2021年に携帯キャリアが相次いでリリースしたオンライン専用ブランド。月額料金が安いのにデータ容量は20GBで人気を集めていますよね。ahamo、povo、LINEMOのようなオンラインを前提としたサービスは、今後のスタンダードになりそうな勢いです。
ただ、携帯料金が安くなるメリットがあれば、デメリットもそれなりに出てくるもの。オンライン専用ブランドにはキャリアメールがないこともそのうちの一つです。今までは携帯も固定回線のプロバイダもメールが付いてくるのが当たり前でした。
とはいえ、そもそもahamo、povo、LINEMOにキャリアメールがなくてもいいと言えます。一般ではデメリットと言われるキャリアメールなしですが、本当はキャリアメールを使わなくても問題ないのです。理由はなぜでしょうか。
今回は、ahamo、povo、LINEMOにキャリアメールがなくてもいい理由を解説し、従来の携帯メールの代替手段も合わせて紹介していきます。
目次
ahamo povo LINEMOにキャリアメールはなくてもいい理由
もちろんahamo、povo、LINEMOに限らない話ですが、どうしてキャリアメールがなくてもいいのでしょうか。
携帯やプロバイダはメールアドレスが付いてくるのが当たり前でしたが、なぜこれからはキャリアのメールアドレスが必要ないのでしょうか。
キャリアメールという「縛り」
一般的に携帯キャリアは、@docomo.ne.jpのようなメールアドレスを回線契約の時に電話番号とセットで付与しています。以前は、ユーザーがメールアドレスを入手するのにキャリアやインターネットプロバイダからアドレスをもらうという手段を取ってきました。
しかし多くの携帯ユーザーは携帯のメールアドレスに縛られてきたと言えます。キャリアを変更するとメールアドレスも変わってしまうからです。
このメールアドレスの「縛り」によって、携帯キャリアをなかなか変更できないユーザーが多くいました。現在でもそのようなユーザーがたくさんいるかもしれません。
ここからは以下の項目でキャリアメールが必要ない理由を解説します。
- キャリアメールはネット回線の縛りになっている
- キャリアメールこそ迷惑メールがたくさん来る
- 「フリーメールはセキュリティが低い」は間違い
- 迷惑メールの判定基準とは
- メールと回線は分離した方がいい
上記を一つ一つ見てみましょう。
キャリアメールはネット回線の縛りになっている
キャリアメールはネット回線の縛りになっています。なぜですか。携帯キャリアやプロバイダを変えればメールアドレスはなくなってしまうからです。アドレスを変えたくないので、契約しているキャリアも変えたくないとユーザーは思います。
メールアドレスを変えたくないという人はアドレスを仲の良い友人に教えてきたので、その繋がりを無くしたくないと思います。特に、1990年代や2000年代のガラケー時代から携帯を使っているユーザーはその傾向が強いと言えるかもしれません。
さらに、キャリアメールを様々なサイトに登録しているケースもたくさんあります。PCのアドレスを中心に使うのではなく、携帯のアドレスを使ってサービスに登録しているのです。
想像以上にキャリアメールに依存しているユーザーは多いんですよ。最近は少なくなったと思いますが、キャリアメールを中心にしてインターネットを使うスタイルです。これがネット回線の縛りになっているのです。
キャリアメールこそ迷惑メールがたくさん来る
キャリアメールこそ迷惑メールがたくさん来ます。なので携帯キャリアは迷惑メール防止のためのオプションを用意していて、ユーザーが設定できるようにしています。
固定回線プロバイダを使う時は、あまり迷惑メール防止設定をする機会が少ないのですが、携帯では迷惑メール防止設定を施しますよね。MMSだけではなく、SMS(ショートメール)にも迷惑メールが来ることが多いです。
もちろんYahoo!メールのようなフリーメールも迷惑メールが多いのですが、携帯は放っておくといつの間にか迷惑メールが来るようになります。
「フリーメールはセキュリティが低い」は間違い
では、一般的にセキュリティが低いと思われているフリーメールは本当にセキュリティが低いのでしょうか。
答えはいいえです。フリーメールと言っても、GmailやiCloudのようなクラウドのメールを指します。例えばAppleのiCloudのセキュリティはどうでしょうか。iCloudのセキュリティは以下の3つの技術で構築されています。
- データ通信の暗号化
- トークン
- 2ファクタ認証
データ通信そのものはもちろん暗号化されていますが、認証についてはよく考えらえています。Appleのデバイスであればセキュアトークンが使われますし、デバイスに依存しない2ファクタ認証によってどんなデバイスからも二段階で認証できます。
