熱心な携帯ユーザーである皆さんは、オンライン専用ブランドのahamoが気になりますよね。ahamoはメインブランドより安くドコモのメイン回線を使えるので、格安SIMやMVNOを考えていたユーザーはahamoなら携帯を変えてもいいかな、と思っているはず。
そこで疑問に思うのは、ahamoの具体的なメリットとデメリット。今回はahamoを契約する時に考えておきたいポイントを解説したいと思います。
詳細なメリット・デメリットをどんどん挙げていったらきりがなく、情報が多すぎてしまうので、ユーザーに特に密接に関わる代表的なメリット・デメリットに絞って取り上げたいと思います。
ahamoのデメリット
ahamoは契約とサポートがオンラインでしかできませんが、Config Networkではデメリットと考えていません。オンラインでしか契約できないという点は、MVNOもオンラインが中心なので、これからはそういうブランドが多くなることが予想されます。
なので、契約とサポートがオンラインのみという点以外のデメリットを挙げてみたいと思います。
ドコモ回線は意外と繋がりにくい
いきなり何だと思いますよね。デメリットというより根本的な電波の話。ドコモの電波は一番良いんだと思い込んでいる人が大勢いますが実際には違います。
電波が入りにくい場所、例えばエレベーター、病院の中でドコモ回線が入りにくいことがあります。この問題は特に都市部で使っていると感じることが多いですね。
マルチキャリアを使うモバイルWi-FiのクラウドSIMも、ソフトバンク回線を掴むことが多いようです。
3キャリアあるのに、なぜソフトバンク回線を掴むのでしょうか。結局のところ、ソフトバンクが一番基地局数が多いからでしょう。
もちろん、ドコモであることは後述するメリットの一つとして書いていますし、ドコモ回線が悪いというわけではありません。質は高いでしょう。しかし、他にも繋がりやすい回線があるということですね。
5分無料通話オプションを外せない
そして続くデメリットとして挙げられるのは、デフォルトで付いている5分無料通話オプションを任意で外すことができない点。
ahamoは5分無料通話オプション込みで2,700円(税込2,970円)なので、これも後述するメリットとして取り上げています。他の2社では5分無料通話オプションを付けると税込3,278円なのでお得ですよね。
ですが、この無料通話オプションを無効にすることはできません。他社はオプションなしで2,480円(税込2,728円)を実現しており、オプションを強制させることをしていませんが、ahamoは電話しなければ高くつくことになります。
無料通話については、筆者個人の見解として音声通話は全部無料にすべきだと感じています。楽天モバイルはRakuten Linkで無料ですからね。
音声は電話回線ではなくデータ通信による通話をデフォルトにして、課金しない流れに持って行ってほしいです。
ただ、電話番号にちょくちょく電話する人にメリットとなることは事実。LINEやSkypeといったデータ通信による音声通話無料は、基本的にアカウントを交換していないと通話できないですらね。
セット割がない(一部可)
基本的には、ahamoは家族割やドコモ光セット割といった月額料金が割引になるセット割に対応していません。要は割引の対象になりません。ahamoを始めとしたオンライン専用ブランドはとにかくシンプルさが売りですからね。
光回線とのセット割は、ユーザーとしても結構おいしいと感じるセット割なのですが、オンライン専用ブランドは元々安いのでセット割まで対応できないらしいです。
チェック
一部例外があります。
- ファミリー割引において、ahamoあての発信は無料。ahamoから他のプランを使う回線への発信は無料ではない
- ドコモ光セット割はahamoがドコモ光ペア回線になる場合、同一ファミリー割引グループ内の5Gギガホ、5Gギガライト(1GB超)、ギガホ、、ギガライト(1GB超)のプラン契約者はドコモ光セット割の対象
上記はまた複雑ですよね。どうしてキャリアはこう、複雑な設定を仕掛けるんですかね。
ワイモバイルだとソフトバンク光とのおうち割光セットが組めるので、わりといいですね。15GB使えるシンプルMが税込3,278円→2,090円になるので、ソフトバンク光がマンションタイプの場合は合計6,270円。
なので、3大キャリアの回線が高いと思っていて、セット割関係なく安くドコモ回線を使いたいユーザーはahamoを検討できるでしょう。月8,000円レベルになっているならセット割がなくてもahamoでいいと思います。
MMS(キャリアメール)はないが今後はデメリットでなくなる
現段階でオンライン専用ブランドであるahamoにMMS(キャリアメール)はありません。これは確かにデメリットと言えるかもしれません。というか、注意点です。
MMSがないとサービスが使えない、MMS推奨のサービスがあるので、MMSを使い続けている人がいます。携帯のサービスでMMSじゃないと使えないサービスが残っているようです。
ですが、MMSは本当はなくても大丈夫なんです。筆者はフリーのクラウドメールであるOutlook、Gmail、iCloudを使っていて、特に不便さを感じたことはありません。
