2020年12月3日に突如NTTドコモから発表された、新料金プランのahamo。20GBで2,980円という、ドコモとしては破格の料金でメインブランドを値下げしたと発表しました。驚きでしたね。
中の人 「社長、料金値下げどうします?」
社長 「決まってるだろ。競合と同じようにサブブランド立ち上げて値下げプランで攻める。」
中の人 「やはりそうですよね。a社もS社もサブでやってますから。」
社長 「うん。うちだけまともに下げるわけにいかない。サブのahamoでいけ。」
政府 「サブブランドで値下げとは誠に遺憾!羊頭狗肉である!」
中の人 「社長、サブのahamoはどうします?ahamobile.jpのサイトまで立ち上げたんですよ?」
社長 「君、何を言ってるの?ahamoはうちの料金プランの一つでしょ?ahamoはうちの若者向けプランだよ?」※フィクションです
はい、ドコモがサブブランドと思えるようなahamoを投入したのだから、競合の楽天モバイルや格安SIM業界にとっては激震。そんなahamoと楽天モバイルを徹底比較して、ユーザーにとってどちらが最適キャリアとなるのか、検証してみました。
ahamoとは
ahamoとは何でしょうか?ドコモの料金プランですか?どのようなユーザーにメリットがあるのでしょうか?
ここではahamoの解説と、携帯ユーザーにとってメリットとなる点を解説します。
ドコモの若者向け料金プラン
なぜドコモが新料金プランを発表したのかと言うと、政府の携帯電話料金値下げ要求が高まり、携帯キャリアは電波を管轄する総務省の値下げ要求を無視できなくなってきた背景があります。なぜ総務省が出てくるのかというと、携帯に使う電波は公共のものであるという観点から、携帯キャリアは電気通信事業者を扱う総務省から一定の管理下に置かれているので総務省の意向は無視できないのです。
よく総務省がキャリアに業務改善命令とか出してますよね。あれと似た感覚ですが、それにしては携帯料金の額までしゃしゃり出てくるのはいささかやり過ぎという意見もあります。政府や総務省は電波法や電気通信事業法に基づいて通信事業者に対して積極的に介入します。
ドコモは若者向け新料金プランと言いましたが、各種報道やSNSなどでも指摘があるように、おそらくドコモはサブブランドとして大々的に展開する予定だったんだろうなと思います。そこを政府にサブブランドで料金プランを作るのは実質を伴っていないと叱られたんですね。
そこでドコモは新しいahamoを作り、以下のスペックで展開することを発表しました。
月額料金 | データ容量 | 容量超過後速度 | 無料通話 | 5G | 縛り |
2,980円 | 20GB | 1Mbps | 5分 | 〇 | なし |
上記はざっくりとした概要ですが、月額料金の2,980円は楽天モバイルを強く意識した価格設定になっています。容量は20GBです。20GBは中容量で、ドコモは4Gのギガホを30GB6,980円で提供していますので、ahamoの20GB2,980円は半額以下となります。
手数料無料化
ahamoは各種手数料を撤廃しています。手数料無料になるのは以下の通り。
- 新規契約事務手数料
- 機種変更手数料
- MNP転出手数料
これに加えて縛りがないので違約金なしです。ただその他の手数料、例えばSIM再発行手数料やSIM交換手数料などは不明です。それでもキャリアとして事務手数料を撤廃したことやMNP転出手数料を撤廃したことは評価できますね。
キャリアメールはなし
キャリアメールについては、最近はキャリアメールを使わないでLINEなどのSNSでコミュニケーションを取ることが多いので必須とは言えなくなっていますが、それでもキャリアメールを使い続けている人はたくさんいます。ahamoがドコモの料金プランであるならキャリアメールが使えないとおかしいですが、ahamoはキャリアメールなしですね。
キャリアメールなしというのを見ても、やはりサブブランド的な位置づけと見ていいです。個人的にはキャリアメールというのは使っていないですし、キャリアメールがなくてもAppleのiCloudメールやGoogleのGmail、また、MicrosoftのOutlookなどが無料で問題なく使えるので、それほど影響はないです。
ドコモからもMNP転出手続きが必要
他の携帯キャリアやSIMからahamoを使うのにMNP転出手続きが必要なのは当然ですが、ドコモユーザーでもahamoを使うのにMNP転出手続きが必要になります。これがやはりサブブランドだなと感じる部分ですね。どう見てもドコモの料金プランじゃないですよね笑。
