携帯キャリアやサブブランドが5Gを開始し、MVNOの一部も5Gに対応してきました。最近は販売されるスマートフォンの多くが5G対応で、インターネットユーザーの関心も5Gに向いています。
ワイモバイルユーザーやワイモバイルに関心があるユーザーも5Gが気になっているかもしれません。5G端末を持っているけれども5Gでデータ通信したことがないケースもあります。
とはいえ5Gの整備に時間がかかっていることも事実。4G LTEのユーザーが5Gに移行すべきかどうかも判断しにくいですよね。
では、ワイモバイルの5Gは実際どのようですか。速度や品質はどうなっているでしょうか。
今回はワイモバイルの5Gとは何なのか。速度測定した結果何が分かるか。ワイモバイルの5Gに期待して移行すべきか。実際に使ってレビューしてみます。
目次
ワイモバイルの5Gとは
結論を書くとワイモバイルの5G速度は以下の通り。
詳細は後ほど解説しますが、Sub6でも465Mbpsを記録しているので光回線レベルの速度が出ます。
ワイモバイル、つまりソフトバンク回線の5Gはエリア内であれば比較的接続しやすいこともポイント高いです。
とはいえまだ5Gは使えればいいオプション的な存在なので、この記事を見て5Gに移行するかどうか検討材料にしてください
ではワイモバイルの5Gとは一体どのようなものでしょうか。
ソフトバンク回線の5Gをそのまま使う
前述の通りワイモバイルの5Gはソフトバンク回線の5Gをそのまま使います。ソフトバンク5Gの周波数による区分は以下の通り。
- 28GHzのミリ波→新周波数、高速
- 3.7GHzのSub6→新周波数、高速
- 700MHz、1.7GHz、3.4GHz→いわゆる「転用5G」
このうち、多くの5G端末が対応している周波数は3.7GHzのSub6以下になります。28GHzのミリ波は一部のハイエンドAndroidが対応していて、iPhoneは国内でミリ波に対応していません。
ミリ波とSub6は都市部の駅前などに行くと繋がります。700MHzや1.7GHzなどの周波数は4G LTEに似たいわゆる「転用5G」。とはいえ転用5Gも100Mbps超えてくることがあります。
都心や駅前以外は当面「転用5G」となる
残念ながら都心や駅前以外の人が多くないエリアは当面「転用5G」(なんちゃって5G、エセ5G)になります。つまり、スマホの表示は5Gでも4G LTEと似たような速度。
転用5Gは4G基地局を5Gに転用したもので、5G表示であっても4G LTEと実質変わりません。
それでも多くの地域はまだ4G LTEですし、4G LTEで数十Mbps出れば十分だと思うユーザーが多いと思います。
もしミリ波やSub6を試したければ電車などで都心方面に出向くか、職場がミリ波とSub6のエリア内であれば休憩時間に検証できるでしょう。
別途申し込みは必要ない
ワイモバイルの5Gはデフォルトで使えるので別途申し込みは必要ありません。ただスマホで5Gが使える設定になっているか確認しておきましょう。
上記はAndroidの例。5G対応だとデフォルトが5Gになっています。
ワイモバイルの5Gが使えるスマホ
ソフトバンク携帯やワイモバイル公式で販売されているスマホは何も考えずに5Gが使えます。iPhoneは問題ありません。
SIMフリーのAndroidはソフトバンク回線のバンドに対応しているか確認するとベター。→USIM 動作確認済み機種一覧
XiaomiやOPPOなどの高コスパ端末もソフトバンク回線に対応しているので問題ないですよ。ただ、最初に端末が4G LTEを認識しないこともあるので注意してください。
合わせて読みたい
Config Network | Xiaomi端末で4G/5Gではなく3Gに繋がった時の解決法
ワイモバイルの5G 速度と品質を詳細レビュー
ここからは実際にワイモバイルの5G速度を見てみます。
検証環境
5G速度測定の検証環境は以下の通り。
- 端末→Xiaomi 11T Pro
- 場所→池袋西口、東京駅八重洲口
- 時間帯→平日日中
Xiaomi 11T Proはミリ波に対応していないので今回はSub6のみ検証になります。
池袋では465Mbpsを記録
池袋西口のとあるビルの中にあるワークスペースで5G速度測定をした結果は以下の通り。
上記の結果はかなり良かったですね。冒頭でも解説したように特に速かった時は下り465Mbpsを記録、ping値(応答時間)も18msと速かったです。ジッター(揺らぎ)も1.9msでブレの少ない値でした。
この時は窓際でたまたま5G電波が入り、わりと安定して速度測定することができました。その結果465Mbpsで、ワイモバイルの5Gは安定すると400Mbpsを超えます。
