「ソフトバンク光って遅いの?」
「ソフトバンク光を快適に使うにはどうすればいい?」
この疑問にお答えします。
結論から言って、ソフトバンク光が遅いわけではありません。光回線の速度が遅くなる事と、プロバイダ自体は関係ない事がほとんどです。
一部、プロバイダが帯域制御することもありますが、多くのケースでは宅内の環境が整備されていない、もしくはNTT回線にボトルネックがあることが考えられます。これも含めて解説します。
では、ソフトバンク光が遅い時に取れる対策を紹介しましょう。
目次
ソフトバンク光が遅い原因
ソフトバンク光を使って、遅いなと感じる理由は一体何なのでしょうか?
家庭内LANの製品に問題がある
家庭内LANという言葉は、今はあまり使わないかもしれません。要は、スイッチングハブやWi-Fiルーターでネットワークを作ることですね。Wi-Fiルーターを設置して無線LANの電波を飛ばすだけでも、家庭内LANを構築できます。
そのLANで使う製品、例えばLANケーブル一つ取っても規格があるので、使う接続機器の規格に注意が必要です。
一般的に、LANケーブルの規格はCATと書かれるカテゴリーがあり、CAT5とか、CAT6とか、数字が上がるほどデータ通信を伝送する速度が速くなります。
上記の画像にはCAT表示はありませんが、このような感じでケーブルに印字されています。このLANケーブルがCAT5以下だと、最大伝送速度が100Mbpsとなります。
さらにLANケーブルの場合、ケーブルを挿しこむインターフェースカードが古いと100Mbpsまでの速度になります。現在は100Mbpsまでの製品は少ないと思われるので、これはあまり心配しなくてもいいでしょう。
そして、Wi-Fiですね。Wi-FiはIEEE802.11という無線LANの規格があり、IEEE802.11の次にアルファベットが続きます。例えばIEEE802.11acがあります。この無線LANが、IEEE802.11nとか、IEEE802.11aという古い規格だとスピードはあまり出ません。
そもそも自宅Wi-Fiの電波が悪い可能性がある
自宅のWi-Fiは親機が出ている電波が弱くなる可能性があります。鉄筋コンクリートのマンションだと、そもそも壁が厚くて電波がかなり減衰する傾向があります。親機をリビングに置いて、別室でネットをする時は速度が遅くなることがありますね。
そして一戸建ては、1階に親機がある場合、2階あるいは3階だと電波が弱いですね。
NTT収容の問題
プロバイダはNTT回線を経由してインターネットに接続しています。
その際に使うのが、NTT収容ルーターと網終端装置。この収容に問題がある事があり、接続するユーザーが多いのに設備が増強されていないと、トラフィックがNTT回線のところで遅くなる可能性があります。
収容ルーターや網終端装置はユーザーの人口に合わせて設置されており、人口の少ない地域だと少ない設備に多くのユーザーが集まることも考えられます。
その時NTT回線がボトルネックになってしまうんですね。プロバイダは問題ないのですが、NTT回線がトラフィックを上手く捌くことができないのです。
そして網終端装置は、セッションという、ネットに接続するユーザーの数に限りがある設計になっています。この装置を増設することも難しい事情があるらしく、すぐに回線の増強ができるというわけではありません。
ソフトバンク光が遅い時に取れる対策一覧
ソフトバンク光が遅いと言っても、実際にはプロバイダはほぼ関係なく自宅やNTTの環境だということが分かりました。
ではソフトバンク光が遅いと思った場合、どうすればいいでしょうか?
有線LANはケーブルとインターフェースを確認
LANケーブルのカテゴリはCAT5e以上にしましょう。カテゴリ5e以上で1Gbpsの速度に対応しています。カテゴリ6なら規格として十分、そしてケーブルが細いものを選ぶことができたり、柔らかいケーブルもあります。
念には念を入れて、ケーブルの曲がりがないかどうかも見ておきましょう。断線したりすると速度が遅い以前に通信そのものができなくなります。
上記のようにあまり折れ曲がらないようにします。それから、ケーブルを挿すインターフェース(コネクタ)も1Gbpsに対応しているものを選びましょう。今のPCならほとんどのインターフェースは1Gbpsに対応しています。
Wi-Fiの規格を確認
自宅で使っているWi-Fiルーターの規格はなんでしょうか?