店舗で申し込みできない
これは他のサブブランドとの差別化となっている点で、UQmobileやY!mobileはオンラインストアだけでなくリアル店舗があるのですが、ahamoはオンラインの申し込みだけになります。なのでショップでサポートを受けたいとか、説明を聞きたいという人には向いていません。自分でWebを使って調べられる人とか、チャットサポートを使いこなせる人、自分で設定できるという人がahamoを使いこなせます。
比較的若年層世代はこういう事に慣れています。もちろんシニア層もオンラインで何でも済ませる人はいるので、世代に関わらずネットで問題を解決できる人はahamoにしてもいいですね。
セット割やファミリー割引が適用できない
ファミリー割引やみんなドコモ割、ドコモ光セット割は対象外になります。これはahamoが元々安いので、ahamoの月額料金からさらに割引をすると、単純に売上を上げることができないですね。
なので、想定する顧客は単身の若者、一人暮らしがターゲットになります。でも家族の人数が多くない家庭で、ドコモからahamoに切り替える需要は出てきそうですね。
支払い方法はカードと口座振替
支払い方法はクレジットカードと口座振替があります。これは他のサブブランドや楽天モバイルと同じですね。むしろUQmobileやY!mobileのように口座振替はオンラインストアで申し込むことができないわけではないようです。
楽天モバイルはオンラインでも口座振替手続きができたので、ahamoも同じようにオンライン申し込みでカードか口座振替を選べます。キャリアの利点は口座振替払いができるという点もありますね。
ドコモ回線を半額で使えるのがahamo
NTTドコモが得意とする領域は、地方などの広大なエリアをカバーする能力にあります。これは、使っている周波数帯が多いことや、周波数帯域を遮蔽する建物が少ないこと、そして元々NTTは全国に支店があり都市部より全国をカバーすることに力を入れてきた背景があります。
このことは光ファイバーにも言えることで、フレッツ光も全国をカバーし、どこでも使えるようになっている光回線を目指しました。NTTはユニバーサルサービスをしないといけないですし、NTT系列企業もそのようことを意識しています。なのでドコモ回線を全国で安く使えるahamoは、より広い移動エリアを低料金で使えるドコモのサブブランド(新料金プラン)として定着する可能性がありますね。
ahamoと楽天モバイルを徹底比較!最適キャリアはこれでOK
ahamoはドコモ回線を低価格で使える料金プランであることが分かりましたね。では、月額料金が同じの第4のキャリアである楽天モバイルとでは、どちらが使いやすいのでしょうか。
それでは、ahamoと楽天モバイルの比較をしていきましょう。
ahamoと楽天モバイルの違いはデータ容量と無料通話
早速ahamoと楽天モバイルのスペックを比較してみます。
キャリア | 月額料金 | 容量 | 無料通話 | 5G | 縛り | 店舗 | eSIM | 光セット割 |
ahamo | 2,980円 | 20GB | 10分 | 〇 | なし | × | × | × |
楽天モバイル | 2,980円 | 無制限(5GB) | 無制限 | 〇 | なし | 〇 | 〇 | 〇 |
こうしてみると、だいぶ違うんだなということが分かります。ahamoと楽天モバイルの決定的な違いはデータ容量と無料通話ですね。ahamoはドコモ回線でどこでも20GB使えます。対して楽天モバイルは現状エリア拡大中であり、楽天回線エリアはデータ通信無制限(使い放題)でパートナー回線は5GBです。ということは都市部エリアで楽天回線が使えれば圧倒的に楽天モバイルということになりますね。パートナー回線である地方では5GBになりますので、ahamoに分があるかもしれません。
ただ、無料通話に関してはahamoに10分の制限があるのに対し、楽天モバイルはRakuten Linkアプリを使うことによって通常の電話番号は無制限で通話無料になります。一部0570のナビダイヤルは電話料金かかるのですが、03とか042などから始まる通常の電話は本当に無料になります。いくら話してもタダなので楽天モバイルのいいところは気軽に電話をかけられるという点もあるんですよね。
