ワイモバイルとUQモバイルはライバルとも言える関係で、一方はソフトバンクのサブブランド、もう一方はKDDIのサブブランドとしてお互いに競争を意識しているキャリアです。
モバイルユーザーとしてもキャリアのメイン回線を使えるサブブランドは高コスパなモバイル環境を構築できるので、活用のし甲斐がありますよね。
そこで気になるのは、ワイモバイルとUQモバイルの回線速度は比較するとどのようなパフォーマンスなのか、という点。モバイルを契約するなら、できれば質が高くてパフォーマンスの良い回線を選びたいもの。
今回は、ワイモバイルとUQモバイルの実効速度を比較検証し、どちらの回線をおすすめできるのか解説します。
目次
ワイモバイルとUQモバイルの速度を比較検証 どっちが速いか?
ワイモバイルとUQモバイルは一般的に速いと考えられていますが、具体的な違いは何でしょうか。
それぞれの実効速度や特徴を解説し、キャリアごとのメリットに焦点を当てたいと思います。
結論から言うとワイモバイルがバランスよく速い
結論から言うと、ワイモバイルが下りも上りもバランスよく速いのでおすすめです。MVNOの中には下りも上りも遅い、というキャリアが存在しますが、ワイモバイルに関して言えばその心配はありません。
バランスが良い理由は、以下のようなデータが取れることが多いからです。
上記のデータでは、下りが58Mbpsで速いのは明らかですが、上りも35Mbps出てますよね。上りが下りと同じくらい速度が出るわけではありませんが、30Mbps超えてくるということはバランスが取れていると言っていいでしょう。
WiMAXだと下りが50Mbps出ても上りが9Mbpsだったりするので、上りの速度がきちんと出る回線というのは褒めていいです。わりと画像や動画のアップロードをすることが多くなっている時代なので、上りの速度は以前と比べて重要になってきていますね。
ワイモバイルは電波が良いと100Mbps超えてきます。
上記では下りと上りの速度に大きな乖離(かいり)がありますが、これはLTEのキャリアアグリゲーションなどの技術によるものだと思われます。つまり下りのスピードが強化されているんですね。
ワイモバイルの実効速度
ワイモバイルの実効速度は以前の記事でお伝えした結果と同じものを掲載します。測定方法は以下の通り。
- 1日5回測定(午前、昼、午後、夜間2回)
- 平日
- 測定アプリはOoKla SPEEDTEST
- 集合住宅の5階以上に位置する部屋
- 測定に使う機器はiPhone SE(第2世代)
測定結果
回数 | 実効速度(単位:Mbps) | |
下り | 上り | |
1回目(10:33) | 58.44 | 35.26 |
2回目(12:39) | 61.71 | 30.86 |
3回目(14:31) | 23.33 | 23.02 |
4回目(18:47) | 41.24 | 33.20 |
5回目(23:24) | 62.58 | 25.24 |
平均速度 | 49.46 | 29.51 |
測定結果のデータの一部はこちら
1日5回分測定し、平均を求めています。ワイモバイルのパフォーマンスの特徴は、前述の通り下りと上りのバランスが良いこと。どちらか一方が極端に遅くなる帯域制御のようなことはされていません。
下りは50Mbps前後の速度が出ると考えていいです。速度測定するサーバーの状態や、電波状況によって20Mbps前後かそれ以下という測定結果もありますが、概ね50Mbps前後を確保できると認識していいでしょう。
上りの平均は29Mbpsなので、下りより若干落ちるような感じです。しかし20~30Mbps前後の速度を確保できるので、画像や動画のアップロードは快適に実施できますよね。最近はSNSに画像だけでなく動画をUPする頻度が多くなっていることから、上りが安定していることは重要です。
UQモバイルの実効速度
UQモバイルの速度測定条件はワイモバイルと同じ。
- 1日5回測定(午前、昼、午後、夜間2回)
- 平日
- 測定アプリはOoKla SPEEDTEST
- 集合住宅の5階以上に位置する部屋