GmailやiCloudメールというのはそもそもGoogleやAppleが運営しているものなので、構築しているセキュリティについても世界レベルになっています。MicrosoftのOutlookも同じ。OutlookはかつてMicrosoftの脆弱なメーラーでしたが、今ではクラウドで利用できる強力なメールになっています。
なので、Gmailやicloud、またはOutlookなどのフリーメールを使う限りセキュリティには問題ないどころか、世界レベルのセキュリティでメールを運用できるわけです。
迷惑メールの判定基準とは
フリーメールは本当に迷惑メールと分類されてしまうのでしょうか。これについても、迷惑メールと判定される基準は大体以下のようになっているそうです。
- どのようなメールサーバーかはっきりしない
- タイトルや本文に問題がある
- 無効なアドレスがリストに含まれる
上記を考慮すれば、Gmailなどのフリーメールはサーバーも所在がはっきりしているし、人が出す文章に広告のようなキーワードが入っていなければ問題なく相手にメールが届きます。
迷惑メールと判定される時は、いわゆるフィッシングのような文体だと迷惑メールに分類されることが多いです。以下は迷惑メールと判定された時の例。
別にUber Eatsが悪いわけではありません。筆者はUber Eatsが好きでよく注文しますし、Uber Eats配達員をやってみたいと思うほどです。
ですが、上記の例では「【配送手数料0円】」とか、「お得」という件名で、かつ、ドメインが.comなので迷惑メールと判定されているみたいです。
よって、普通の人が普通のメールを出す限り、フリーメールが迷惑メールだと判定される可能性は低いわけです。
メールと回線は分離した方がいい
述べてきたように、携帯のキャリアメールに依存する必要はないことが分かりました。キャリアメールは携帯キャリアの縛りの手段であると同時に、迷惑メールの温床になっている、そしてフリーのクラウドメールの方がセキュリティが高いという理由でキャリアメールはなくてもいいと言えるのです。
キャリアやプロバイダのメールを使うことによってネット回線を自由に乗り換えることができないのは、ユーザーにとっての機会損失となりますよね。より良いプランのある回線事業者を使うことによって、ユーザーは快適なインターネットライフを実現させることができます。
なので、自分が使うメールアドレスとインターネット回線は分離することをおすすめします。
シンプルなオンライン専用ブランドを使ってみる
2021年に3大キャリアからオンライン専用ブランドが登場しました。ahamo、povo、LINEMOの3つです。あなたはどれを選びますか。
いまだにソフトバンク回線は電波が悪いと思っているのですか。その思い込みは間違った認識と言えるでしょう。現在はどの回線も品質は同じようなものだからです。むしろソフトバンク回線の方が良いこともあります。
ではahamoはどうなのでしょうか。今回、キャリアメールがなくてもいい理由が分かりました。オンラインで申し込む必要があるのでメールアドレスは必要です。ですがネットに接続できるのであれば、フリーのクラウドメールを使えばそれで申し込むことができます。
月額料金が安くなってデータ容量も20GBになったのなら、ahamoに乗り換えるのもライフスタイルを変える一つの手段ですよね。
ahamo povo LINEMOでどんなメールを使えばいいか
では、ahamo、povo、LINEMOといったキャリアメールがない携帯ブランドを使う時、どんなメールを使えばいいですか。
ここで紹介するのはどれも定番のメールばかりですが、それだけアドレスの取得が容易で、誰もが簡単に機能性が高いメールを使えるようになっています。Gmail、iCloudメール、Outlookの3つを取り上げ、それぞれの特徴を見てみましょう。
クラウドメール①Gmail
Gmailはフリーで使えるクラウドメールの代表です。筆者も仕事用として使っており、設定すれば大量のメールを各フォルダに振り分けしたりすることができます。
普通のメールと違うのは、フォルダというよりラベルを付けるように管理すること。一つのメールを複数のラベルによって違う場所から参照することができます。
実は、GmailはGoogleがメール内容のスキャン結果からパーソナライズ広告を生成していることを認めていましたが、2017年にやめたことを明らかにしています。筆者もGmailはメールスキャンが理由で使っていなかったのですが、Googleがスキャンをやめたので使い始めました。
