「インターネットをもっとライトに気軽に使いたい」
「契約期間に縛られたくないからWiFi事業者はもっと選ばないと」
インターネット接続は、携帯キャリアのモバイルインターネットが登場した辺りからいわゆる契約期間の縛りが普通の契約になった経緯があります。
というのは、携帯の端末を販売奨励金でキャリアが負担する代わりに、契約期間を設定して料金を回収する、というビジネスモデルをキャリアが採用するようになったからです。このビジネスモデルはガラケーの時代に確立されました。
契約期間の縛りというのは、遡ると新聞の購読が代表的な契約であると言えます。つまり、月極でいくらと設定して半年とか、1年読んでもらって、継続的に売上を確保するという手法を取ることで活字で情報を提供していました。もちろん今でも。
新聞のことは置いておいて、インターネット接続も期間の縛りを現在でも設定している業者はたくさんあり、WiMAXを始めとした事業者も2年や3年のところが多いです。
そこで期間に縛られないでスポット的に使えるのが縛りなしWiFi。
「縛られない」をブランド名にしてしまったWiFiを上手に使うにはどんな使い方がいいでしょうか。
目次
縛りなしWiFiとは
契約期間の縛りなしで契約できる希少性が高いWi-Fiキャリア
基本は縛りなしプランです。ですが、期間を縛る「縛っちゃう」プランも設定しています。
縛りなし | プラン | 容量 | 契約期間 | 月額料金 |
通常 | 2GB/1日 | なし | 3,300円 | |
ライト | 20GB/月 | なし | 3,000円 | |
WiMAX | 10GB/3日 | なし | 4,300円 | |
縛っちゃう | 無制限 | 無制限 | 3年 | 3,480円 |
通常 | 2GB/1日 | 3年 | 2,800円 | |
ライト | 20GB/月 | 3年 | 2,600円 | |
WiMAX | 10GB/3日 | 3年 | 3,600円 |
縛りなしWiFiなのに「縛っちゃう」のであればあまりメリットはないですが、「縛っちゃう」代わりに月額料金が安くなります。WiMAXであれば、縛りなしだと4,300円に対して、縛るなら3,600円です。
例えばWiMAXを縛りありで3年契約すると129,600円になります。縛りなしでWiMAXを契約すると4,300円×31か月で133,300円になり、縛りありの3年総額を超えます。
なので、縛りなしを2年とか、2年半程度でやめるとか、計画性を持って縛りなしプランを利用することが検討できます。
このような期間の設定をしない事業者が少ないので、WiFiをレンタルとして、短期とか急ぎの契約で利用するのがベストな使い方です。ほかにレンタルWiFiはありますが、1日単位の契約とか本当のスポットなので、短期、中期的な利用なら縛りなしWiFiは使い勝手がいいです。
事業会社はフォン・ジャパン
縛りなしWiFiの運営は、世界最大のグローバルWi-FiコミュニティであるFonの日本法人であるフォン・ジャパンが実施しています。元々縛りなしWiFiを運営していたのは別の会社でしたが、2020年1月に事業譲渡してフォン・ジャパン運営になりました。
フォンはスペインに本社があって、2005年にサービスを開始しています。何をやっているのかというと、自宅のネット回線があり、Fonルーターを置いてFonメンバーがそのルーターを共有で使用することに同意すれば世界中のFonのアクセスポイントを利用することができる、というものです。
要は、自分の家の回線をWi-Fiコミュニティに追加して、その代わり自分も他のWi-Fiアクセスポイントを使える、という内容です。
日本ではコンビニやキャリアが運営しているWi-Fiスポットがたくさんあるので、フォンのアクセスポイントを使う人は少ないと思われますが(知らない人も多い)、海外の人は利用しているかもしれません。
そのようなWi-Fiのグローバル企業が縛りなしWiFiを運営しているので、サービスの信頼性は高いです。
縛りなしWiFiを利用するメリット
縛りなしプランをライトに使う
縛りなしWiFiを使うメリットは、やはり短期・中期でWiFiルーターをレンタルできるというところにあるので、以下のような人におすすめです。
- マンスリーマンションなどに住み、別の地域に一時滞在する時
- 長期の入院などでレンタルしたい時
- 仕事で移動して短期・中期で戻ってくる場合
他にも利用するケースはありますが、一日単位でWi-Fiルーターをレンタルしたくない、何か月か、あるいは1年くらい使うことがはっきりしているなら縛りなしプランは都合が良いです。少なくともユーザーにとっては都合が良いでしょう。
契約期間の縛りなし、ありの両方とも通常プランは容量が一日2GBなので、やはりヘビーに使うことはできません。
