モバイルPASMOがApple Payに対応しましたね。これはかなり待望していたというか、個人的にスマホ決済や交通系ICカードをモバイルに取り込むことをしていなかったので、やっとこの時が来たという感じです。
交通系ICカードというのは、電子マネーとして一番普及していて、一番汎用的に使える決済手段だと感じています。交通系電子マネーの一日あたりの利用件数は900万件以上となっているようです。すごいですよね。
そんな交通系の一つであるPASMOをiPhoneで使えるようになったのだから、これは使わない手はないです。
今回は、モバイルPASMOとはそもそも何なのか、そしてモバイルPASMOを実際に使う使用感や、便利な使い方をレビューします。
モバイルPASMOとは
交通系ICカードをスマホに入れて、スマホで決済することは数年前から浸透してきました。
ここではモバイルPASMOとは何なのか、そして、そもそも交通系ICカードのよるスマホ決済のメリット・デメリットは何なのかを見てみます。
交通系ICカードのPASMOをスマホに取り込める
PASMOは関東地方の地下鉄や私鉄が主体となって運用している交通系ICカードです。モバイルPASMOは、そのスマホ版。Android向けのモバイルPASMOは2020年春から利用できるようになっていましたが、Apple Payを使うiPhoneへのモバイルPASMOの対応は2020年10月6日からとなりました。
Apple Payには元々Suicaを取り込むことができたのですが、Suicaと同じようにユーザーが多いPASMOをApple Payで利用できることは、Apple Payのユーザーをさらに拡大させます。
モバイルPASMOは、PASMOの基本的な機能をiPhoneに取り込むことができます。つまり、駅の改札でタッチして使うPASMOをiPhoneで行い、コンビニなどで利用できるPASMOの決済をiPhoneで行うことができます。
この場合、店頭では「Apple Payで」と言わずに、「PASMOで」と言って支払います。
Apple Payは、Apple Payを利用するのにPASMO、Suica、iDやQUICPayなどの電子マネーのシステムを使うことが前提条件となります。なので、使う機械はApple PayによるiPhoneですが、支払うシステムはPASMOなので、「PASMOで」と言うわけです。
モバイルPASMOの決済にアプリの立ち上げは不要
お店でスマホ決済する時に、モバイルPASMOならQRコードやバーコードを表示する必要はありません。そして、Apple PayでiDやQUICPayを使う時のTouch IDやFace IDなどの認証も必要ありません。
お店で普段交通系ICカードを使う時と同じように、iPhoneをかざすだけで決済できます。
ICカードは使えなくなる
すでにカード型のPASMOを持っていて、そのPASMOをiPhoneに取り込むなら、取り込んだ後のカードのPASMOは生気を失うかのように力がなくなります。
つまり、ICカードのPASMOは、iPhoneに取り込む前はお金を入れて買い物の支払いに利用することができる力を持っているのですが、iPhoneにPASMOの機能を取り込むことによってカードのPASMOはなんの力もなくなり、ただのプラスチックの板になります。
ただのプラスチックの板になったPASMOは、本に挟むしおりにすることができますが、活用するかしないかは自由です。
交通系ICカードによるスマホ決済のメリット・デメリット
iPhoneなどのスマホ決済に、交通系ICカードを利用することはどんなメリット・デメリットがあるでしょうか?
メリット
- 交通系ICカードは使えるお店が多い
- 交通系ICカードのスマホ決済は決済方法がシンプル
デメリット
- チャージが必要
- オートチャージは一部のクレジットカード登録が必要
- オートチャージは改札利用前提
メリットは、使えるお店が圧倒的に多いこと。日本では、クレジットカードの次くらいに交通系の電子マネーが利用できる店舗が多いです。そして、お店での決済が簡単です。QRコードの表示は必要ありません。Touch IDに指を当てる必要もありません。iPhoneをかざすだけです。
デメリットは、お金のチャージが必要なので、残高を気にしなければならないことです。オートチャージなら設定した金額以下になると、自動的にチャージされますが、鉄道系のクレジットカードが必要になり、そして改札を通らなければなりません。
このデメリットは、裏返すと金銭管理ができるメリットになることもあります。少額の決済に必要な分だけチャージすればいいからです。
モバイルPASMOがApple Payに対応!便利な使い方を紹介
ここからは、実際にモバイルPASMOをiPhone SE(第2世代)に導入して、使い方や使い心地はどうなのかレビューします。
iPhone SEのApple PayにモバイルPASMOを導入
Apple PayでモバイルPASMOを導入できるシステム要件は以下の通り。
- iOS14.0以降を搭載したiPhone 8以降のiPhone
- 3D セキュアを設定したクレジットカード・デビットカード
- Walletアプリ
- VISAカードを使うならPASMOアプリ
PASMOを新規発行することもできますが、ここでは既存のPASMOカードをiPhoneに移しました。
手順は、設定→WalletとApple Pay→カードを追加→お手持ちの交通系ICカードを追加と選択していき、PASMOの番号下4桁などを入力すると、PASMOを転送する画面に変わります。
PASMOのICカードにiPhone本体の上部を重ねると、ICカードの情報がiPhoneに転送されます。
Walletアプリを見るとPASMOが表示されるようになります。
PASMOカードの残高、そしてデポジットの500円もそのまま引き継がれます。
モバイルPASMOはクレジットの他にデビットカードも登録できる
iPhoneに入れたモバイルPASMOにどうやってチャージするの?と思うのは当然。シンプルに改札近くの券売機にある、光学式のトレイにiPhoneを置いて、現金でチャージすることができます。
しかし、やっぱり便利なのはクレジットカードを登録してiPhoneでチャージするのがスマートですよね。そこをクレジットカードではなく、デビットカードも登録できるんですよ。
デビットカードなら口座から即引き落とされるので、支払いを翌月以降に持ち越すことはありません。なので気軽にチャージできるし、口座の残高範囲内なのでチャージし過ぎることもないです。
ただ、VISAの場合はApple PayでPASMOにチャージできないので、PASMOアプリでの登録が必要になります。
PASMOアプリのIDとパスワードの設定が必要で、そして要件として、3Dセキュア(買い物の時に使う認証パスワード)が設定されたクレジットカード及びデビットカードが登録できます。
モバイルPASMOへのチャージは簡単!
