ソフトバンクが米国のAIインフラ投資に1000億ドル規模で参加することが発表されました。
OpenAIとオラクルとの合弁で4年間で最大5000億ドルと報じられています。
AIとデータセンターに対する投資は米国だけではなく世界で行われています。米国はその額が巨額になる。
今回はソフトバンクの米国AI投資について。
目次
ソフトバンクが米国AIインフラ投資に参加―SBの日本企業らしさとは
IT3社合弁で米国にAIデータセンターを建設
冒頭のように4年間で最大5000億ドル規模のAIインフラ投資を実施するようです。
事業の名前は「The Stargate Project」(スターゲート)。オープンAIとオラクル、そしてソフトバンクの3社合弁。
オラクルとソフトバンクは1000億ドルずつ出すと言っているようです。
既にテキサス州でデータセンターを建設しており、数は20棟になるとのこと。医療分野などで使われるそうです。
既にあるものを活用する日本企業らしさ
日本企業は既にあるものを活用して改良し、自分のものにして売るのが得意。そうやって20世紀に車や家電を世界中に売り込んでいました。
ソフトバンクはITで日本企業らしさを存分に発揮する企業ですね。1979年にインベーダーゲームを日本から米国に輸出。
そしてYahoo!やiPhoneを米国から日本に輸入。NTTを使ってリーチDSLでYahoo!BB、そしてボーダフォンを買って携帯をやります。
それでチップ設計の英アームを買収。2006年にはすでにアームのことを考えていたようです。
米国のAIビジネスに潜り込もうとする姿はいかにもソフトバンク的。常に自社の野望が前提ですからね。
悪い意味じゃないですよ。
現状を楽観できるのか
とはいえ米国の現状を楽観できるのでしょうか。当事者は米国を楽観視しているようです。
確かにエヌビディアが時価総額1位になったり、AIへの設備投資が巨額になっています。
しかし株式チャートはバブル状態。米国では失業者が増加してきたようで、しかもインフレは改善していません。
今アメリカ人は現金がなく、クレジットで決済していてカードの延滞率が上昇しています。
なので一部のIT企業に資金が集中する割には、筆者は個人的にこの社会情勢を楽観していないですね。
そして指摘されているように、1000億ドルの資金をどうやって調達するのかは不明。
ソフトバンクの業績
ソフトバンクはコロナ後に5兆円規模の最高益を出したあと赤字が続き、9四半期ぶりの去年秋に黒字転換したようです。
旧スプリント買収は後のTモバイル株価上昇で結果的に成功したようですね。
そしてアームばかりが話題になりますが国内DC投資もやっています。北海道苫小牧とシャープ堺工場跡地にAIデータセンターを建設。
海外事業はドイツ1NCE社の格安グローバルIoT回線をアジアで販売、そして東南アジアで高精度測位サービスの展開など、やっていることは投資だけではない。
活況を呈するDCと半導体をウォッチする
最近はデータセンターと半導体の話題が多いです。AIバブルとも。
市況を見ていると個人的には危ないと思っていますが、インフラや精密機械は日本企業の得意とするところ。
ソフトバンクもDCやインフラの実務的なものを伸ばしてほしいですね。ネット回線やモバイルで実績があるので。
既にあるものを活用して商売をするのが日本企業の特徴でもあるので、AIやDCに投資したらその技術も存分に盗んでほしいですね。