中国の新AI「DeepSeek」の登場がシリコンバレーで話題になり、早くも影響が出ています。
世界の株式市場に大きな影響を与えるこの騒乱は一体何が起こっているのでしょうか。
目次
米国市場を打ち砕くDeepSeek台頭はAIの流れを変えるのか
DeepSeekはAIの流れを変えるのか。
エヌビディアが6000億ドル近く消失
今回の暴落は西側から見ると「DeepSeekショック」。中立的に見ればイノベーション。
シリコンバレーでDeepSeekが話題になっていることが知られ、1月27日のNY先物で半導体のエヌビディアが下落。
同時に東京市場も下落。半導体関連株は売られました。
その夜、NY市場はナスダックが大幅下落。1月28日の東京市場はまたも一時600円以上値下がり。
エヌビディアの時価総額は6000億ドル(93兆円)近く消失したようです。DeepSeekならハイエンドのGPUが要らないからですね。
ハイエンドのAIチップが必要ない
前述したようにDeepSeekはエヌビディアの先端半導体が必要ない。性能を抑えたH800でも稼働できると。
そして開発期間が短く低コスト。性能はOpenAIのo1と同等かそれ以上。
つまり効率がいい。英語で長々と書く概念が漢字だと一文字で済むとかありますよね。
「AIとチップに巨額投資する必要ないじゃん」「さよならChatGPT」の感想が瞬く間に拡散しました。
サイバー攻撃まで起こるネット上の争い
市場が暴落した1月27日にはDeepSeekに対するサイバー攻撃も起こっています。
米国寄りの何者かが中国企業を攻撃。それでアプリの登録ができなくなったらしい。ロシア中国のハッカー集団だけじゃありません。
一方で主要ネットメディアがこの騒動をあまり報じていない件も気になります。
政治的な思惑のあるSNS投稿、一連の動きを詳細に伝えないメディア。Webではブログメディアや経済メディアの記事が目立ちます。
企業はAI投資の方向性を見直すのか
執筆時点で昨日の今日なので、今後の動向はまだ不透明。
「DeepSeekでいいじゃん」になるのか、将来的にエヌビディアのチップが必要なくなるかもまだ分かりません。
確かなことは、高度なAIの開発に巨額の費用と時間がかからない事実ですね。
なので、ネット上では特に仕事でAIを使うユーザーから好意的なコメントをよく見かけます。
一方でまた政治的に揉めている印象。
AIを使う企業がウエイトを米中覇権争いに置くのか、それとも高性能低コストの事実を重視するのか。
ChatGPTだと上手くいかない3Dの表現がDeepSeekだとできる、そのような指摘も見かけます。
市場を揺るがすスタートアップに注目
設立から2年も経過していないスタートアップ企業が世界市場を揺るがす。
まさに小が大を制す的な動向が注目されます。
ただ、今の中国は「小」ではない。
少なくとも巨額の費用やリソースが必要ないんだと訴えられたことで、一気に風向きが変わりましたね。
米国市場を一晩で打ち砕く存在は「小」と言えないかもしれません。