ソフトバンク光の面白い特徴と言えば、ホワイトを基調としたブロードバンドルーターのような光BBユニット。
ソフトバンク光は光BBユニットをレンタルしてすぐにインターネットを始めることができ、インターネット初心者やWi-Fiルーターがなくても簡単にネット環境を構築できます。
一方で、ソフトバンク光をオプションなしの最小構成で契約し、光BBユニットのレンタルなしで安く使うことも可能。そこで気になるのは光BBユニットなしでソフトバンク光のIPv6を使えるのかどうか?
今回は、ソフトバンク光でIPv6を使うのに光BBユニットなしで繋がるのか、そして光BBユニットの魅力やレンタルのメリットなどを徹底解説します。
ソフトバンク光IPv6は光BBユニットなしで繋がるか?
ソフトバンク光は光BBユニットで力を発揮できますが、光BBユニットをレンタルしないでルーターを用意して使っている人もいます。
そこで疑問なのは、ソフトバンク光のIPv6に光BBユニットなしで繋がるのか、ということ。実際に検証しました。
ソフトバンク光のIPv6は光BBユニットなしだと接続できない
結論は、ソフトバンク光のIPv6は光BBユニットなしだと接続できない、です。
光BBユニットを使ってIPv6接続をすると、IPv6テストのサイトを見ればIPv6アドレスが付与されていることを確認できます。
上記を見ると、上がIPv4アドレスでISPにSoftBank BBと書いてありますね。下はIPv6で、2400から始まる16進数のIPv6アドレスが表示されており、ISP名にVNE事業者であるBBIXの名前が表示されています。
光BBユニットを接続すれば問題なくIPv6アドレスを取得できますが、では、市販のブロードバンドルーターを接続してIPv6アドレスを取得できるか試してみましょう。
検証用の市販ルーターに使ったのはエレコム WRC-1167GST2。日本ネットワークイネイブラー(JPNE)のv6プラスやインターネットマルチフィード(MFEED)のtransixにも対応しているルーターです。日本のIPv6(IPoE)に対応しているということですね。
このルーターをIPv4 PPPoEで接続して管理ページを見ると以下の通り。
IPアドレスの欄にIPv4アドレスしか表示されていません。これはIPv4 PPPoEに使うユーザーIDとパスワードを設定しているのでIPv4アドレスを取得しています。
ではIPv4 PPPoEの設定をしないで、そのままルーターを接続するとどうなるでしょうか。ソフトバンク光のIPv6に市販ルーターをそのまま繋げると以下の通り。
表示がAuto(識別中)になって、IPアドレスの欄は0.0.0.0になり、IPアドレスは取得できませんでした。つまり、市販のブロードバンドルーターはソフトバンク光に自動接続できないで、IPv6接続もできません。
なのでソフトバンク光のIPv6には専用の光BBユニットが必要なことが分かりました。
ここで光BBユニットとは何なのか、光BBユニットがないとダメなのか、光BBユニットをレンタルするメリットを解説していきます。
光BBユニットとは
光BBユニットはソフトバンク光独自のホームゲートウェイです。この光BBユニットを他社プロバイダがレンタルしていることはありません。
光BBユニットは以下の特徴を持っています。
- IPv4 PPPoEの設定が必要ない
- バージョン2.3は鴻海製、2.4はサーコムジャパン
- IPv6(IPoE)に対応している
- Wi-Fi機能がある
- ひかり電話ルーターになる
- BBフォンが使える
- ポート転送設定が簡単
- 色がホワイトで綺麗
光BBユニットは、バージョン2.3だと台湾のIT企業である鴻海精密工業(ホンハイ)の製品であるということは、知らない人もいるかもしれません。
鴻海という企業は知っているかもしれませんが、実際に鴻海が作っている製品はよく分からないと思います。
光BBユニットが鴻海製であることは、ソフトバンクがフォックスコンと仲がいいことの表れです。鴻海やフォックスコンは世界的にも知られており、台湾のIT企業としてシャープの買収にも至ったほど力が強いですね。技術力や経営の力もあります。
バージョン2.4はサーコムジャパンが開発しており、Wi-Fi 6に対応してビームフォーミングやオートチャネルセレクトなど、電波を安定させる機能があって好評です。
なので光BBユニットは性能いいですね。1台で何役もこなし、Wi-Fiルーター、有線LANのハブ、ひかり電話ルーター、BBフォンなど、様々な機能があるので、これ1台あればソフトバンク光を使いこなすことができます。
ソフトバンク光は光BBユニットレンタルが必須なわけではない
ではソフトバンク光に接続するには光BBユニットがないといけないか。
いいえ。
ソフトバンク光の光BBユニットレンタルはそもそも任意であり、必ずしも光BBユニットがないといけないわけではありません。
