の40代〜50代は半分デジタルネイティブと言えます。
問題は40代〜50代前半の就職氷河期世代がそもそも会社の職場にいない。
Z世代のITスキル
現在のZ世代(ジェネレーションZ:終末的な)は子供の頃には既にインターネットとガジェットがあるデジタルネイティブ。
ジェネレーションXが作ってきた21世紀のネット社会に乗っかるようにして、デバイスは特にスマートフォンが中心。
もちろんZ世代もPCを使うし、今は大学のレポート作成にPCを購入しなければならない(可哀想…?)。
ただ、スマホでSNSや動画を見て育つ(中にはインフルエンサーも出てくる)のと、PCベースとは持っているスキルと情報量が違う。
スマホにはない情報がPCにはあるケースが多々ありますよね。
なのでZ世代(全員ではない)はスキルがあって何でも使いこなせる一方、持っている情報の質と量が偏る、情報の信憑性を疑わずに信じるなどの傾向(という筆者の思い込み?)があるかもしれない。
デバイスを使いこなすスキルと、情報の真偽を識別するスキルは違うのです。
PCを使わないユーザー
今はPCを使わないユーザーもたくさんいます。スマホファーストなので。
PCを使わなくても困らない。スマホでできるからそれでいい。
一時期、PCを使えない若者…みたいな記事が読まれました。むしろZ世代はPCを使う必要がなかったのです。
必要ならあとから習得すればいいし、仕事以外で使う場面がなければそれでいい。
ただ先述したように、情報量と情報の真偽を識別するスキルは異なってきます。
いずれにしろ、1980年代までコンピューターや携帯電話を使う人の方が少なく、なくても特に問題なかったのです。
問題どころか、それらが無かった時代はいちいち物事を難しく考える必要はなかったし、難しいことは学者や研究者がやればよかった。
今の情報化社会は大変ですよね笑。
ただ、21世紀は個人レベルで情報をアウトプットできるメリットがあります。活用しましょう。