去年11月に報道されて時間も経過しましたが、改めてAmazon独占禁止法違反疑いの話題。
表面に現れた巨大ECの不当値下げ。
最近は(ようやく)米国巨大ITに対する締め付けを強化してきた印象ですね。
ユーザーが便利なサービスを活用できるのはいいですが、それに伴って一つの企業が支配的な力を持つのはいかがなものか。
今回はAmazon独占禁止法違反の疑いについてです。
目次
アマゾンジャパン独占禁止法違反疑いは氷山の一角でしょう?
どこにでもある圧力なんですよね。
ある意味「下請けいじめ」と同じ
今回の件は、アマゾン・マーケットプレースの出品者にアマゾン・ジャパンが不当に値下げ要求をしたり自社の物流を使わせようとしたと。
今回の件で経産省と公正取引委員会が動いています。
具体的には、カートボックスに表示される商品の条件に「競争力のある価格設定」と「自社物流の使用」を定めていたようです。
下請けいじめと言うと悪い言い方だし厳密には下請けではないですが、やってることは似ていますよね。
不当値下げは各所で起こっている
発注者であるメーカーが下請け業者に部品価格の値下げを迫るのは常態化してきたこと。
自動車メーカーだとトヨタ・日産・ホンダが下請け業者に過剰な値引きをして公正取引委員会が動く。
最近では、日本郵便が配達ミスやクレームを理由にして委託業者に高額な違約金を徴収したとして下請法違反を指摘されています。
料金の口座振替に振替手数料を徴収するのも不当な値下げ要求と同じようなもの。
多重請負構造が常態化している業界は、下へ下へいくほど料金を中間搾取されて不当値下げの犠牲になっています。ITもそう。
出品者はもっと声を上げていい
今回は公取委が動きましたが、不当な事業者に対してはもっと声を上げていいと思いますね。
不当な圧力が是正されないなら取引をやめるとか。
でもなんだかんだAmazonは売れますからね。セールもプライムデーやブラックフライデーを仕掛けます。
自然とAmazonに逆らえない空気ができる。
結局のところ、公正取引委員会のような第三者機関が動かないといつまでも不当取引が繰り返されます。
ユーザーの意識も変わらないといけない?
それでもユーザーは安いものに流れます。業者が同じものを出品していたら比較して安いものを購入しますよね。
それだと今回の件ならAmazonとユーザーしか特をしない。
ECの出品者が利益を得られない構造だとEC業界そのものに悪影響が及ぶ。
ユーザーとしてもAmazonのような業者がどんな風にモノを売っているのか、よく見極めないといけないですね。
物流が危機的な状況で利益は独占できない
Amazonに限らずECは配送業者あってのもの。物流で働く人が減っていけばECそのものを運営できなくなります。
ECサイトに出品する業者も、不当な値下げ要求に従って利益を得られないなら業界が疲弊して沈没していく。
こういう沈没していく構造ってなんとかならないんですかね。
日本経済が失われた30年(それ以上?)と言われる理由も、こういうところによく表れます。
ECサイトに限らずですが、価格が多少上がっても買ってもらえる魅力的なブランド力とか収益性が高いビジネスモデルの構築が一番だと思います。