最近はPCとスマホの普及でIT関連の仕事を考える人が増えましたよね。
プログラミングが学校の必修になるとか、ブログやSNSの影響でITインターネットの仕事に興味を持つ人が増えています。
IT案件の主流はプログラム開発ですが、サーバーとネットワーク運用の案件はどんな感じなのか気になる人もいるはず。
そこで今回は、サーバーネットワーク運用の現場は一体どんな感じか、筆者の経験と現在の状況について考えたいと思います。
目次
最初のネットワーク運用現場
最初の現場について。
最初の現場は寒いサーバールーム
筆者が最初に入った現場はネット証券会社のサーバー/ネットワーク運用の監視オペ。それも冷房が効いた寒いサーバールームの中。
つまりデータセンターの事務所じゃなく、ネットワーク機器がラックに積まれているあれです。
少しでも寒さをしのげるように作業場所の上からビニール幕を張っていました。音もすごいうるさい。
作業場所に監視カメラを置いてスタッフの様子を監視していたようで、さすがにそれはやめたようです。
今は管理職が監視カメラを置いて従業員を監視することを当たり前のようにやっていますね。
怖い。
初心者可だが誰でもできるわけではない
サーバー/ネットワーク運用の仕事はバイトの求人広告で募集して誰でもやれる仕事ではないですね。
派遣やフリーランスで案件が公開されているものもありますし、企業間で取引される案件もたくさんあります。つまりクローズド。
資格は不要で、何かネットワークの資格を取りたいなら現場で仕事しながら勉強して取ることが多い。
筆者は最初に監視オペをやっている時にCCNAや基本情報技術者を取得しました。障害がなければ時間がたくさんありますからね。
24365のシフト勤務
ネットワークは24時間365日なのでシフトで稼働。筆者は通勤ラッシュを避けるために自ら夜勤を選択していました。
ただ、年俸制と称して1ヶ月の給料は固定。夜間割り増しはなし。今も固定給で夜間割り増しがない運用現場はたくさんあるんじゃないでしょうか。
で、その時びっくりしたのは午前6時を30時と呼ぶこと。システムの一日のバッチ処理が翌朝の6時つまり30時に終わるから。
今は17時23時と言うのは一般的ですが、2000年代のはじめの頃に30時の表現は衝撃でしたね。
報酬90万円→25万円
当時現場で聞かされた話では企業から出る大元の報酬は90万円。その大元の企業と所属企業の間に2社が介入して、自分に入ってくる給料は25万円。
源泉報酬90万
↓
元請
↓
二次請け
↓
所属企業(自分)25万
つまりその案件の報酬は、間にある2つの企業と所属企業に65万円の手数料を取られて筆者に入ってくる笑。
IT業界(SI業界)はこの多重請負構造がネックですね。今は多少改善されているかもしれませんが基本はこの構造です。
エンドユーザーの会社は毎月人がやめていく
エンドユーザーつまり案件を出している顧客企業は毎月人がやめていました。毎月社内のメーリングリストで「お世話になりました」メッセージが飛んできます。
つまり激務。
その時は社員じゃなくて派遣だったかもしれませんが、ITは人がやめていくのが結構普通。いつも求人募集している企業がありますよね。
もちろん企業によって違いますが、特に金融はハードみたいです。
大変さは案件によって違う
筆者の最初の現場は既に安定していたので、勉強など自分のやりたいことができる時間が多かったです。
でも案件によっては過酷。障害が次々と発生して休む暇があまりないような現場も。
さらに複数の作業を一人でやるワンオペ現場はジョーカー。現場に入る前によく確認したほうがいい。
とはいえ、現場の担当者は仕事内容の詳細を詳しく説明するわけではないので、やはり入ってみないと分かりません。
IT現場の今と昔
IT業界は今までどんな役割を果たし、今どうなっているのでしょうか。
IT業界は不況下に雇用の役割を果たした
IT業界は就職氷河期と言われた時期に雇用の受け皿になっていました。雇用形態に関わらず都市部を中心にたくさん求人がありましたね。
当時ITで働いた人は今でも業界にたくさんいると思うし、辞めてもまた復帰したエンジニアもいるでしょう。
相当キツい思いをしたエンジニアも、今では働き方を改善して自由に仕事をしている人も多いんじゃないでしょうか。
一方で地方はITの仕事が少ないので大都市に出る必要があったし、以前はPCが今ほど普及してなく情報収集の手段が携帯だけの人も多かった。
なのでデジタルディバイドは確かにありました。
クラウド時代はより複雑
今はインフラ系だとクラウドエンジニアが大変。AWSやAzureの障害、またキャッシュレスや交通系ICカードの障害が頻発していますよね。
障害の復旧までに半日かかるとか、クラウドじゃなくても通信キャリアのネットワーク断が1日以上続くとか。
以前よりネットワークの複雑さが増大している中で、エンジニアは神経をすり減らして冷や汗かきながらやってるわけです。
サジェストに「やめとけ」が出る理由
GoogleでITエンジニアと検索すると「ITエンジニア やめとけ」「クラウドエンジニア やめとけ」とサジェストが出ます。
なぜなら開発は納期があって激務、運用なら障害発生でストレスフルになるから。
しかも業界の構造上、下請けの中小企業なら給料は高くないのでいわゆる「激務薄給」。
運用保守で大変なのは監視オペではなく設計構築運用そのものですね。夜間メンテ、パッチ充て、更新作業、障害対応、セキュリティ。
運用ルールやガイドラインの策定もあり高負荷。つまり業界全体で負荷が大きく人手不足なので「やめとけ」言われるわけです。
労務環境の良さは現場による
今のIT現場は比較的まともかもしれません。これだけ働き方改革言われているので無理な働かせ方はできません。
それでも仕事の大変さは現場によります。例えば1社のサーバー運用と30社を運用するデータセンターでは忙しさが違う。
あとは作業環境。日本ではデスクを並べて座ることが多いですが、外資系ならパーティションで区切られた快適な環境が多い。
なので現在でも、開発や運用の規模の大小、どんな企業の案件か、常に納期に追われる過酷な現場かどうか考慮した方がいいでしょう。
もし働くなら当たり現場で働け
案件によって違いますが、以前のネットワーク現場は安定すると障害が少なかったです。
以前の「PC一家に一台」ではなく「スマホ一人一台」になっているのでサーバーとネットワークにかかる負荷が大きい。
するとネットワーク現場はずっと緊張が続くわけです。トラフィックが増えてるので。
今ネットワーク運用で楽な現場は少ないでしょうが、もしやるなら稼働量と精神的負荷を検討して選択しましょう。
当たり案件で働いた方が絶対いいですよね。