ネット回線業界はNTTの10ギガ参入で新しい段階に入りました。ネットユーザーも10Gbpsで表示される5000Mbpsの数字が気になる…。
そこで気になるのは「本当に10Gbpsの速度は必要?」
結論はデータが大きくなければ1Gbpsで問題ないです。
ただ最近はユーザーが扱うデータが大きいですよね。動画だけでなく3DやAIを含むコンテンツをUL/DLする。
今回は1Gbpsでも問題ない理由、そして10Gbpsにした方がいいケースを取り上げます。
目次
ドコモ光で10Gbpsの回線速度が必要ない5つの理由
一般ユーザーが10Gbpsにする必要性はほぼなかったのですが、最近は状況が変わってきました。
一般人に10Gbpsの速度を必要とするファイルやコンテンツは無い→人により異なる
一般ユーザーに10Gbpsが必要なファイルやコンテンツはありません。これは以前光ファイバーが普及し始めた頃も同じことが言われていました。
結果的に動画配信などのコンテンツが出てきたので光回線は快適。
ではなぜほとんどの人が10Gbpsの速度を必要としないのでしょうか。
答えは以下。
- 4K動画でも必要な帯域は20Mbps
- オンラインゲームの広帯域を必要とするユーザーは相対的に少ない
- ARはプロモーション分野で使われるが使う機会は少ない
YoutubeのHD 1080p高画質配信で必要な帯域は5Mbpsで、4K動画で20Mbps。4Kは圧倒的に綺麗ですがフルHD 1080pも綺麗ですよね。参考:システム要件-YouTubeヘルプ
動画の解像度 | 推奨される速さ |
4K | 20Mbps |
HD 1080p | 5Mbps |
HD 720p | 2.5Mbps |
SD 480p | 1.1Mbps |
SD 360p | 0.7Mbps |
フルHDで必要な帯域は5Mbps。家族4人が同時に、個別に動画を見ても合計20Mbps。4K動画だと4人同時で理論的に80Mbpsとなります。
家族4人同時に別々の状況が少なく、もし仮にそうなったとしても理論的に100Mbpsの帯域を必要としません。
これなら1Gbpsのうち100Mbps程度出れば理論的に4K配信も賄うことができます。
ユーザーの関心はオンラインショッピングで洋服やカバンを買うこと。そしてUber Eatsで美味しい食事をデリバリーしてもらい、自転車でスーパーに行く代わりにネットスーパーを使います。
あるいはアリエクを使って中国からぬいぐるみを取り寄せるでしょう。スマホのケースもアリエクで安く調達できるのです。
とはいえ4人家族が4人全員で個別にオンラインゲームをやる家庭なら10Gbpsを導入してもいいかもしれません。
または何十ギガバイトもあるHDR10+で撮影した動画をアップロードしたり共有するなら10Gbpsあると便利。
最近は道を歩く普通の人が3DやAI絡みの大容量ファイルをアップロードするので、10Gbpsを活用するシーンが増えました。
速度が不要なのに月額料金が高額
1Gbpsの戸建てタイプA5,720円に対して10Gbps戸建てタイプAは6,380円。1Gbpsで帯域が余るのに高額な10Gbpsを導入する料金的なメリットがない…。
ただ将来性を見込んで10Gbpsを申し込む世帯も出てくるかもしれません。
先のことは分からないので、提供エリアの拡大と料金の見直しがあれば事態は変わってきます(既に少し安くなりました)。
クライアントが2Gbps以上の速度を活かせない
PCやスマホは実質2Gbps以上の速度を活かすことができません。
あまり知られていませんが、Wi-Fiルーターが1300Mbps以上でもクライアント側は2ストリーム866Mbpsに設定されています。
なので例えばNURO光の2GbpsでもPCのLANが1Gbpsなら1Gbpsまで、Wi-Fiなら866Mbpsまでしか速度が出ないのです。
→※Wi-Fi 6や6EのIEEE802.11axや10ギガLANポートの登場で10Gbpsを活かせる環境になってきました。
戸建てしか10Gbpsに対応していない→対応した
※NTTのフレッツ光クロスやドコモ光10Gbpsは集合住宅に対応しました。
ドコモ光の10Gbpsは戸建ての物件のみ対応だったのですが、最近NTTのフレッツ光クロスやドコモ光10Gbpsも集合住宅に対応しました。
NURO光は元々5階建て以下の集合住宅に対応してましたね。
データセンターやサーバー側で10Gbpsに対応していないことがある
データセンターでネットワーク機器のインターフェースがいまだに1Gbpsのものを使っていることがある。
大規模なコンテンツ配信事業者は10Gbpsに対応していますが、いまだにラックに積まれている機器は1Gbpsインターフェースが多い。
なぜかというとサーバーやネットワーク機器のリプレースは多大なコストがかかり、しかもサービスを停止させないといけないので、よっぽどのことがない限り10Gbpsに移行しないでしょう。
ほとんどのコーポレートサイトは10Gbpsに対応する理由がありません。コストも時間もかかるからです。
→※最新のデータセンターは10Gbps~100Gbps以上に対応しています。
将来的には10Gbpsが安くなる可能性はある→※最近安くなってきた
最新技術は時間の経過と共に安くなる
以前は光ファイバーがとても高額でしたが、全国への需要拡大でとても料金が低廉になりました。何でも最新のものは価格が高いです。
例えばノートPCの値段は20年以上前は30万円。今は安いと7~8万円台で購入できます。10ギガも最近は少し安くなってきました。
そしてニーズがあれば1Gbpsから10Gbpsにシフトできる可能性もあります。
Wi-Fi 6登場で徐々に浸透していく可能性も
Wi-Fi 6製品が売れているので、10Gbpsをルーター側もクライアント側も活かすことができます。
Wi-Fi 6なら理論値が4Gbpsを超えるのでかなり高速。スマホもノートPCもWi-Fi 6か6E対応、iPhoneも11でWi-Fi 6に対応しています。
NTTの10ギガは戸建てだけでなく集合住宅にも対応したので、対応エリアに住んでいるユーザーはチェックしてみましょう。
一般的に10Gbpsは必要ないが先は分からない
以上のように、現在は一般人にとって10Gbpsの速度を必要とするファイルやコンテンツが少ないことが分かりました。
現在はどうしても5000Mbpsという速度測定の数字を見たいのであれば導入してもいいかもしれません。
ユーザーは数十GBの動画ファイルを扱うことも少なく、5GBのLinuxをダウンロードする機会もそれほどないからです。
ただ、今は必要ないですが将来は分かりません。
動画アップロードやライブ配信が当たり前。3DやAI絡みのコンテンツ拡充で10Gbpsの需要も拡大していくかもしれませんね。