なので、動画はそこそこ、SNSやネットサーフィン中心の利用方法になるかと思います。
モバイルルーターを買う必要はない
当然ですがモバイルルーターを購入する必要はありません。WiMAXなどの事業者はルーター買取のところが多いので、買って結局使わないということになったら端末が無駄になります。
縛りなしWiFiがレンタルしているルーターは6種類。ソフトバンク回線で使うルーター3種類と、WiMAX3種類です。
WiMAXはファーウェイのWシリーズになっていて、レンタルでよく使われるW04などがあります。下の画像はW04とW06です。
W04は2017年に発売されましたが、現役で使うことができ、縦型端末で一昔前のストレートのケータイにようにスタイリッシュです。
ただ、契約の時に端末を指定することができないのでどれが来るかは分かりません。でもどれが来ても問題なく使うことができます。
契約期間の縛りがある場合は端末買取になります。実質無料ですが、期間内に解約すると契約残月数×1,200円かかります。
あえて縛りありで無制限プランも使える
縛っちゃうプランには、3年契約でデータ容量の無制限プランがあります。これは無制限ですが、目安としては1日10GB、月間300GBベースで使えて、それ以上は規制がかかるものです。
対応ルーターにはソフトバンク回線の801ZTという法人向けルーターを使い、下り最大112.5Mbpsの性能なので速度としては高速にはなりませんがデータ容量は制限なしの感覚で使えるのでお得です。ただ3年契約です。
最近では楽天モバイルが契約期間の縛りなし、解約金無料でデータ使い放題をやっているので、楽天回線エリア内なら縛りなしWiFiの無制限プランを使うメリットはありませんが、もしエリア外なら縛りなしWiFiの縛りありで無制限プランを検討することもできます。
口座振替も対応している
便利な口座振替に対応しているのはメリットです。デビットカードやプリペイドカードに対応していないですが、口座振替に対応しているなら支払い方法の柔軟性はあります。
ただ、口座振替の初期費用が4,000円かかります。結構痛い出費になるので、クレジットカードを持っているならそのまま素直にクレジットカードでいいでしょう。
クレジットカードが使えないとか、持っていないなら口座振替を利用しましょう。
縛りなしWiFiの注意点
レンタルルーターの取り扱いは注意
レンタルルーターが破損や水没した時に安心サポートプランに入っていればいいですが、入っていないと端末代の負担に39,800円もの料金を徴収されてしまいます。これは税抜きなので、消費税10%を足すと43,780円もの巨額を払うことになります。
冷静に考えれば、少しトラップのようになっているとも捉えることができますが、ちょっとこの額は痛いです。
この端末代金を払いたくなければ、安心サポートプラン500円/月に加入すると万が一の破損時に端末代が10,000円になります。
それでも10,000円払わないといけないですが、39,800円という巨額を払うよりかはマシでしょう。
レンタルルーターの設定変更はしない
WiMAXで、もしハイスピードプラスエリアの設定(HS+A)にしてしまうと、別途1,005円請求されて、一度でも設定変更すると月間の通資量上限が7GBになるという、これも少しトラップ気味の制度になっています。
ソフトバンク回線ならそのようなモードはないので気にすることはないですが、WiMAXの時は注意です。
で、もし設定変更すると、それが理由の端末交換はしていないということなので、実質解約という流れになるかと思います。
縛りなしでレンタルならそれでもいいですが、契約期間を設定すると痛いです。
スポット案件的に縛りなしでWiFiを使う
以上が縛りなしWiFiの概要になります。基本はスポット的に、あるいはネット契約のつなぎのように使うことができるので、ライトユーザーにはおすすめできます。
現在はインターネットも回線を引いてプロバイダ契約して、という流れを踏まなくてもネットができるので、ソフトバンク回線やWiMAXを使って気軽にミニマルにネットをするなら縛りなしWiFiはユーザーにとって好都合でしょう。
もちろん事業者は長く使ってもらいたいというのが本音ですが、ユーザーに負担を求めないスタイルで自由にインターネットができるという環境を提供していれば事業者としても高評価になります。
契約期間の縛りというのは、冒頭で述べたように新聞とか古い媒体で使われている制度なので、そのような殿様商売的な売り方は今後下火になるかもしれません。
事業者としては縛りたいというのが本音です。これはどの事業者も同じです。
しかし企業に都合が良いだけではダメで、どうやったらユーザビリティを良くすることができるか、という点を重視することが今後求められていくと言えます。