パンデミックの需要も一巡し、落ち着きを見せている光回線。とはいえ定番の高速大容量回線として今後も緩やかな増加が見込まれています。
報道によるとMMD研究所が光回線のシェアと満足度調査の結果を公表しています。
今回はそもそも満足度調査の意味とは、そして結果から何が分かるか。
では見てみましょう。
目次
光回線の満足度調査ーそもそもの意味と結果は
利用最多は「ドコモ光」、満足度トップは「eo光」〜MMD研究所が5万人対象の「2024年光回線のシェア・満足度調査」
満足度調査は意味があるか?
光回線に限らず多くのサービスで実施する満足度調査。顧客に対象サービスを使ってみて「どんな感想?」と聞くやつですね。
この手の質問には「不満」と回答するユーザーは少ないです。利用者は大体満足して使っているか、どちらとも思わない。
なので意味があるかというとユーザーにとっては微妙。
ただ、事業者にとって正直に「不満」を言うユーザーの意見は貴重ですね。
ただその場合、ただのクレーマーではなくちゃんとした理由あっての「不満」が調査に役立ちます。
光回線を比較するユーザーが少ない
光回線の利用調査はそもそも他社と比較した結果サービスの良し悪しを回答するユーザーが少ない。
なのでユーザーの思い込みがアンケート結果に出ることがある。
つまり使っているサービスが良いと思い込んでいる。「お金を払って使っているんだから、きっとこのサービスは良いんだ…!!」
あるいは逆に、本人に起こったちょっとしたトラブルを感情的にぶつけてネガティブキャンペーンをするユーザーもいます。
ネット上によくいますよね。
電力系と独自回線が強い
元ネタ↓
自宅で契約している光回線サービスの上位は「ドコモ光」「SoftBank 光」「フレッツ光」 光回線サービスの総合満足度は「eo光」がトップ、次いで「NURO 光」「コミュファ光」
そんな比較が難しい光回線の満足度調査は結果から何か得られるのだろうか。そんな疑問も浮かびます。
とはいえ調査から分かるのはシェアはひとまず置いて、満足度が高いのはeo光、NURO光、コミュファ光。
eoは関西電力系のオプテージ運営、コミュファは調べると中部電力系でKDDI傘下。そしてNUROはNTTダークファイバーを使うソニーの独自回線。
まず電力会社が独自で光ファイバーを持っている。この優位性が高い。
独自ネットワークなので、少なくともアクセス回線と収容からインターネットまでの部分がボトルネックになりにくい特徴があります。
auひかりも東電のネットワークを使っているエリアは同じことが言えます。
そしてNUROとauひかりはNTTダークファイバー〜NTT局舎内の自社設備〜インターネット、のトポロジーです。
地元密着系地域プロバイダが強い理由
eoもコミュファも関西と東海の地元密着系。以前流行った地域プロバイダですね。
特に地方は地域プロバイダが強い。東北ではスピーティアやTOHKnet(トークネット)、九州ではQTnetのBBIQ(ビビック)。
そして北海道のほくでん光と四国のピカラ光。中国地方にはメガ・エッグがあり、どれも電力系の地域プロバイダが人気。
電力系独自のネットワークと手厚いサポートが人気の理由。全国のユーザーではなく地元顧客を細かくサポートしてくれるから評判はよくなりますね。
そしてユーザーも地元愛で「ジモトのプロバイダ」を支持したい。相互の結び付きが強い。
なので、eo光のように開通は特に早くなく普通だが開通の早さの満足度が高いアンケート結果もあります。
キャリア系はコスパ悪い
結果から分かるのはキャリア系プロバイダのコスパが悪いこと。
ドコモ光、ソフトバンク光、auひかり、フレッツ、及びビッグローブはどれもコスパの「不満」が10%を超えています。
つまり実際「高いなあ…」と思って使っているユーザーが多いんですね。
高いけれども使う理由は携帯のセット割と思われます。スマホは割引だけど自宅回線は料金的にいまいちと思っている可能性が高い。
ただauひかりのように独自ネットワークなら高いお金払ってもいいと筆者は思いますけどね。
そこがNUROだと安いから高コスパで人気なわけ。
サポートや開通の早さにも注目
先程言及したサポートや開通の早さにも注目。電力系は満足度が高いです。
理由はやはり全国をターゲットにしているわけではなく、地元に密着して相互に結び付きが強いからだと思われます。
以前NURO光の工事の遅さが話題になりましたよね。速度が速くても工事が遅くてサポートもいまいちだと不満の割合が高まる。
繋がれば快適と思いきや、トラフィック増加で速度低下の報告もありました。現在は増強工事を進めているので問題になっていないようです。
満足度調査はユーザーの「きっと良いはず」の思い込みが反映されやすく不満を言うユーザーが少ない特徴がある一方、電力系や独自回線が人気であることも分かります。
特に「地域プロバイダ」キーワードを再び使う事自体、何年ぶりか。別に消えた言葉ではないですが、これからは地方創生と組み合わせてジモトのプロバイダへの支持が高まるかもしれません。