LINEMOの契約を検討する時に気になることの一つとして、LINEMOの速度制御はどのようなものかという点があります。使用する時間帯によって速度制御をするのか、また、回線の実効速度そのものも気になりますよね。
今回は、ソフトバンクの新しいオンライン専用ブランドであるLINEMOの回線速度に注目し、速度制御はしているのか、速度制御とは何なのかを解説します。
LINEMOは安いので、乗り換えを検討している人も多いはず。では見てみましょう。
目次
LINEMOは時間帯によって速度制御するのか? 実測レビュー
LINEMOの契約を考えている時に気になるのが速度制御。LINEMOはもしかして遅いのかな、と思う人もいるかもしれません。LINEMOの実際の速度を取り上げて、回線がどのようなパフォーマンスなのか解説します。
結論は速度制御の心配なし
結論から言うと、LINEMOは速度制御の心配をする必要はなく、ソフトバンク回線を通常通り使うことができます。速いですね。
後述しますが、元々ソフトバンクは回線に速度制御をかけていて、ARやVRなどのコンテンツを制御するとしています。LINEMOはそのソフトバンク回線をそのまま使うブランドということで、サブブランドのワイモバイルと同じと言えます。
元々速度制御をしているソフトバンク回線と言っても、例えばお昼時の速度は以下の通り。
上記は午後12時半過ぎの速度ですが、70Mbpsを超えていますよね。これを見る限り、MVNOのように時間帯によって速度が遅くなるということは、基本的にはないです。夜間は少し速度が落ちるかなという感覚はありますが、実用上問題ありません。夜間帯の速度の例としては以下の通り。
上記は午後8時半頃ですが、18Mbpsということで若干落ちるかなというのはあります。それでも1Mbps出ないなどの症状はないので、普通に快適にデータ通信できますよ。
動画視聴も問題ない
LINEMOはもちろん動画視聴も問題ありません。ソフトバンク回線の速度制御の対象に動画も含まれますが、HD 1080pのような高画質動画も十分再生できます。
HD 1080pだと、必要とする帯域は5Mbps程度です。実際には5MbpsなくてもHD動画が再生できる場合もあります。なので、動画も速度制御の対象とはいえ、ほとんど気にしなくていいでしょう。ただ、一人ではなく二人三人で回線を使う場合、動画が再生されにくいことはあるかもしれません。
4K動画も再生できますが、4Kは20Mbpsという帯域を使うので時間帯によっては再生しにくい状況はありますね。LTE回線はタイミングによって速度が速かったり遅かったりするので、4Kが難しい時はあります。
とはいえ、携帯のLTE回線を使ってスマホで動画を再生する場合、画質の自動調整でSD 360pの標準画質に設定されることが多いです。しかもSD画質でも問題なかったりするんですよね。SDでもわりと普通に視聴できます。
なので意識的に画質をHDに選択することもできますが、デフォルトに設定されるSDであれば速い速度をそもそも必要としませんし、データ量も少なくて済みます。
元々ソフトバンクが速度制御をしている
はい、既出ですが、ソフトバンク回線というのは元々動画やARなどのコンテンツを速度制御の対象にしています。
項目 | データプランメリハリ無制限 データプランメリハリ データプラン50GB(データ通信) |
データプラン50GB+ ソフトバンク学割特典(ギガ使い放題)適用 |
制御対象通信 | 動画サービス全般 AR/VR/FR/Gaming |
動画サービス全般 |
制御対象時間帯 | 制御が必要と判断した場合 | 08:00~08:59 12:00~12:59 18:00~23:59 |
制御場所 | 日本全国 | 日本全国 |
制御中の水準 | 未定 | 3~5Mbps |
上記はソフトバンク公式サイトからの引用ですが、ソフトバンクのメリハリ無制限といったプランでは明確に速度制御している旨が書かれています。これを見るとわりと基準が曖昧であることが分かります。時間帯は必要と判断した場合だったり、制御したときの速度は未定だったりします。
データプラン50GB+を見ると、速度制御したときの速度が3~5Mbps。これは、HD動画は大丈夫ですが、4KやARなどは難しいですね。ソフトバンクが制御を必要と判断したときに、ARなどが実行できないというのはありそうです。
ただ、先述したように、普通のHD動画であれば視聴は問題ないので、あまり気にしないでもいいと思います。ARやVRのコンテンツはまだ少ないので、そういった場合は光回線を使うようにしましょう。
LINEMOの実効速度を解説
ここでLINEMOの具体的な実効速度を見てみます。測定環境は以下の通り。
- iPhone SE(第2世代)
- 集合住宅の8階
- 天候は晴れ
- 窓際
- 速度測定アプリはOoklaのSPEED TESTを使用
- 4G LTE
LINEMOの速度
時間 | 速度(Mbps) | |
下り | 上り | |
2021/03/22 10:01 | 29.77 | 31.92 |
2021/03/22 12:36 | 78.54 | 34.24 |
2021/03/22 15:01 | 40.53 | 22.57 |
2021/03/22 20:38 | 18.76 | 30.63 |
2021/03/22 22:03 | 8.37 | 18.93 |
2021/03/26 11:19 | 26.70 | 29.97 |
2021/03/26 12:35 | 33.75 | 21.01 |
2021/03/26 15:07 | 30.25 | 27.34 |
2021/03/26 20:00 | 29.22 | 4.46 |
2021/03/26 22:31 | 13.58 | 6.45 |
平均 | 30.94 | 22.75 |
ソフトバンク回線は駅前などで測ると90Mbps程度の速度が出ることがありますが、自宅で測定すると下り平均30.94Mbps、上り平均22.75Mbpsになります。下り平均30.94Mbpsであれば、4K動画も再生できる速度ですね。