- 測定に使う機器はモバイルルーターW06
1日5回分測定して平均を求めています。結果は以下の通り。
回数 | 実効速度(単位:Mbps) | |
下り | 上り | |
1回目(10:34) | 90.13 | 1.72 |
2回目(12:37) | 87.77 | 3.14 |
3回目(14:33) | 50.24 | 11.43 |
4回目(18:49) | 57.68 | 8.93 |
5回目(23:24) | 90.27 | 8.28 |
平均速度 | 75.21 | 6.7 |
測定結果のデータの一部はこちら。
UQモバイルの速度は結果を見たら分かるように、下りの速度が速いです。ここでは50Mbpsが2回計測されていますが、90Mbpsを出すことが頻繁にあります。
ワイモバイルも下り90~100Mbps出ることがあるのですが、UQモバイルだと90Mbpsを出す確率が高いですね。しかも室内で測定しても90Mbpsという数字が出ます。
これはau回線もソフトバンク回線と同様に、キャリアアグリゲーションや256QAMという技術を使っているので、高速な結果が出るようになっています。ワイモバイルと違うのは90Mbpsという速度を出す頻度や確率が高いということです。
UQモバイルは上りの速度が調整されている
UQモバイルのもう一つの特徴は、上りの速度が遅いこと。上りが一桁ということがざらにあります。測定結果を見ると平均6.7Mbpsで、10Mbpsいかない結果が比較的多いんですね。
これってモバイルWi-FiのWiMAX 2+と似ていますね。WiMAXは下りがそこそこ速い(10Mbps~100Mbpsくらい)ですが、上りが4Mbpsとか、一桁のことが多いんですよ。
もしかしたらKDDIが上りの速度を調整している、という可能性はありますね。下りは気前のいい数字を出しますが、上りに関しては厳しい結果になっています。
なので、ネットサーフィンやダウンロードだけでなく画像や動画のアップロードを頻繁にする人は、UQモバイルの上りがあまり速くないので注意しましょう。
共通点は下りの速さとお昼時の速度
ワイモバイルとUQモバイルに共通するのは下りが速いこと。下りの速度にアドバンテージがあるので、情報を受け取る一般的な使い方では問題ないです。
問題ないというより凄く快適ですよね。もしスマホの使い方がWeb閲覧などのネットサーフィンとか、画像や動画といったリソースをダウンロードすることがメインなら、どちらも快適に使えると思います。
そしてお昼時の速度が速いのも共通。以下はワイモバイルの平日12時39分の速度。
そしてUQモバイルの平日12時37分の速度。
ワイモバイルは60Mbps超え、UQモバイルは80Mbps超えています。MVNOだとこの速度は出にくいですよね。なのでワイモバイルとUQモバイルなら時間帯に関係なく、下りは快適に使えます。
一見UQがいいと思いがちだがワイモバが優れている理由
UQモバイルは下りが速いので、見た目の数字がいいですよね。やっぱり90Mbpsがよく出るというスピードにアドバンテージがあると思います。
しかし、現在は下りと同じ、いえ、下り以上に上りの速度が重視される時代です。
あなたはSNSをやっていますか?SNSをやっていなくても、何かのサービス契約時に本人確認書類をアップロードしたことがあるかもしれません。
小さな画像であればそれほど速い速度を必要しませんが、インターネットを使うことが多くなると、それだけアップロードの頻度も多くなります。
今は画像だけでなく、動画や音声といったデータをサーバーにアップすることがあります。また、アップロードではなく、ライブ配信を行うことがあります。
ライブ配信というとタレントやインフルエンサーがやるものと思いがちですが、普通の人も今ではビデオ会議システムで配信を行うことが普及していますよね。
携帯の回線で配信するかどうかは使い方次第ですが、例えばSkypeやLINEでビデオ通話をする時はスマホで配信しながら話しますよね。その時に下りだけでなく上りが安定して速いと、スムーズで快適なやり取りができるんですよ。