他にもリアル店舗があるのは楽天モバイル、eSIM対応も楽天モバイル、そして楽天モバイルを契約していると楽天ひかりが1年無料や1年割引になるなどの違いがあります。
ahamoと楽天モバイルの共通点
とはいえ、ahamoと楽天モバイルには共通点もたくさんあります。料金はもちろんのこと、5G対応や縛りなしというのも同じ。手数料無料は、楽天モバイルがSIM交換手数料や再発行手数料も含めて無料で、それ以外の契約事務手数料とMNP転出手数料無料は同じ。手数料無料化の流れは楽天モバイルのおかげかもしれませんね。
ahamoの電話料金は5分超過後30秒20円
ahamoは5分以上電話をかければ電話料金がかかります。30秒20円で、公式では特に電話料金が安くなるアプリなどはありません。通話を安くする方法としては、楽天でんわというアプリを別途インストールすれば30秒10円ですね。楽天でんわは楽天モバイルじゃなくてもどこでも使えます。
そしてY!mobileが通話1回につき10分間無料で何回でも10分無料なので、Y!mobileとの比較でもahamoはちょっと通話に弱いかな、という印象です。長く電話する傾向があるという人は、楽天モバイルでRakuten Linkを使った方がいいと思います。
地方はahamo優勢か
携帯の提供エリアという点では、ahamoが優勢と言えます。先述の通り、NTTドコモは日本全国で電話を使えるようにする企業なので地方になればなるほどahamoの方が電波が良く入るという状況です。もし地方住みでドコモを使っているならahamoは検討できるでしょう。
しかし懸念点はあり、ahamoはオンラインのみの申し込みとサポートなので、家族にネットで問題を解決することが難しい人がいる場合はahamoは向いていないです。これは楽天モバイルでも同じと言えるかもしれませんが、楽天モバイルは多少なりとも店舗がある。それでもドコモ回線を割安に使いたいならahamoはいいかもしれません。
個人的には、都市部ではドコモ回線は電波があまり入らないので、品質的には、実はドコモはそれほど良いわけではないという認識なんですよ。建物の中でドコモの電波が入らないのは結構あるので、やはり地方ではahamoが使えそうです。
楽天モバイルのアドバンテージとは
エリアを考えるとahamoが強い事が分かりました。では楽天モバイルのアドバンテージとは何でしょうか?
楽天モバイルの良いところは、月額料金に対して様々なサービスの量が多いこと。2,980円だけれどもデータ通信無制限、通話無料、そしてポイントにも期待することができます。楽天をよく使う人はSPUというポイントの倍率が気になるので、楽天モバイルを使った方が断然ポイントをためやすいですよね。まとめると以下の通り。
- データ通信無制限
- Rakuten Linkで通話無料
- 縛りなし
- 手数料無料
- ポイント還元に強い
- 光回線も割引になる
注目したいのは、光回線が1年間無料になったりするので、楽天モバイル以外のサービスでもメリットがあります。安い月額料金に対して、使えるデータ容量がとても多いのです。現在は楽天回線エリアが拡大中ですが、将来的には全国をカバーすることになりますので、投資対象としても楽天モバイルは使えるということですね。
都市部エリアは楽天モバイル有利かも!
というわけで、ahamoのメリットは地方でも問題なく通話とデータ通信ができ、楽天モバイルは、逆に都市部でコストパフォーマンスよく携帯が使えることが分かりましたね。楽天モバイルのメリットは、3,000円以下の月額料金でありながら、ストレスフリーで無料通話とデータ通信が使える点にあります。
楽天回線エリアになっているような都市部では、電話料金とデータ通信を何も気にせずストレスフリーで楽しめるのがいいでよね。
ahamoと楽天モバイルを比較してメリットあるキャリアを選ぶ
見てきたように、ahamoはドコモ回線を安く使える新しいプランとして注目であることが分かりました。一方、楽天モバイルは都市部でストレスフリーにインターネットと電話ができるということも確認できましたね。
楽天モバイルのデータ通信無制限は快適ですし、何よりRakuten Linkの無料通話が本当にお得なんですよ。0570のナビダイヤルは料金かかりますが、ほとんどの番号でLINEなどの無料通話と同じ感覚で電話ができるんですよね。電話もネットもコスパよく楽しみたいなら楽天モバイルはかなり魅力的だと思います。
ahamoと楽天モバイル。検討して、自分に合った使い方で最適なキャリアを選びましょう。