上記を見ると、3月26日のデータで夜間帯に上りが10Mbps以下になっているところ以外は、20Mbps~30Mbpsが多いです。
10Mbps以下になる夜は、やはり携帯を使っているユーザーが日本中で増えるので、電波だけでなく基地局に接続している光ファイバーも混み合っていることが考えられます。
測定結果の一例
上記は下りが30Mbps近く出ているので高速ですが、上りが5Mbps以下なので、タイミングによってはアップロードが少しキツイみたいな時間帯があります。
それでも、普通に動画を見る程度の使い方ならソフトバンク回線の速度制御の影響はほとんどありません。速度制御よりユーザーが多くて電波が混み合うことの方がスピードに影響が出ます。
実効速度を見ると上りが若干弱いかなと思いますが、ライブ配信をやるようなユーザーでないならそれほど気にしなくてもいいと思います。
20GBのデータ量を超過すると最大1Mbpsに制限される
LINEMOでは20GBのデータ量を超過すると、速度制御ではなくて速度制限があります。これはご存知のように決められた量のデータ通信をすると、それ以降は低速化するというもの。
速度制限されるときは200Kbpsなどの低速化が一般的でしたが、最近は低速化されても最大1Mbpsというプランが多いです。LINEMOもデータ超過後は最大1Mbpsに制限されるようになっています。
1Mbpsというのは標準画質であるSD 360pの動画が見られる速度なので、わりと速いです。Webブラウジングも問題なくできます。サクサクしたネットサーフィンはできないですが、画像の表示は速いです。ADSLのブロードバンドと同じような感じですね。
オートチャージ設定を確認しておく
LINEMOはデータのオートチャージという設定があって、デフォルトではOFFになっています。これをONにしてオートチャージ1回の設定にしておくと、20GB使い切った時に自動的に1GBがチャージされます。1GB税込550円です。
My Menuで設定する
ワイモバイルでは1年間データ増量無料キャンペーンをやっているので、オートチャージをONにすることがあります。3GB増量なら0.5GB×6回のように設定します。LINEMOでは1GBが550円なので、LINEMOは実はデータが安くなっています。
20GBも使わない人はオートチャージは0回でいいですし、データを使う人も自動的にチャージされてしまうのは困るならオートチャージ0回に設定しておきましょう。つまり、デフォルトでいいということです。
LINEMOの速度制御とは何なのか
LINEMOの速度制御とは何なのでしょうか。
※ ネットワークサービスの安定的な提供のため、時間帯により、動画・ゲーム等のサービス、AR(拡張現実)等の機能を用いたサービス、その他トラヒックの混雑を生じさせるおそれのあるサービスのご利用にあたり、通信速度を制御します。
※ 通信が混雑し、または通信の混雑が?じる可能性がある場合、ネットワーク全体の品質を確保するため、通信の種類及び内容にかかわらず、速度を制御する場合があります。
※ 一定期間内に著しく大量の通信を継続的に行い、機械的な通信と当社が判断した場合は、当該通信を行うお客さまに対して通信速度を制限することがあります。
引用:LINEMO
上記引用を見ると、一つ目で指摘してることは、制御の対象が動画・ゲーム・AR等のサービスとあります。これは大容量通信になればなるほど制御対象であるということ。これは前述の通り。
要は、平面的な2Dではない立体的な3DのようなAR・VRを実行すると大容量通信になるので、制御される可能性はありますね。いずれにしても、混雑すれば制御するとしているので、多くのユーザーが大容量通信を実行すれば品質を保つために制御せざるを得ないということになります。
ただ、繰り返しになりますが、普通に動画を見るくらいなら速度制御は特に気にする必要はなく、LINEMOは高品質なソフトバンク回線を安く使えることにそもそもメリットがあると言えるでしょう。
安心して速いLINEMOを契約する
見てきたように、ソフトバンク回線は元々速度制御をしているのですが、普通に動画を見る程度の使い方なら問題なく快適にLINEMOを使えることが分かりました。
速度測定の結果も良いものとなっていますね。手元の測定で下り平均30Mbpsを記録しているので快適なWebブラウジングを楽しめますし、上りの速度も速いのでライブ配信などにも使えます。
LINEMOだとLINEの音声通話だけでなくビデオ通話をすることもあるので、動画を安定的に配信できるのは非常にメリットがあります。最近ではライブ配信をしたり、インターネットの使い方の幅も広がっているので、LINEMOならどこでも高速で幅広いデータ通信ができますよ。
LINEMOは20GBで税込2,728円ですし、いままでになく高品質なソフトバンク回線を大容量で使えるので、かなりおトクだと感じます。
高速なLINEMOを使ってモバイルライフを充実させる
速度制御を全く気にしないというわけにはいきませんが、一般人が普通の使い方をしている限りLINEMOはほぼ問題ないと言えるでしょう。ARやVRといった大容量コンテンツはまだ少なく、ネットサーフィンする程度ならそれほど帯域を使わないからです。
速度測定では、夜間に若干パフォーマンスが落ちることが分かりましたが、これは携帯のLTEだとわりと仕方ないかなと感じます。4G LTEだとユーザーも多いですし、無線の電波で速いデータ通信をするなら5Gに移行するしかないです。
LINEMOは5Gにも対応しているので、5G対応エリアなら速度で悩む必要はないです。将来的に5Gも視野に入れて携帯を運用しましょう。
LINEMOの高速データ通信を使ってモバイルライフを充実させるなら、これまで以上にコストパフォーマンス高く大容量通信ができ、スマホがより楽しくなることは確実に言えるのではないでしょうか。