povo2.0が2021年9月に新しく始まりましたね。KDDIはahamoに対抗するためにpovoを立ち上げ、2021年3月からサービスインしたのですが、ここに来てpovoが2.0になりました。
2.0ということはバージョンアップしたので2.0と言っているのですが、すごいですね。povoはアプリなんですかね笑。iOSみたいに15とかになるんですかね。
冗談はさておき、最近の流れを見ていると携帯料金の下がり方が半端ない。後ほど解説しますが、povoも例外ではなく2.0にすることによって基本料金0円から始めることができるようになりました。
これって、「安いニッポン大丈夫なのか!?」と思われるかもしれませんが、ユーザーが心配することではないので安心してpovoのサービスについて検証していきたいと思います。
この記事では、povo2.0とは何なのか。メリット・デメリットは。そして最後に総評を述べて、KDDIのオンライン専用ブランドpovo2.0に迫ってみたいと思います。
新しく登場したpovo2.0とは
povo2.0とは何ですか。
povo2.0はどのような特徴がありますか。
povo2.0の仕組みはどのようなものでしょうか。
基本料金0円で始められる携帯
povo2.0の最大の特徴は0円で格安SIMを始めることができて、料金はトッピング単位であるということ。0円で0GB、つまりトッピングなしで契約すると128Kbpsのデータ通信と電話が使える状態になります。
極論すると、ちょっとしたショートメールと電話だけなら基本料金を払う必要がないんですね。ただし以下の条件によって回線が契約解除になる可能性があるようです。
- 180日間で1回も有料トッピングを購入していない
- SMSや通話料が660円に達していない
要は、あまりお金を払ってくれないなら勝手に解約します、ということですね。これは仕方ないですし、楽天モバイルも同様の措置を取っています。
データトッピングは6種類
前述の通りpovo2.0の特徴はデータ容量のトッピングを柔軟に決められること。0GBで始められますが、それでは高速通信ができないのでほとんどの人は1GB以上のトッピングを追加するでしょう。データ通信のトッピングは以下の6種類。
データ容量 | 料金 |
使い放題(24時間) | 330円/1回 |
1GB(7日間) | 390円/1回 |
3GB(30日間) | 990円/1回 |
20GB(30日間) | 2,700円/1回 |
60GB(90日間) | 6,490円/1回 |
150GB(180日間) | 12,980円/1回 |
1GBは7日間ですが3GBや20GBは30日間なので普通に1か月は使えると思います。それでも1か月が31日の場合は要注意なんですけどね笑。
他に60GBは90日間で6,490円なので普通に20GB2,700円をトッピングするよりお得になっています。150GBは180日間使えてトータル12,980円なので、20GBを6回使うより3,220円お得なんですね。
主軸となるのは3GBと20GB
データトッピングで主軸となるのはやはり3GBや20GBでしょう。3GBで990円というのは、明らかにLINEMOの3Gミニプランに対抗するものと思われます。
やっぱり小容量で通信料を抑えたい需要が高まっているので、キャリアが運営するオンライン専用ブランドもさすがに格安SIM並みに値段を下げましたね。
もちろん従来通り20GBで2,700円のトッピングもあるので、3GBで不満なら20GBトッピングに変更しましょう。
povo1.0は新規受付停止
povo2.0がサービスインしたことによって、povo1.0は新規受付停止となりました。いやしかし、サービスがコロコロ変わってユーザーは大変ですよね。キャリアの中の人も大変でしょうが…。
とはいえ、povoに限らず3大キャリアのオンライン専用ブランドはブラッシュアップしていって料金プランを拡充していくでしょうから、今後もユーザーが使いやすい料金形態になることが期待できます。
契約できる年齢が13歳以上に
povo2.0は契約できる年齢が13以上になりました。親権者の同意があれば未成年者でも契約できます。
コンテンツトッピングと通話トッピングがあるが…
povo2.0は、データトッピングの他にコンテンツトッピングと通話トッピングがあります。
種類 | トッピング | 料金 |
コンテンツトッピング | DAZN使い放題パック(7日間) | 760円/1回 |
smash使い放題パック(24時間) | 220円/1回 | |
