2024年1月1日16時10分、石川県能登半島で震度7の地震が発生しました。
報道をチェックするとすでに避難を呼びかける緊迫した声が聞こえ、年始の空気は一変していました。
気象庁はこの災害を「令和6年能登半島地震」と命名。
大地震が来ると言われてはいましたが、1月1日にいきなり来ると予想した人はいなかったでしょう。
今は人間が予想していない思いがけない時に状況が一変する時代です。2020年のパンデミックがそうでした。
北陸の被災者の方々は厳しい寒さの中で過酷な避難生活だと思いますが、筆者も平和と安全を祈りたいと思います。
今回は情報の観点で能登半島地震を探ってみたいと思います(1月12日時点)。
目次
能登半島地震を情報の観点で探る
今回の地震は16時06分頃に珠洲市で震度5強を観測したのち、4分後の16時10分に志賀町で震度7を観測したようです。
メディアを通してユーザーがスマートフォンで撮影した動画を見ると、激しい横揺れで車や建物が歪むように揺れていました。
あれを見ると耐震を強化していないモノはすべて倒壊します。倒壊しなくても受けるダメージが大きい。
輪島市の朝市通りは大規模な火災で終戦直後のように焼けました。12日現在でも断水が続き、携帯の電波も復旧していない地域がある。
この大地震の時、情報通信の観点で何が起きていたのでしょうか。
地震発生後すぐに日常的な投稿
災害発生後すぐに「通常ポストを不謹慎言うな」の投稿が旧Twitter Xでバズりました。
ネット民は地震より日常。
つまり無関心。
もちろん、災害が発生するとインフラ系の会社の中は点検やアラート発信で蜂の巣をつついた状態になります。
震源に近い地域なら精神状態にも影響するので日常とは程遠くなる。
しかし今回も危機を見て見ぬふりをする人たちがパンデミックの時と同じように「騒ぐな」「経済優先」を大々的に煽る様子が見られたのは残念
危機対応より日常の経済的な事柄が優先の意識を拡散することはよくないですね。
偽情報の拡散
今は個人が電子機器を使ってフェイクニュースを流します。ディープフェイク等の技術で偽物の画像・映像が簡単に作成可能。
そしてデマ。これは今に始まったことじゃありません。
NHKによると外国人の盗賊団が集結中などといった偽情報が拡散。
これらは意図的なもので偶然発生するものではありません。なのでそういうことをする人間は何らかの形で自分に返ってくるでしょう。
とはいえマスコミ等のニュースメディアを信用できるかというと100%信用できず。
BBCやCNNなどは空撮で壊滅的な被害状況を伝えていましたが、地震発生後に国内メディアが被害を正確に伝えていたかは疑問が残ります。
もちろんそれは海外メディアも同じ。
ボランティアを批判するネット民
SNSでは外国人のボランティアを批判する投稿も散見。被災者の立場で食べ物を提供されたらその活動を批判できないはず。
一部のネット民は「善意を踏みにじる狂犬」と化しているのは以前からでした
驚くことではありません。
災害時に携帯電話はつながったか
携帯電話は災害時に厳しかったようです。繋がらない。
この問題は地域や基地局によって接続可能だったり不可だったりするので、〇〇が繋がると断定することはできない。
投稿を一部引用すると
AUはまだよく繋がった方だが、docomoは全然ダメだった。
の一方で
門前町はソフトバンク以外が不通でした。中継基地局の場所によると聞きました。auは未だ不通です。
さらに
水、食料、ガソリン困ってます
ソフトバンク以外繋がらずどんどん繋がらない地域が広がってるみたいです、
上記を見るとソフトバンク以外ダメになりますが、もちろん「ソフトバンク繋がらない」の声もあります。
停電時100時間稼働の基地局があるソフトバンクですが、エリアによっては当然繋がらない。
ソフトバンクとしてはドローンによる有線給電があるようです。ただ関東エリア。
楽天モバイルはどうか。サービス開始後4年の楽天回線に耐障害性を期待することはできません。
そして災害に便乗して「〇〇最強」で特定キャリア誘導に見える投稿も散見。
もちろんキャリア各社は回線復旧に尽力してるのでありがたいことです。
インフラ各社の対応
キャリア各社は復旧に機動的に対応。移動基地局車を手配しています。
ドコモとauは「船上基地局」を出しましたね。
KDDIは衛星通信のスターリンクも稼働。ただ一般ユーザーはスターリンクを使えないでしょう。
また、災害時の無料Wi-Fi「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)も無料開放しているようです。キャリア各社のWi-Fiスポットで接続可能。
携帯電話が繋がらなくなる理由は基地局の停電。一斉に音声とデータ通信が発生すれば回線の輻輳もあります。
→能登半島地震、通信障害が長期化している理由 取れる対策は? -毎日新聞
NTT西日本の固定電話や光ファイバーもダウン。ただ、順次復旧して輪島などの一部地域を除いて復旧しているようです。
どこに寄付をするか
何かしようと思っている個人はどうすればいいでしょうか。
ボランティアはいきなり押し寄せても対応できないと言っています。令和6年(2024年)能登半島地震に係る石川県災害ボランティア情報を見るとどこも準備中。
寄付は信頼性のある団体を通してやりましょう。
筆者は2011年の東日本大震災の時にYahoo!を通じて寄付しました。今回もYahoo!基金を通して寄付しています。
Yahoo!基金のサイトを見ると活動報告もしていて、2006年の立ち上げから活動を続けてきた実績がありますね。
Yahoo!は今回、1月1日にすぐ能登半島地震の募金を始めました。開始後2日程度で50万人以上、9億円以上を集めたようです。素早かった。
ドコモau楽天のキャリア各社も実施してるようです。
日頃から情報通信を含めた災害対策をやる
これは能登半島に限ったことですか。
日本は「環太平洋火山帯」の上に浮かぶ島国。つまり日本人は火山とマグマの上に住んでいるんです。
携帯ならやはりバックアップ回線(今回のように大規模だと厳しいですが…)、モバイルルーター、携帯ラジオなど。
もちろん非常用持ち出し袋に非常食、保存水、モバイルバッテリー、携帯トイレ、使い捨ての下着などを入れておきましょう。
モバイルバッテリーは乾電池を入れるものもあります。乾電池も非常用持ち出し袋に。
食べ物だけでなく情報通信も考慮した備えをしておきたいですね。