2023年5月12日、楽天モバイルがパートナー回線もデータ使い放題になる「最強プラン」を発表しました。今回は最強なわけですが、UN-LIMIT→Ⅴ→Ⅵ→Ⅶ→最強と4回目の名称変更になります。
次は究極プランとか至高プランになるんですかね…とりあえず今回のプラン変更はユーザーにとって朗報。5GB制限があるauのパートナー回線も無制限で使えるようになります。
そこで記事のテーマは、本当に楽天モバイル最強プランが文字通り最強になれるのか。そもそも最強の定義とは…。データ使い放題でも圏外で使えなければ意味はありません。
それではプランの中身を検証してみましょう。
目次
楽天モバイル最強プラン始動で文字通り最強に?
楽天モバイルが最強に?
新しい「最強」はauのパートナー回線もデータ通信使い放題へ
もうご存じのように、5GB制限のあるauのパートナー回線も制限を撤廃しデータ通信使い放題になります。2023年6月1日開始で既存のRakuten UN-LIMIT Ⅶユーザーは自動的に新プランに移行します。
最強プランのポイントは以下の通り。
- パートナー回線もデータ通信使い放題
- 料金は据え置き
- Rakuten Linkで通話かけ放題も従来通り
- auローミングによって人口カバー率99.9%
- auローミングは800MHz帯のみ
- 海外データ通信は2GBまで
サービス内容は変わらずauローミングエリアでもデータ使い放題になるのは確かに最強ですね。auとしては800MHz帯のみ貸し出すことでユーザー増の影響はないとのこと。
都市部でパートナー回線が使える場所が増えることも
大都市ではauローミングが廃止されていましたが、最強プランによって一部繫華街でデータ使い放題になります。
全てではないのでパートナー回線が使えないところもあるでしょうが、大都市で楽天回線エリアが気になっていたユーザーはより使いやすくなるでしょう。
モバイル重視のユーザーにとってコスパ最強となる
楽天モバイル最強プランは、光回線やWi-Fiではなく4G LTEや5Gの携帯回線をよく使うユーザーにとってコスパ最強になるのは確実ですね。
自宅Wi-Fi中心で1~3GB程度で携帯を運用する方法というより、家の中でも外でも場所やデータ量を気にせずモバイルでガンガンデータ通信するスタイルに最強プランは文字通り最強。
ただ本当に最強になれるかどうかは後述する条件や懸念事項をクリアしなければなりません。
開始から3年の楽天モバイルに品質を求めてはいけない
楽天モバイルの品質にユーザーも専門家も色々言ってるのは確か。とはいえ、サービス開始から3年程度しか経っていない楽天モバイルに品質を求めるのは厳しいと思います。
単純に広いエリアをカバーしたいなら三大キャリアを使えばいい。楽天モバイルはそういうことではなく、データ通信と通話を廉価な価格で無制限に使えるメリットが一番の強みなわけです。
もしエリアが不安なら日本通信やHISモバイルなどのMVNOと組み合わせて楽天モバイルを使いましょう。あるいは料金を気にしないなら三大キャリアの無制限プランですね。
楽天モバイルの収益は改善している
報道によれば楽天モバイルの収益は改善傾向。2023年第一四半期の売上は579億円で前年同期比25.3%増とのこと。楽天モバイルの無制限でシンプルなメリットを選択するユーザーが増えていることが分かります。
auはauでローミング収入を得ることができるのでKDDIにとっても「美味しい案件」。なので最近はユーザー×楽天×auの三者がwin-win-winの関係になっていますね。
筆者のメイン回線はいつの間にか楽天モバイルになっている
楽天モバイル推しというわけではありませんが、今筆者は自宅も外もメイン回線は楽天モバイル。サブはLINEMOミニプランで、業務用回線にIIJmioを使っています。
筆者の場合、楽天モバイルのデータ量は毎月100GBを超えています。
配信やZoomなど最近は使うデータ量が多いので、モバイルで安い使い放題なら楽天モバイルになるというわけ。
単身だとわりと楽天モバイル一本で問題ないですね。PCやタブレットはテザリングで、家でもモバイル風にすればOK。ただ、動画アップロードなどデータの質と量を求めたり、家族の人数が多いなら光回線の方がいいでしょうね。
最強プランが文字通り最強になるための条件
メリットを見てきたわけですが、じゃあ楽天モバイル最強プランが本当に最強なのかというと懸念事項はあります。
楽天モバイルが文字通り最強になるための条件とは一体何でしょうか。
プラチナバンド
言わずもがなプラチナバンドですよね。これに関しては総務省と三大キャリアと楽天の間で話をしていることが報道されています。
まとめるのは大変かもしれませんが、ユーザーの利益を第一に考えることが重要。競争云々ではなく、ユーザーがプラチナバンドの楽天回線を使ってインターネットの満足度が上がることが一番大事なわけです。
auのローミングは永遠ではないので、早めに楽天回線のプラチナバンド化を期待したいですね。
5G
5G回線が切れやすいのは楽天だけでなく三大キャリアも同じ。電波弱いですよね。4G LTEと実質変わらない転用5Gでも電波をキャッチしづらい。
仕事や緊急時にデータ通信ができなくなるのは結構厳しいですね。三大キャリア含めてこの問題どうするんでしょうね。
災害対策
災害対策。楽天の基地局も停電時に稼働できるようですが、地震発生時のトラフィック増に対応するなど緊急時の想定を色々やっていかないといけないでしょう。
ソフトバンクは東日本大震災の経験で100時間連続稼働できる基地局を作ったりしています。サービス開始から3年の楽天はこれから色々やっていくわけです。
通信障害対策
三大キャリアでも頻繫に発生する通信障害はキャリアにとってもユーザーにとっても悪夢。楽天も行政指導を受けまくっていますよね。
障害をゼロにすることは不可能なので、起こった時の対応を日頃から訓練するしかないですね。ユーザーとしてもバックアップ回線を契約するなど自衛しないといけません。
サービス改悪は慎重に
サービス内容の決め方は運営次第。企業の調子が良ければポイント還元率を上げて大盤振る舞い、調子が悪ければそこそこ。これは仕方ないです。
ベネフィットの内容がコロコロ変わるとユーザーへの印象もよくないですからね。0円プラン廃止の時も、0円で集客集客→終わりでーすの流れは叩かれてもしょうがないかなと、ちょっと思います。
ただ2000年代のソフトバンクと同じで、NTTやKDDIにできないことを楽天がやるのは面白いですし、コスパよく電話とデータ通信ができていればあとは自由に仕掛けてもらって話題を振りまいてほしい。
最強プランはハッピーになれる可能性が高い
auローミングで使い放題は素直にハッピー。でも永遠ではありません。文字通り最強になるには楽天モバイルにプラチナバンドが付与されて、しかも料金を維持したり様々な条件が必要。
プラチナバンド取得となると、いつか値上げするかも分かりません。とはいえ仮想化技術などで低コストに運用しているそうなので、当面コスパ最強を維持できるのではないでしょうか。
収益も改善しているようなので、ユーザーとしては気にせず楽天回線を使い倒していきましょう。100GBでも200GBでも税抜2,980円は個人的に気に入っています。