Sub6だとギガビットになりませんがモバイルならこれでも十分過ぎる値。端末がミリ波に対応していなくても、かなり高速になることが分かります。
東京駅八重洲口でも400Mbps
東京駅八重洲口で検証した結果は以下の通り。
駅前の路上ですがやはり400Mbpsを超えています。ただ路上のためかping値やジッターは値が大きく、データ通信の安定性は高いとは言えませんでした。
とはいえ、筆者が検証した限りワイモバイルの5GはSub6で400Mbps以上出ることが多いです。
上りは爆速ではない
お気づきのように5Gは上り速度が爆速ではありません。前述の結果でも最高67Mbpsで、遅くはないですが下りのように光回線レベルの速度が出ないんですよね。
今は以前より遥かに上りが重視される時代で、動画や配信などでデータをアップロードする機会が増えているので上り重視のユーザーは注意が必要。
最近は5Gホームルーターを使って5Gメインでインターネット環境を構築することも可能になりました。とはいえ電波は無線。上り速度や安定性はいまだに光回線の方が質が高いです。
ワイモバイルを固定回線代わりに使うユーザーは少ないと思いますが、5Gは上り速度が爆速ではないことに注意しておきましょう。
転用5Gの速度
気になるのは都心エリア以外の「転用5G」。多くのユーザーは周波数が実質4G LTEと同じ転用5Gに接続する機会が多いかもしれません。
ではワイモバイルで転用5Gを掴むとどういう速度が出るのか。電波状況が良ければ以下のような速度です。
4G LTEも1~100Mbpsなので似ていますよね。そこで、さらに電波が良い時の転用5Gの速度は以下の通り。
上記は100Mbps超え。特に163MbpsはSub6に近い値です。一般的な住宅街でも100Mbpsを超えてくるので、4G LTEよりちょっといい感じのデータ通信ができます。
あくまでも上記は電波状況が良い場合。室内だと5G電波が減衰して不安定なことが多いので、いつも上記のようなパフォーマンスになるとは限りません。
エリアは狭いが比較的繋がりやすい
ソフトバンク回線に限らずどのキャリアも5Gエリアはまだ限定的。しかも電波が減衰しやすいので基地局から離れるとすぐに4G LTEに戻ります。
とはいえソフトバンクの5Gは筆者が検証したところドコモより繋がりやすいと感じました。自宅でも5G電波はソフトバンクの方が入ります。
ソフトバンク回線は4G LTEでも繋がりやすく、電波が届きにくいホテルの部屋でも繋がるので品質高いです。
もし電波が安定しない場合は、スマホで5Gをオフにして4G LTEだけでデータ通信するように設定を変えてください。
ワイモバイルの5Gにすべきか
今回はワイモバイル5Gの速度や品質について解説してきました。まだ5G非対応の端末を持っていてワイモバイルの5Gに移行するかどうか迷っている人もいるかもしれません。
冒頭でも書きましたが、5Gは当面メインよりオプション扱いになるでしょう。ミリ波やSub6は駅前などの繫華街中心で限定的、エリアの拡大には膨大な時間を要するので無理する必要はありません。電波が安定しないで4Gに切り替わることもよくあります。
運よく5Gに接続できると超高速データ通信ができますが、多くのユーザーは4G LTEの速度で満足しており5Gが必須とは言えないかもしれません。
新しいミドルレンジ以上のスマートフォンは5Gに対応しているので半自動的に5Gに切り替わっていきますが、急いで5Gにする理由もありません。
とはいえ、転用5Gでも100Mbpsを超えてきますし、固定回線代わりに5Gを使うユーザーも増えています。これからは多くのユーザーがデフォルトで5Gを使うことになるでしょうね。
5GだとテザリングでPCを接続して色々なことができます。光回線と似たような感覚で作業できるでしょう。
ワイモバイルは家族割やおうち割光セットで3GBが990円になりますし、わりと安く使えるおすすめの格安SIM。公式オンラインストアだと事務手数料無料でPayPayポイントがもらえます。
安くて速いワイモバイルの5Gは試してみる価値アリ
検証したところワイモバイルの5Gは400Mbpsを超えますし、他キャリアの5Gより比較的繋がりやすい印象で品質は高いと思います。
5Gの問題はエリア拡大に途方もない時間がかかること。全国をカバーするのは現実的に無理かもしれません。
そして接続の問題。5G表示になってもすぐに4G表示に切り替わることが多々あります。電波の安定性も課題が残ると言えるでしょう。
5Gは必須ではありませんが、とはいえ繋がると超高速でデータ通信ができるのでテザリングでPCを接続して様々な作業をこなすことも可能。
単純に数百Mbpsの測定結果を見ると気持ちいいと感じます笑。なので、5G対応スマホでワイモバイルを契約する価値はあると思います。