通話トッピング | 5分以内通話かけ放題 | 550円/1月 |
通話かけ放題 | 1,650円/1月 |
ただ上記を見ると、7日間限定とか24時間限定とか、ちょっとサービスが渋いですね…。例えばビッグローブのエンタメフリーオプションは1か月308円で20種類のサービスがカウントフリーなんですよね。
なので、もし動画や音楽サービスなどをカウントフリーにするトッピングを用意するなら、せめて1か月使い放題にした方が訴求力があると思います。
他にも通話トッピングは普通ですよね。1回5分の無料通話も1回15分にするとか、渋くするんじゃなくてもっとインパクトのあるトッピングにした方がいいと思います。
povo2.0のメリット
povo2.0の概要を見てきました。
では、povo2.0のメリットとは何ですか。povo2.0はどのような使い方ができますか。ここでは以下のメリットを見てみます。
- データの使い方に幅がある
- 20GB当たりの価格が安い
- データトッピングをしなくても128Kbps出る
- eSIMt対応
- キャリア決済が使える
- #ギガ活は上手く使えばデータを節約できる
それでは見てみましょう。
データの使い方に幅がある
povo2.0はデータトッピングが柔軟に行えるので、データ容量を大きくしたり小さくしたりすることができます。
LINEMOだと、povo2.0のようなデータ容量の幅はないですよね。3GBか20GBです。しかもahamoは3GBプランがなく、ドコモショップでOCNモバイルONEの3GBプランを申し込めるというもの。
povo2.0なら1GBから最大180日間150GBという大容量にも対応しているので、使うデータ容量に変動があるならpovo2.0が圧倒的に使いやすいです。
20GB当たりの価格が安い
これは各所で語られていますが、60GB/90日のトッピングだと普通に月間20GBで契約するより1,610円もお得なんですよね。
1回で6,490円払わないといけないですが、約3か月は60GBを自由に使えるというのはわりと魅力的。外でも動画などを見たりして、データ通信量が比較的多めなら60GB/90日間を一括で購入しておけば楽です。
もちろん150GB/180日間は先述した通り3,220円安いですからね。上手くデータを管理すれば一括で料金を払った方がお得になります。
データトッピングをしなくても128Kbps出る
povo2.0はデータトッピングなしで0円にして契約できますが、それでも一応128Kbpsでデータ通信ができます。128Kbpsというのは古い時代にISDN回線を2つ束ねた時の速度ですね笑。
つまり、現在のリッチコンテンツに必要とされる速度ではありません。128Kbpsはテキストのデータ通信が中心です。要はメールとかですね。
動画は無理です。ショートメール(SMS)とか、普通の量のメールを送受信するとかその程度。とはいえ、電話を目的とするなら問題ないですね。電話とメールだけなら基本料金が0円ということになります。
eSIM対応
povo2.0は最新のeSIMに対応しています。eSIMは物理的なSIMカードがなくても電子的にSIMを契約できる技術。
povoをメインではなくサブとしてeSIMに入れる使い方ができます。もしくは仕事用の回線としてeSIMにpovoを入れて別の電話番号を使ったりできますね。
eSIMだと本当に気軽に契約できるので、これからはeSIMでスマートに格安SIMを契約する時代になっていくでしょう。
契約期間の縛りなし、解約金なし
povo2.0は従来通り契約期間の縛りなし、解約金なしです。最近はこの流れですよね。これからはあえて違約金の設定をすればユーザーは離れていくのではないでしょうか。
#ギガ活は上手く使えばデータを節約できる
ギガ活とは、au PAYを対象店舗で利用するとデータがもらえるキャンペーンのことです。いずれもエントリーが必要。
支払いやお店の利用でコードをもらい、そのコードをpovo2.0アプリに入力することによってデータがもらえる仕組みになっています。例えばローソンで500円使うと300MBもらえるなど。
毎日利用する店舗があれば事前にエントリーしてコードをもらうと、ギガが貯まるようになっていきますね。
ただ、データをもらう手間がかかるな…という印象を持つのが正直なところ。データには3日間の期限がありますし、活用できる人は限られるかもしれません。
povo2.0のデメリット
では、ここからpovo2.0のデメリットを解説します。