光BBユニットはIPv4 PPPoEの設定が不要で、インターネットに詳しくない人でもケーブルを接続するだけでインターネットに接続できるので利用が推奨されています。
ですが、ソフトバンク光に市販のブロードバンドルーターでも接続することができるのは確かであり、設定を自分でできる人はルーターを自分で用意して、月額料金に光BBユニットレンタル代を含めないようにしています。
市販のWi-Fiルーターでソフトバンク光に接続するにはIPv4 PPPoEの設定をするだけです。多くの場合、ルーターにIDとパスワードを使ってログインし、WAN側設定でIPv4 PPPoEを選び、IDとパスワードを入力するだけです。
設定画面でWANを選択する(例:エレコム WRC-1167GST2)
IPv4 PPPoEでIDとパスワードを入力する。
これだけです。IPv4 PPPoEなら光BBユニットが必須ではなくなり、どんなルーターでもソフトバンク光に接続できます。
IPv4 PPPoEでも速度が出れば市販ルーターを使ってもよい
ではIPv4 PPPoEでは速度が出ないのでしょうか?よくIPv4は遅いとか言われていますよね。
実際にソフトバンク光にIPv4 PPPoEで速度測定をした時の測定結果は以下の通り。
下り400Mbpsを超えています。これなら十分市販のブロードバンドルーターでもソフトバンク光でネットができます。
なのでひかり電話などのオプションがいらないなら市販ルーターを用意して、IPv4の回線だけを利用すればいいです。
市販ルーターでもソフトバンク光を使い倒す
ソフトバンク光は光BBユニットでしか使えないという思い込みがあるかもしれませんが、実際にはそんなことはなくIPv4 PPPoEなら市販ルーターが使えます。
現在はIPv6 IPoEがおすすめになりますが、IPv4アドレスを使いたいというニーズもまだまだありますし、当面は市販ルーターでIPv4を運用するのもアリでしょう。
光BBユニットのレンタル料も必要ないですし、経済的にソフトバンク光を運用できます。
もしIPv4 PPPoEでよければソフトバンク光に申し込む時におうち割光セットを付けない、光BBユニットをレンタルしないようにして申し込んでください。
では、IPv6接続する時に光BBユニットが必要なのはなぜでしょうか。
ソフトバンク光で光BBユニットを使った方がいい理由
ソフトバンク光で光BBユニットを使うメリットは何ですか。
ソフトバンク光IPv6に光BBユニットが必要な理由
ソフトバンク光はIPv4 PPPoEなら市販ルーターでもいいですが、IPv6を使うなら光BBユニットが必要です。なぜでしょうか。
まずIPv6にはIPv4 over IPv6という、IPv4をIPv6で使う技術がありますが、このIPv4 over IPv6の中に複数の方式があります。
- MAP-E(v6プラス、OCNバーチャルコネクト)
- DS-Lite(transix、クロスパス)
- IPv6高速ハイブリッド(BBIX)
BBIXは上記のうちIPv6高速ハイブリッドの独自方式を使っており、この独自方式に対応しているルーターは光BBユニットだけです。
市販ルーターはソフトバンク光のIPv6高速ハイブリッドをサポートしていません。なので市販ルーターを接続してもIPv6で接続できないため、光BBユニットが必要ということ。
ソフトバンク光IPv6のメリットは以下の通り。
- BBIXのIPv6ネットワークに接続して回線を高速・安定化できる
- 光BBユニットはホワイト光電話のルーターにもなる
- 光BBユニットを使ったWi-Fiマルチパックが便利
- 光BBユニット2.4はWi-Fi 6とビームフォーミングに対応している
上記を見てみます。
BBIXのIPv6ネットワークに接続して回線を高速・安定化できる
IPv4 PPPoEは市販ルーターを使って接続してもOKなことが分かりました。しかしIPv6接続をしたい場合、光BBユニットをレンタルしないと接続できないことも分かりました。
そもそもIPv6はIP version 6というIPアドレスの新しい規格であり、IPv4の約43億個までのアドレスの数では不足することから、ほぼ無限にアドレスを作ることができるIPv6に置き換えることが必要です。
このIPv6はIPv4と互換性がないので、新しいIPv6ネットワークを作る必要があります。ソフトバンクは系列企業のBBIXが持っているIPv6ネットワークを使います。
BBIXは国内にIXと呼ばれるインターネットの相互接続点をいくつか設置していて、インターネットそのものを構築しています。
ソフトバンク光のIPv6ネットワーク図は以下の通り。
ユーザーが契約するプロバイダはソフトバンクですが、IPv6だと実際に使うネットワークはBBIXのものを使います。BBIXの特徴はブレのない高速・安定性で、速度測定をしたときにスピードのバラつきが少ないことがメリットです。