そのうちMMS必須というサービスはなくなるでしょう。なぜかというと、上記のOutlookを始めとしたフリーメールは迷惑メールだと認識されないことがほとんどだからです。つまり、プロバイダで使われるものと一緒だということです。
キャリア決済ができない
ネット通販やネットサービスを決済する方法として、携帯のキャリア決済があります。このキャリア決済がahamoでは対応していません。
キャリア決済を使えばクレジットカードなどがなくても買い物ができたりしますよね。他にも例えば、ラジオ配信のradikoでプレミアム会員に登録する時にキャリア決済が指定できます。これがahamoではできません。
キャリア決済はそれほど大きなデメリットではないかもしれません。MVNOもキャリアではないので、キャリア決済というのはないです。
それにahamoは申し込み可能年齢が20歳以上なので、大人だとカードを持っているケースも多いですよね。クレジットカードを持っていないとか、作れないという人にはデメリットになります。
ここまでahamoのデメリットを見てきましたが、どうでしょうか。ahamoはシンプルに使ってもらうことを前提としているので、MMSやセット割などもありません。対してメリットは何でしょうか。
ahamoのメリット
ahamoのメリットは何ですか。
オンライン専用
オンライン専用ブランドはオンライン、つまりインターネットでしか契約できないのはデメリットと言うメディアがたくさんありますが、これはむしろメリットと言えます。なぜそう言えるのでしょうか。理由は以下の通り。
- オンライン専用だから安い
- 口座振替払いもオンラインで契約できる
- これからはeSIM・eKYCの時代になる
- 問題がオンラインで解決できるようになる
- ユーザーのネットリテラシーが向上する
そもそも、ahamoはオンライン専用ブランドなので月額料金が安くなっています。申し込みやサポートをインターネットで解決することでコストダウンし、ユーザーが低廉な料金で携帯を使えます。
元々、ガラケーの時代は3千円くらいでも携帯を持つことができました。ところがスマホの登場で高い端末を分割払いにしたり、4Gネットワークの整備にコストがかかったり、増大するデータ通信量に対応するためにどんどん月額料金が上がりましたね。
それが現在では一服し、端末は通信と分割する流れになったし、MVNOや格安SIMの台頭で通信料金が見直されるようになりました。ahamoを始めとするオンライン専用ブランドは、肥大化した携帯業界のサービスをオンラインでシンプルにしたものです。
そしてeSIMや本人確認を簡単にできるeKYCの登場で、さらにオンライン契約が簡便になっています。サポートをチャットサポートにすることでユーザーのネットリテラシーも向上する可能性があります。自分でものを調べるようになりますからね。
これらのことが自分でできないというユーザーもいますが、これからますますインターネットがリアルと連動する時代になります。そしてahamoは若年層世代に向けてマーケティングしていますよね。デジタルネイティブにはオンライン専用がメリットです。
なんだかんだドコモ回線である
ドコモ回線は特に繋がりやすいわけではない、ということをデメリットでお伝えしましたが、とはいえ、なんだかんだドコモ回線を安く使えるのはメリットと言えるかもしれません。
一体何を言ってるんだ…?と思うかもしれませんが、NTTドコモは日本で一番最初に携帯を始めているので、携帯に関してはプロ中のプロです。建物内で繋がりにくいところがあったとしても、山奥で繋がる可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
特に地方ではドコモ回線を使うことがある種の保険のようになっているので、携帯は無条件にドコモを選んでおけばいいとするユーザーも多いです。安くドコモ回線を使えるならahamo一択、となるわけです。
若者がドコモをオシャレに使うことができる
「何を言ってるんだ…」と、ツッコミたくなるかもしれません。しかし、このことは実際「ある」と考える人が多いのではないでしょうか。
NTTドコモは、かつてNTTから分割して誕生した企業で、現在は持ち株のNTTの子会社に戻っています。国の政策で成り立っている企業なので、どちらかというと事務的でカタいイメージがありますよね。
もちろん今のデジタルネイティブはNTTが電電公社という特殊企業だったころを知りません。というか、物心がついた時にすでにNTT以外のひかり電話を使っていることすらあるのです。
ahamoのブランディングは、そうした電電公社の黒電話も緑色のプッシュホンもテレホンカードも知る必要がない世代に訴求しています。
公式サイトを見れば分かるように、ポップでキラキラした若者感覚のahamoを使えることは一種のステータスになる可能性があるのです。
5G対応でデータ容量20GB使えて5分無料通話込み
ahamoのスペックは以下の通り。
ahamo | |
月額料金 | 税込2,970円 |
データ容量 | 20GB |
国内通話料 | 1回5分無料(22円/30秒) |
ネットワーク | 4G/5G |
超過後速度 | 1Mbps |
テザリング | 無料 |