紆余曲折あったとはいえ使用しているユーザーは多いですし、アドレスの取得も容易なので、個人用にも仕事用にも自由に使えます。
クラウドメール②iCloud
iCloudメールはiPhoneを初期設定する時に作ることのできるメールで、Appleが運用管理しています。Appleであれば何でも安心というわけではありませんが、Appleのセキュリティに対する姿勢は評価できますね。
先ほども紹介しましたが、次の3点でセキュリティを高める工夫をしています。
- データ通信の暗号化
- トークン
- 2ファクタ認証
暗号化は基本ですし、Appleデバイスはセキュアトークンで管理、そして2ファクタ認証で二段階の認証を設定します。迷惑メールの量とは直接関係ありませんが、認証などのセキュリティは堅牢と言えますよね。
メールではないですがApple Payもセキュリティが高くて、iPhoneにクレジットカード番号をそのまま保管するのではなくデバイスアカウント番号から生成した暗号をセキュア・エレメントに保管するそうです。なのでAppleがカード情報を知ることはありません。
普段使うメールも、トップレベルのセキュリティを採用したメールなら安心ですよね。
クラウドメール③Outlook
OutlookはMicrosoftが運営していて、かつては企業用のメールクライアントでしたが、今はクラウドメールとして無料で利用できます。Microsoftアカウントでもあります。
Microsoftアカウントなので持っている人も多いかもしれません。使っていなくても持っている人はいるでしょう。筆者はそれを個人用のメインで使うことにしました。メールの量は少ないのでWindows 10標準の「Mail」でOutlookを使っても困っていません。
普通にiPhoneなどのメーラーに設定して使えますし、キャリアメールと同じように使えます。むしろOutlookやiCloudのようなメールが標準で、キャリアメールの方が文字数に制限があります。積極的にOutlookのようなメールを使いたいですね。
認証も二段階認証を採用していますし、セキュリティ的には安心して使えると思います。
メールアドレス変更の一斉通知をするには
3大キャリアのキャリアメールを使っている場合、アドレスを変更する通知メールを一斉送信できる機能があります。データセンターに電話帳が登録されている場合に、電話帳のアドレス宛に一斉送信できます。
- ドコモ→アドレス変更通知
- au→データお預かりアプリ
- ソフトバンク→Eメールアドレスお知らせ機能
上記に関しては、auはスマホ対応ですが、ドコモとソフトバンクはガラケーの機能のようです。もし使えなければ、メーラーのBCC設定でアドレスを非表示にして複数のメールアドレス宛に送信できます。
キャリアメールを卒業して携帯ブランドを新しくしよう
キャリアメールを使ってもいいのですがわりと回線を変えることもあるので、回線に依存しないメールアドレスを取得した方がいいですね。フリーのクラウドメールはセキュリティも高いです。
もちろん、キャリアメールが好きという人はメインブランドを使い続けることになります。メインブランドは品質が保証されているようなクオリティなので、使い続けることも選択肢の一つです。
しかしこれからは、オンライン中心のサービスになりつつあります。あまり使わないメールはネット回線とは別のクラウドメールにすると便利になるでしょう。回線の変更でいちいちアドレスを変更する必要はありません。
ahamo、povo、LINEMOのようなシンプルなサービスを使って、2020年代の流れに乗りたいですね。
新しいオンライン専用ブランドを使って気持ちも新しくする
はい、というわけで、キャリアメールはあえて使う必要はないですよという内容でお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。セキュリティの高い世界的なプラットフォームを使うことによって、ネット回線はさらに自由度が高まります。
最近はなんでもクラウド上で実行することが多くなってきましたよね。Officeソフトですらローカルではなくクラウドで操作したりします。メールも自分の端末ではなくサーバー上で実行するクラウドが主流になりました。
デメリットは誰もが同じようなアドレスになること。独自ドメインでサーバーを運用したりしない限り、メールが似たり寄ったりするのは仕方がないです。
しかし、インターネットや携帯は価格的にもどんどんストレスフリーにしていって、縛りのない状態にすることをお勧めします。ahamo、povo、LINEMOといったオンライン専用ブランドを活用すれば、ネットライフがシンプルになりますよ。