povo2.0のメリットは分かりましたが、povo2.0の何がデメリットと言えるのでしょうか。
povo2.0の懸念点とは何ですか。
そもそもデータのまとめ買いがキツい
3GBや20GBは30日間なので、1回の支払いはほぼ月ごとの支払いと同じような感覚でトッピングを購入することができます。
一方で、60GBの1回6,490円と150GBの1回12,980円は1回で支払う料金が高いですよね。確かに20GB当たりの価格は安くなるのですが、6,000円や1万円を超えると1回で気軽に購入する価格ではなくなってくるのではないでしょうか。
もちろんお金に余裕がある人は1回でポンと12,980円を支払って150GB使えるかもしれませんが、高校生が1回で12,980円を支払うのは難しいですよね。
なので、そもそもpovo2.0のデータまとめ買いは1回の支払いが高くてキツいと思う人が多いでしょう。特に60GBと150GBですね。3GBと20GBは普通なので特に気にならないと思います。
データ容量の管理が面倒くさい
povo2.0のデータトッピングには90日間や180日間といった有効期間があるので、期間内でどうやってデータ容量を消費するのか考える必要があります。
通常は1か月で何GBですが、povo2.0だと60GBを90日または150GBを180日の中で上手く納めないといけません。30日で60GBの内30GB使ってしまったら、残りの30GBを60日で使うことになります。
なので、今まで以上にデータ容量をチェックしながら上手く有効期間内でデータを使うことを心掛けないといけません。
支払い方法はクレジットカードのみ
povo2.0の支払い方法はクレジットカードのみ。口座振替もないのはデメリットですね。LINEMOは普通に口座振替できますけどね。その辺りはKDDIにpovoのやる気があるのかないのかよく分かりません。
クレジットカードのみというのは格安SIMだと一般的なので、理解できる話ではあります。しかし携帯キャリアが運営するサービスが口座振替なしカードのみというのはユーザー重視と言えません。
LINE年齢認証は非対応へ
LINEの年齢認証はできないですね…。なのでID検索といった機能は使えないので、お友達を招待するなどしてLINEを使いましょう。
auかんたん決済は使えない
キャリア決済であるauかんたん決済は使えません。これもデメリット。LINEMOはソフトバンクまとめて支払いが使えるんですけどね。
割引は適用できず
povo2.0で割引が適用できないんですよね。auスマートバリュー、家族割、家族割プラスは適用対象外です。
これは仕方ないかなと思います。20GBで2,700円はすでに安いですし3GBのトッピングが990円なので、これ以上の割引はできないでしょう。
そして学割もありません。本当にシンプルにトッピングを追加するだけなので、値段を安くしたければ3GB990円を使いましょう。
povo2.0で使えない他の機能
povo2.0で使えない他の機能は以下の通り。
- auの利用期間は引き継がれない
- 留守番電話、割込通話、着信転送はできない
- キャリアメールなし
- My auアプリは使えない
最近はLINE通話を使ったりメッセージで済ませるので、留守番電話機能を使う人も少なくなっています。これからは電話関連の機能が使えなくてもデメリットではなくなるかもしれません。
そしてキャリアメールはありませんが、そもそもオンライン専用ブランドはインターネットに繋がる人が申し込むのでGmailなどのクラウドメールを使えばいいですね。キャリアメールなしはデメリットと言えないでしょう。
いまだに通話料が無料にならない
デメリットの最後として挙げるのは、通話料がいまだに高いこと。これは他のブランドでも同じことを言ってるのですが、MVNOではないオンライン専用ブランドやサブブランドはいまだに22円/30秒という通話料がネックになるんですよね。
個人的には通話をあまりしないので筆者はそれほどお金がかかりません。ただ、番号宛の通話が多い人には通話料が重くのしかかってきますね。
通話無料にすれば楽天モバイルに対抗できるんですけどね。楽天モバイルはデータ通信使い放題とセットで通話かけ放題ですから。やっぱりこれからのスタンダードは通話無料だと思います。
キャリア系のブランドは、通話料金に対してどれだけユーザー重視でサービスを改善できるかが今後の課題になります。
総評
povo2.0のメリット・デメリットを見てきました。povo2.0はトッピングを変更することによってデータ容量を自分の使い方に合わせることができます。