iPhoneでモバイルPASMOにチャージするのはとても簡単。
PASMOアプリの場合、アプリ下部にあるチャージボタンをタップして、金額を確認。デフォルトが2,000円なので必要なら金額を変更します。ここでは1,000円にしてチャージしました。
30秒くらいするとチャージが完了します。
チャージ機より多少時間はかかりますが、それでも現金を使ってチャージするより遥かに簡単。チャージした金額は履歴にも残るので支出の管理も可能です。
お店でのモバイルPASMOの使い方はiPhoneをかざすだけ!
お店でモバイルPASMOを使うには、読み取り機にiPhoneをかざすだけです。ロックを解除したり、アプリを立ち上げたり、Touch IDやFace IDの認証を解除したりする必要はありません。
これはエクスプレスカードの設定が必要で、設定→WalletとApple Payで対象のPASMOをエクスプレスカードに指定しておきます。
決済が完了するとチャイムがなり、完了画面が自動的に表示されます。写真はちょっと分かりづらいですが、スーパーで使っているところです。これが結構気持ちいいので、病みつきになりますね笑。鉄道の改札でもICカードと同じように使えます。
Apple Payのセキュリティは堅牢
Apple Payのセキュリティは、クレジットカード/デビットカードの番号からデバイスアカウント番号を作成して暗号化し、Secure Element(セキュアエレメント)というチップに保管します。
つまり、カード番号はiPhoneにもAppleにも保存されません。iOSやiCloudとも切り離されているので、堅いセキュリティになっています。
ただこれは、Apple Payを使うWalletにカードを追加した場合で、PASMOアプリにカードを追加した場合はPASMOのサーバーへ保存されると思います。
なのでApple Payにカードを登録した方がセキュリティは強いと思います。PASMOにチャージできるクレジットカードとしては、JCBのカードが良いですね。
iPhoneを紛失、機種変更した場合は?
iPhoneをなくした場合、PASMOの再発行と払い戻しをして退会の2通りの手段があります。
再発行は、会員メニューサイトで再発行手続きを行い、PASMO情報をサーバーに退避させて新しい端末に情報を取り込む形になります。詳しい手順はPASMOのサイトの紛失・故障ページで。
機種変更する場合、iPhoneからiPhoneは、Walletアプリからカードを削除してサーバーに退避させ、新端末のWalletアプリでPASMOを追加すればサーバーからPASMOを取り込むことができます。その他、AndroidからiPhone、iPhoneからAndroidという手順があるので詳しくは、機種変更のページで。
モバイルPASMOのデメリットはグリーン券機能が使えないこと
Apple PayのモバイルPASMOは、JR在来線などのグリーン券を購入してiPhoneにグリーン券の機能を持たせることができません。この場合はモバイルSuicaを使うしかないですね。
モバイルPASMOはQRコード決済よりおすすめ
先述したように、モバイルPASMOはロック解除やQRコードの表示が必要なく、エクスプレスカードを設定すれば読み取り機にかざすだけです。
〇〇Payは、たくさん種類がありセキュリティも弱いことがあるので、モバイルPASMOをスマホ決済の標準設定にしておくと、日常の買い物のスピードは速いしセキュリティも期待できます。
QRコードのスマホ決済も、ポイントや地域を選ばない利点がありますが、交通系ICカードをApple Payに組み込ませることは、電子的にチャージして支払うことをよりシンプルにしますね。
Apple PayのモバイルPASMOでスマートに決済しよう
以上、Apple PayでモバイルPASMOを活用した便利な使い方でした。モバイルSuicaは以前からあったので、使っている人もいっぱいいました。
これをPASMOでApple Payに組み込ませることがポイントです。AndroidでSuicaを使うのもいいかもしれません。しかしiPhoneでPASMOを使うのもイケてますよね。
モバイルPASMOは首都圏でしか使えないと言うことはないです。定期などは無理かもしれませんが、交通系として相互利用できるので、電子マネーとして使うなら全国で使えます。
相当便利なので、ICカードによる決済をやめてスマホ決済を活用することも、身軽で快適なライフスタイルを実現させることができます。
最初は「本当にiPhoneで決済できるのかな」と不安になりますが笑、少しの現金やクレジットカード/デビットカードを併用して、モバイルPASMOを使ってみましょう。