世の中にはたくさんインターネットプロバイダーがあります。MM総研という会社が1年に2回プロバイダのシェアを発表しているのですが、実は一番ユーザーが多いプロバイダーは「その他」なんです。
ISPシェアではNTTコミュニケーションズ、ブロードバンド加入者数で言えばSoftBankが一番多いですが、どちらとも上回るのが「その他」のプロバイダになります。
これはCATVインターネットや、電力系、ガス会社など、様々な企業がプロバイダー事業に参画しているからなんです。
ポータルサイトのexciteもプロバイダをやっていますし、T-Comは東海ガスなどを傘下に持つTOKAIホールディングスのグループ企業です。
その中で何を基準にプロバイダを選ぶのか。プロバイダ選びで重要なことは何か。安い光回線はどこなのか。安いけれども質の高い光回線はあるのか。こういった疑問を持つことがあるかもしれません。
「これだけ無数のプロバイダがあるのだから、何か物差しみたいなものがあるといいんだけど」
このように、何がポイントでどのようなプロバイダを選ぶのか知っておくのは良いことです。
目次
プロバイダ選びで最も大事なのは「存在を意識しないこと」
インターネットをやっていてプロバイダに存在感があると快適にネットを楽しめません。ネットに接続できないとか、メールが受信できないという風に、Webやメールにアクセスできないとプロバイダを意識してしまいます。なので極力、透過的で存在感がないプロバイダを選ぶことになります。
ここで存在感がないとは
- 障害が少ない
- サポートがWebで完結する
- 料金が安い
上記を一つ一つ見てみます。
障害が少ない
障害はNTT回線を使っているプロバイダの場合、ほとんどフレッツ回線の障害が多いです。まれにメールに不具合があったりクラウドで障害があることがあります。
インフラで障害が多いのは、携帯キャリアが時々大規模障害を起こすことがあります。あれは光回線とは別の携帯回線なので固定回線とは少し話が違いますが、今はテザリングをしている人も多いですし、携帯の接続は障害があるとインパクトが大きいです。
プロバイダのメールサーバーやクラウドにまったく障害がないということはありませんので、どの程度で復旧してそれをどのくらい情報提供しているかがポイントになります。要は障害が起きても復旧が早ければいいわけです。
ITだと平均故障間隔(MTBF)という用語がありますが、もちろんプロバイダが故障間隔の数字を発表することはしません。ユーザーがプロバイダに加入する時に障害の発生率を考えることはほとんどないですが、利用していてメールやクラウドが使えない時が多いな、と感じる場合は乗り換えを検討してもいいかもしれません。
サポートがWebで完結する
これは何かというと、プロバイダのサイトでサポートのページが見やすいかどうかです。設定の仕方やFAQなどで、どれだけの情報量があるかがポイントです。
そして設定やFAQが分かりやすいか、図を多用して理解しやすいかということもポイントです。これを見て解決出来れば、ほぼほぼOKです。どうしようもない時はオペレーターに電話するしかないですが、時間を無駄にしたいとはあまり思わないのでやはりWebで解決出来ればベストです。
料金が安い
これは言わずもがなですが、コストパフォーマンスはかなり大事です。なぜかというとプロバイダは昔から自社の特色を出すのに苦労していて、だったら料金を安くするのが一番分かりやすいというパターンになったと思われます。
そういうこともあり、コストパフォーマンス、つまり低廉な料金で質の高い回線品質やサポートを受けられるプロバイダが一番良いよね、ということになります。価格面でも存在感がないプロバイダならお財布にも優しくインターネットができます。
何がプロバイダの差別化になるのか
個人向けでも特徴的なネットワークサービスがある
VPNやクラウド系のサービスがあると面白いプロバイダと言えます。単にインターネットに接続するだけではなく、いわゆるピアツーピアのバーチャルネットワークが組めるようなサービスは離れたPC同士が資源を共有できるのがメリット。
このようなサービスは法人向けで展開されることが多いです。あくまでもビジネスでの利用を考えているサービスです。しかしそれを個人レベルでも使えるようにしているプロバイダもあります。
初心者でも上級者でも満足できるとベスト
初心者向けの設定自動化ツールを用意しているところは良心的です。メールなどの設定をボタン一つで設定できるものがあるので、初心者にとってはありがたいです。
またサポートも電話やリモートサポートがメインになってくるので、分からないことがあれば遠慮なく相談できる環境を提供しているプロバイダは安心です。
ある程度ネットをやってきた上級者ならThunderbirdを使ってimapでメールを利用する、また、オプションでクラウドを利用できるなどインターネットに慣れた人が納得できるサービスがあると良いです。
安心なプロバイダは乗り換えていると分かるようになる
プロバイダーを使っていてどれだけプロバイダを意識しないでインターネットが使えるか、ということを解説してきました。
プロバイダはインフラなので、ネットの先のコンテンツをデリバリーする役目です。だからプロバイダが目立つようなことがあると、透過的なサービスとは言えません。
そのためには障害の復旧が速いこと、コストパフォーマンスが高く低廉な料金で質の高いサービスなどを選択することが、ユーザーとしてプロバイダを選ぶ基準になると思います。
最初からベストなプロバイダを選択することは難しく、料金だったり、契約期間の縛りがあったりと、なんとなくプロバイダを変えてみるかという気持ちになることがあります。
そのような時、自社の存在感を消す透過的なプロバイダを選択すると、インターネットライフが快適になります。