今回は話題のマイナ保険証。健康保険証という身近なものがデジタル化されて戸惑いを隠せない人も多いですよね。
紙ベースをやめて手続きを電子化し、効率を高めていく方向性は評価できます。
一方、「よくわからない」「不安」と感じるユーザーも多い。
この記事ではマイナ保険証とは何か、どうなっているのか、ユーザーはマイナ保険証を運用していけるのかを検証したいと思います。
目次
マイナ保険証使う?デジタル化で何が起こっているのか
使う?と問いかけていますが、使わなければ紙(資格確認書)を持ち歩くことになります。
マイナ保険証に移行する理由
なぜマイナ保険証に移行するのか。
理由は簡単で、手続きを電子化して効率を高め、情報共有によって医療の質を高める狙い。
投薬の情報を参照することで適切な薬の処方が行えるのはメリットです。
運転免許証も同様の流れがあります。将来的にはそれらの資格証をスマホに入れて管理しようと考えているようです。
何が問題なのか
マイナ保険証への移行は何が問題なのでしょうか。
- 暗証番号(3回間違えると停止)
- マイナンバーカードに設定する電子証明書の有効期限
- 再発行の問題
- 情報漏洩リスク
- システム障害・通信障害
- 公費負担医療制度
- システムコスト
- 機械の操作
- 政府の管理統制
参考記事例:12月2日移行、マイナ保険証の疑問答えます
情報漏洩はよく言われることですが、そもそも保険医療はシステム化されており富士通などがシステムを請け負っているようです。
医療事務の人が端末をいじってますよね。医療従事者がデータを持ち出せば同じことなんです。
なぜ不安な人が多いかというと、インターネットで運用するからではないでしょうか。
そして患者が暗証番号を3回間違えるとロックされてマイナンバーカードが使用できなくなります。
これは筆者もひやっとしたことがあります。実際にロックされる人もいます。
そして端末の運用など、マイナ保険証のシステムそのものにコストと手間がかかります。
医療従事者としてはパンデミックで大変な状況だったのに、懸念材料がまた降りかかるわけです。
デジタル化は自然な流れだが…
保健医療のデジタル化は自然な流れで、免許証など含めてスマートフォンで一元管理したい考えは理解できます。
ただ、インターネットで毎日のように問題が起こっていて、そこにマイナ保険証が加わります。
デジタル化した結果、皮肉なことに暗証番号を3回間違えたらロックされて保険証が使えなくなります。
そしてシステム障害。最近は全銀システムの障害、Suicaシステム障害、マクドナルドシステム障害等、軒並み障害が発生しています。
IT業界では2025年の崖と呼ばれる問題もあります。
問題を避けるにはコンピュータネットワークから離脱するしかないのです。
医療機関も困惑を隠せない
医療機関も困惑を隠せないようです。
放送では、マイナ保険証の本格運用が始まる日に医療従事者が「個人的にはXデー」と発言。
そもそもマイナ保険証はインターネットに繋がないと使えないので「屋外でカードリーダーが使えない」「職員の私用スマホで対応」などのトラブルが発生しています。
アンケートでは8割以上が紙の保険証存続を求めているとの記事も。
奇しくも「2025年の崖」が始まる時期にマイナ保険証の運用が始まったわけです。
反対感情は理解できる
マイナ保険証に対する反対感情は理解できます。
住基ネット問題の頃から言われている「政府自治体による個人情報の管理」。資産の把握も考えているとなれば反対されて当然ですね。
マイナ保険証はマイナンバーに統合しなければ資格確認書を持ち歩いて対応できます。
ただ、デジタル化推進によって逆に利便性が損なわれるなら本末転倒以外の何物でもありません。
情報共有に同意しなくても受診可能
実は医療情報の共有に同意しなくても医療の提供を受けることは可能。
医療機関に設置してあるカードリーダーで「個別に同意する」→「同意しない」ボタンを押して受診するだけ。
これならマイナポータルに医療データが記録されるだけで医療機関に対する情報共有は行われません。
筆者は(個人的に)問題なく使えています。
何が問題なのか把握してデジタル化に対応する
すでにトラブルは発生しているようですが、12月2日から本格運用が始まりました。
マイナ保険証は情報共有に同意しなくても医療は受けられます。マイナ保険証を使えることは事実。
ただ、インターネット接続が前提で登録されている情報そのものが間違っているなら、ユーザーだけでなく医療従事者が大変。
何でもかんでも論理的に実行した結果「やっぱアナログだよな」と言われたら、かけたコストと手間と時間とリソースが無駄なことに。
筆者は普段からサービスのデメリットではなくメリットに注目しろと言っていますが、今後はデメリットに注目しないといけない場面が増えるかもしれません。