一方で、データ容量の管理が難しいことや、そもそもデータを一括で購入することが難しい人もいることが分かりました。
では、povo2.0を総評するとどうなりますか。povo2.0は多くの携帯ユーザーにとって良い選択肢となりますか。
データのまとめ買いができる人は多くないのではないか
60GBや150GBのデータトッピングは1回で支払う金額が高額になってきます。特に150GBは1万円を超えてくるので、いくら180日間で150GB使えるといってもなかなか購入しにくい値段。
60GBなら6,490円なので、まあ約3か月分をまとめ買いする人はいるかもしれないですね。上手く30日あたり20GBで運用していけば、普通に20GBのトッピングより安いので良いと思います。
とはいえ、やはり格安SIMのメリットは月額料金が安いことにあるので、60GBや150GBのトッピングを購入する人は3GBや20GBに比べて少ないでしょう。
90日間や180日間という長期間に渡ってデータ容量を管理していくのもわりと難しい。ギガがたくさんあると思って使いまくったら残りの期間で使えるデータ量が少なくなるので、データ容量の管理が課題になります。
普通に3GBプランを追加すればよかったかも
前述の通り60GBや150GBは一括の値段が高いしデータ容量の管理をしなければならないので、大容量データを購入する人は少なめになると思われます。
であれば、普通に3GBと20GBのトッピングだけでよかったかもしれません。3GBトッピングを追加して料金を抑えたいユーザーを取り込み、足りない人には20GBトッピングで運用してもらう。
もちろん60GBや150GBを希望する人もいると思いますが、柔軟性を持たせたわりには面倒なサービスになっている印象があります。
0円から運用できるのはイイ
とはいえpovo2.0は0円から運用できるのが良いですね。今まで携帯キャリアは通信費に1万円以上かかるような値段を設定していたこともありました。それが今では0円から始めて自由に料金プランを選ぶことができるようになったのです。
もし一気にデータ容量を増やしたいと考えるなら180日間で150GBのトッピングを選択してもいいですし、データ通信でpovoを使わなくなったけどとりあえず回線を継続したければトッピングを外して0円にすればいい。
そのようなデータ通信の自由度がpovo2.0にはあります。povo2.0のデータ通信を使い込んでも、あまり使わなくても自由。使い方の主導権がユーザーにあるところが最大のメリットなのではないでしょうか。
デジタルネイティブやZ世代にはいいかもしれない
現在のデジタルネイティブ世代やZ世代と呼ばれる層は、何でもインターネットで情報収集して計算しながら(極力失敗を回避して)行動していくタイプの人間が多いですね。
事前にネットで調べて極力失敗したくない、どうすればいいのかGoogleやTwitterで調べてから行動する。そういう人たちが本当に多いのです。
であれば、povo2.0のメリット・デメリットを見極めて、自分の使い方に合っていると判断できる人がpovo2.0のサービスを使いこなせると言えるでしょう。
筆者が指摘したデータトッピングの管理が難しい、データ容量を確認しながらトッピングを使わないといけないポイントも、デジタルネイティブは難なく使いこなせてしまうかもしれません。
感性やパッションではなく全て計算で動く。そのようなデジタルな生き方が台頭しつつあるので、今povo2.0が出てきたのは時代を考えると納得ですよね。
2.0へバージョンアップするpovoは人を選ぶ
人がサービスを選ぶのではなくサービスが人を選ぶって言うと、ちょっとイヤな感じですよね。なんかお高く留まっていそうで、謙遜じゃない印象を受けます。
ただサービスが人を選ぶことはよくあり、プラチナのクレジットカードは誰でも持てるわけではありません。考えてみればサービスから人が選ばれていることは日常茶飯事と言えます。
もちろんpovo2.0がプラチナやファーストクラスと言っているわけではありません。ですが、複雑なデータトッピングを使いこなせる人は少ないとか、1万円以上のデータトッピングを一括で購入する人は限られます。
そういう選ばれた人が使えるようなブランドという認識を与えるのがpovo2.0ですし、これからデジタルネイティブが幅を利かせる時代になるので、ユーザーは複雑なpovo2.0のようなサービスについていかないといけないかもしれないですね。