ワイモバイルはその点下りと上りのバランスが良いので、ライブ配信や動画を扱うことの多い現代的な使い方に向いていると言えます。
おすすめはワイモバイル
見てきたように、ワイモバイルの速度はバランスが取れているので、下りだけでなく上りの速度も重視される現在ならおすすめはワイモバイルになりますね。
チェック
ワイモバイルが使うソフトバンク回線はサービスエリアが広くて繋がりやすいです。携帯はドコモの電波が繋がりやすいと思いこんでいるユーザーが多いですが、今はドコモよりソフトバンク回線の方が品質が良いです。
ソフトバンク回線は基地局サイト数NO.1で、23万局の基地局によって広範囲のエリアをカバーし、都市部でも地方でも快適な回線になっていますね。エレベーターに乗るとドコモ回線は繋がりが悪いのに、ソフトバンク回線はよく繋がります。
建物内でもドコモ回線が繋がらないのにソフトバンク回線が繋がることはよくあって、マルチキャリアに対応するクラウドSIMなどもソフトバンク回線に優先的に繋がることがよくあるそうです。
なので、広いエリアと速い速度を安く使えるワイモバイルはおすすめです。ワイモバイルの月額料金は、家族割やソフトバンク光のセット割であるおうち割光セットが使えて1,188円引きになるので、価格的にもおすすめ。
ワイモバイルをお得に申し込む方法は、リアル店舗でもネットでももらえるどこでももらえる特典にエントリーして、それから公式オンラインストアでSIMカードや端末を申し込みましょう。
どこでももらえる特典は買い物でPayPayポイント20%相当(最大3,000円相当)、そしてワイモバイル公式オンラインストアでSIMカードを申し込むと10,000円相当のPayPayポイントがもらえます。
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UQモバイルの魅力は価格とデータ繰り越し
じゃあUQモバイルに魅力はないの?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。UQは安い月額料金が魅力的。UQモバイルの月額料金は以下の通り。
くりこしプランS | くりこしプランM | くりこしプランL | |
月額料金 | 税込1,628円 | 税込2,728円 | 税込3,828円 |
データ容量 | 3GB | 15GB | 25GB |
容量超過時速度 | 300Kbps | 1Mbps | 1Mbps |
国内通話 | 税込22円/30秒 |
中容量のくりこしプランMが15GBになったので使いやすいですよね。料金は税込2,728円ですけど、学割で1,000円引きになります。学生の人はさらにお得ですよね。
そしてUQモバイルはデータ容量の繰り越しができるので、極端な話1バイトもデータを使わなかったら翌月はプランSが6GBになるんですよ。プランMなら30GBですね。まあ、まったく使わないことはないと思いますが、使い方によっては余裕のあるデータ量になりますね。
UQモバイルは以下の公式サイトで申し込むことができます。
ワイモバイルとUQモバイルで高コスパなモバイルを目指す
ワイモバイルもUQモバイルも、どちらも速いことが分かりましたね。下りの速度が速いことが大切なのは今も変わりません。両方とも下り50Mbps以上の速度が出るので、Webや動画閲覧をするだけならどちらも快適に実行することができます。
ただし、UQモバイルの上りは速度が数Mbpsの一桁であることが多く、ワイモバイルと比べて速くないことも分かりました。画像や動画のアップロードをすることが多いなら、ワイモバイルの方がバランスが取れていていいですね。
ワイモバイルは下りが100Mbpsいくこともあるし、上りは20~30Mbpsで安定しています。価格ではUQモバイルが安いのですが、ワイモバイルは家族割やおうち割光セットで1,188円引きにできることもメリットです。
上りの速度はそれほど重要視しない単身であれば、UQモバイルが安いのでいいかもしれません。いずれにしろ、どのようなネットの使い方をするのか見極めて、月額料金と速さが自分に合う回線を選びましょう。