IEEE802.11acが速いです。これはiPhone SEで実効速度が150~250Mbpsくらい出ます。
Wi-Fiで注意するポイントは、IEEE802.11acのアンテナをいくつ搭載しているかも把握する必要があります。1×1と書いてあればアンテナ1本なのでそれほど速度は出ないですね。数十Mbpsです。これが2×2だと200Mbpsくらい出ます。
そしてIEEE802.11axのWi-Fi 6なら、さらに高速になります。これは対応ルーターの価格が高いので、今導入するのはおすすめしないですが、Wi-Fi 6で光回線を繋ぐと400Mbpsとか500Mbpsとか出るようです。
これらのWi-Fiは、クライアントPCやスマートフォンのWi-Fiも同じ規格でなければいけません。親機がIEEE802.11acならPCやスマホもIEEE802.11acである必要があります。
現在流通しているPCやスマホなら、IEEE802.11ac以上なのでほぼ心配ないでしょう。昔のIEEE802.11nなどはあまり速くないですね。
Wi-Fiの電波が弱いなら中継器を導入する
Wi-Fiの電波が弱くて速度が出ないなと思ったら、Wi-Fiの中継器を導入してみましょう。中継器は電波を増幅させるもので、電波が減衰しているポイントに中継器を設置し、電波を増幅させて中継することにより速度改善が期待できます。
大幅に速度が改善するわけではないかもしれませんが、安定性に貢献する可能性があり、少なくとも電波が切れやすい状況を改善できるかもしれません。
IPv6高速ハイブリッド接続への切り替えで改善することもある
ソフトバンク光は、IPv6高速ハイブリッド IPv6 IPoE + IPv4というオプションサービスがあります。
このIPv6(IPoE)接続は速度の改善を目的としたものではなく、IPv4アドレスの枯渇に対応するためにIPv6アドレスが必要であるという目的のオプションです。IPv4アドレスは約43億個なので、全地球規模で考えるとアドレスが足りなく、日本で管轄するJPNICがIPv4アドレスの新規割り当てを停止しています。
しかしIPv4とIPv6はネットワークが異なるので、回線速度にも影響が出る場合があります。なぜかというと、以下のネットワーク図の通り。
NTT回線では、IPv4の場合、網終端装置というものを使うのですが、この網終端装置は設置できる台数とユーザーのセッション数に限りがあります。
ここで、IPv6接続ではゲートウェイルーターというものを使い、プロバイダが増設できて、事実上セッション数に限りがありません。ソフトバンク光なら、このIPv6高速ハイブリッド接続ができるので通常のIPv4通信とは別のネットワークを使えます。
もし、ソフトバンク光が遅いと感じるならIPv6(IPoE)を試すこともできますね。BBユニットをレンタルする必要があるので月額500円かかりますが、それでも快適なら許容範囲かと思います。
ソフトバンク光のIPv6は高品質なBBIXを使う
ソフトバンク光のIPv6(IPoE)のネットワークは、VNE事業者であるBBIXのネットワークを使います。BBIXはソフトバンクの関連会社で、2003年に創業以来、IPv6ネットワークの運用保守を実施しています。
BBIXは東京・大手町にあるブロードバンドタワーを拠点として、各地にIXと呼ばれるネットワークの相互接続点を提供しています。つまり、インターネット接続そのものを自社で提供し、トラフィックを各地で中継して国内や海外への速い接続を実現しています。
このBBIXを使ったネットワーク図は以下の通り。
通常ならソフトバンクのバックボーンネットワークを使いますが、IPv6(IPoE)のネットワークはBBIXのものを使います。
BBIXのIPv6接続を使えるならソフトバンク光で快適なインターネットを目指したいと思いますよね。
ソフトバンク光を上手に使って快適インターネット
遅いと思った場合、ソフトバンク光なら宅内のインターネット環境の見直しと同時に、IPv6高速ハイブリッド接続のオプションを試すことができるので相当期待できますよね。
もちろん、IPv6接続をすればどんな環境でも速くなるかというとそうではありませんが、それでもBBIXのネットワークを使ったIPv6接続なら、かなり高速なインターネット接続をすることが可能です。
実際使うと分かりますが、日中に500Mbps程度の速度が出るので、遅いと思うならソフトバンク光だとBBIXのネットワークを使いましょう。