税込3,000円切ってくると安い感じはしますよね。それでいて20GB使えて5分無料通話も付くので、メインブランドを使っているユーザーは特に真剣に検討できます。
もし20GBを超えても1Mbpsでデータ通信できるので、標準画質の動画なら見られる程度の速度を確保できます。
82の国と地域で海外ローミング
海外82の国と地域で20GBが使えるのはahamoだけですね。ソフトバンクのLINEMOはアメリカ放題で米国無料ですが、ahamoなら82の国と地域なので海外利用のアドバンテージが高いです。
82というのは日本人の渡航先を95%カバーしているようなので、不安はないでしょう。自分は海外旅行にかなり行くという人は、それだけでもahamoにするメリットがあります。
とはいえ、2021年現在はなかなか国外に足を延ばすことができないのも事実。もし将来的に海外利用も視野に入れるなら前向きに検討できるかもしれません。
製品が安い
ahamoは格安SIM・格安スマホというわけではないですが、公式サイトを見ると販売する端末はかなり安いようです。iPhone 11が支払い総額49,390円~なので、少し前のiPhoneが半額レベルで買うことができそうですね。
iPhoneだけでなくXperiaやGalaxyといったAndroidスマホも登場します。日本ではiPhoneが人気ですけど、世界的にはAndroidの方がシェアが高いですね。新しいキャリアと同時に、端末も新しくしてみるのもいいかもしれません。
ファミリー割引でahamoへの発信が無料
基本的に家族割はないのですが、ahamoはファミリー割引による家族間の通話無料に加えることができます。ですが、ahamoあての発信のみ無料です。ahamoから家族のその他プランは対象外です。
ちょっと中途半端なメリットとは思いますね。家族割として月額料金が割引になるわけではないし、家族間の通話も一部無料ということで、制度的にも複雑になっています。
なので、携帯キャリアは音声通話を無料にするシステムを早く構築すべきです。楽天モバイルはRakuten Linkで無料ですから、データ通信で番号あての電話もすべて無料にするべきですよね。
とはいえ、家族からahamoを持っているユーザーへの通話は無料にすることができます。
dカード連携
ahamoはdカード特典というものがあり、以下の特典がもらえます。
<ahamo>dカードボーナスパケット特典(2021年9月から) | dカード:プラス1GB/dカードGOLD:プラス5GB |
<ahamo>dカードGOLD利用額10%還元(上限300ポイント) | 毎月のdカードGOLD利用額税込100円につき10%のdポイント(上限300ポイント) |
dカードを持っていると、少し嬉しいことがあります。dカードならデータ容量を1GB増量、dカードGOLDならデータ容量を5GB増量ですね。そしてdカードGOLDの利用額から10%ポイント還元(上限300ポイント)です。
本当に、少し嬉しいですね。ドコモはdカードなどの金融も広げたいと思っているので、それに乗っかるのもいいかもしれません。
事務手数料が無料
ahamoは事務手数料無料が嬉しいですよね。
- 契約事務手数料
- SIM交換/再発行手数料
- MNP転出手数料
- 機種変更手数料
- 契約解除料
ユーザー視点でものを考えれば、事務手数料を0円にすることはむしろ当然なのですが、今まではキャリアの力がある程度強かったので手数料を徴収されていました。これがオンライン専用ブランドでは無料化しています。
オンラインで契約すればワイモバイルなどのサブブランドでも契約事務手数料がかからないですし、楽天モバイルも事務手数料を廃止したので、今後は手数料無料化の流れが加速すると思います。
20歳以上ならドコモをオシャレに使えるahamoを使ってみよう
ahamoはなんか大人しか契約できないんですけど、働いている人も学生も、コストを削減して質の高いネットワークを使うことはメリットありますよね。特にメインブランドを使っていた人は、この機にオンライン専用ブランドに乗り換えるのはアリだと思います。
ahamoのコンセプトは、デジタルネイティブに向けてシンプルに楽しくドコモを使ってほしいというものです。特に国内通話1回5分無料が付いて3,000円を切る価格設定は魅力的で、回線はメイン回線ですし、20GBも使える。
もっと早くシンプルにできなかったのかなと思いますけど、携帯がシンプルになる流れはユーザーとしては歓迎ですよね。オシャレにahamoを使ってシンプルライフを楽しみましょう。
メリット・デメリットを把握してahamoを使いこなす
以上がahamoのメリット・デメリットでしたが、契約やサポートがオンラインのみというのはデメリットというよりも、むしろメリットなんですよね。オンラインを中心にすれば事業者側のコストも下がりますし、月額料金も安くなります。
流れとしては、もっと仮想的、論理的になっていきます。物理SIMがeSIMになったり、対面サポートではなくチャットで済ませたり、ネットで解決できることはどんどんオンライン化されますよ。
海外にも強いですし、ファミリー割引の一部適用、dカード連携など、ahamoならではのメリットもあります。オシャレにシンプルにahamoを使いこなしたいですよね。