上記は、下り500Mbpsや400Mbpsを記録していますね。このように速度が極端な低下を見せることなく安定した高速通信を実現させています。
光BBユニットをレンタルすれば、このBBIXが運用保守しているIPv6ネットワークに接続することが可能になる、というわけです。であれば、光BBユニットをレンタルしてでもソフトバンク光のIPv6を使いたいと思いますよね。
光BBユニットはホワイト光電話のルーターにもなる
光BBユニットはホワイト光電話のルーターになります。ソフトバンク光の場合、NTTから借りるONUは単体ONUなのでひかり電話の機能はありません。なのでひかり電話機能はソフトバンクが提供する光BBユニットが担います。
電話機のモジュラーケーブルは光BBユニットに接続します。
ホワイト光電話はソフトバンク携帯とセットにするおうち割光セットのパックに含まれるので、光BBユニットをレンタルするならおうち割光セットでホワイト光電話を付けた方が固定電話が安いですね。
光BBユニットを使ったWi-Fiマルチパックが便利
ソフトバンク光にはWi-FiマルチパックというWi-Fiを利用するオプションがありますが、おうち割光セット(550円)に加入すればWi-Fiマルチパックもセットに付いてきます。
このWi-Fiマルチパックによって、光BBユニットの無線LAN機能が使えるようになります。光BBユニットのWi-Fi機能は結構便利で、SSIDステルス機能やMACアドレスフィルタリング設定もできます。
そしてWi-Fiマルチパックに加入していると、ソフトバンクの公衆無線LANサービスにも接続することができます。公衆無線LANはいわゆるフリーWi-Fiのことで、全国にあるBBモバイルポイントを使ってフリーでインターネットに接続できます。
もし外出先で携帯のデータ通信ができないという場合でも、マクドナルドやドトールなどのカフェでインターネット接続ができますよ。
光BBユニット2.4はWi-Fi 6とビームフォーミングに対応している!
2020年からレンタルしている光BBユニットにはWi-Fi 6に対応しているものがあります。Wi-Fi 6に対応している光BBユニットの型番はE-WMTA2.4で、IEEE802.11axの規格を使ったWi-Fi接続ができます。
筆者は別のルーターでWi-Fi 6を検証したところ速度に変化はありませんでしたが、Wi-Fi 6のメリットは電波の強さや安定性にあるので、戸建てで使う場合や部屋数の多いマンションなどはWi-Fi 6対応光BBユニットが役に立つかもしれません。
また、ビームフォーミングを搭載しているので、Wi-Fi接続が切れにくくなっています。光BBユニット2.3はビームフォーミングがなかったので接続が切れることがありましたが、2.4は改善されているので快適ですよ。
光BBユニットを上手にレンタルできるおうち割光セット
光BBユニットは月額513円でレンタルすることができますが、携帯がソフトバンクとワイモバイルのユーザーはおうち割光セットに加入すれば携帯の割引と光BBユニットのレンタルを合わせて利用できます。おうち割光セットの内訳は以下の通り。
- 光BBユニットレンタル
- Wi-Fiマルチパック
- BBフォンまたはホワイト光電話または光電話(N)+BBフォン
上記の3つのオプションをまとめて550円のパックセットにするのがおうち割光セットです。このおうち割光セットによって携帯を割引にできるんですね。
特にワイモバイルだとスマホの割引が1,188円引きなのでお得なんですよね。
そしておうち割光セットなら、光BBユニットレンタルだけでなくWi-Fiマルチパックとホワイト光電話もオプションに含めることができるのでお得。
光BBユニットを使うことでBBIXの高速なバックボーンを使ったIPv6ネットワークに接続できますし、Wi-Fiやひかり電話も使えるので、家のインターネットが非常に強力になると思います。
ソフトバンク光は光BBユニットを使ったIPv6で高速・安定化させよう
以上がソフトバンク光の光BBユニットを使ったIPv6接続のメリットでした。
基本的にソフトバンク光のIPv6は光BBユニットをレンタルして接続するもので、市販のブロードバンドルーターはIPv6に対応していないことが分かりました。
光BBユニットしかソフトバンク光のIPv6に対応していないのは不便なのかなと感じるかもしれませんが、光BBユニットにはルーターだけでないWi-Fiやひかり電話の機能が盛り込まれています。
多機能な光BBユニットによってソフトバンク光のIPv6に接続することは、家のインターネット環境を強力なものにします。
最近はWi-Fi 6にも対応し、ますます進歩している光BBユニットを使って快適なブロードバンド環境を構築することは一歩進んだネットライフになりますね。