「ソフトバンク光とフレッツ光の違いってなんだろう?」
「ソフトバンク光はフレッツ光とどういう関係になっている?」
今回は上記の点を解説します。
結論を先に言うと、違いはほとんどない、ソフトバンク光はフレッツ光を使った光コラボであるということになります。ただ、違いはほぼないと言っても、ソフトバンク光は実際にソフトバンクのネットワークを使うことは事実。
ではフレッツ光やソフトバンク光のネットワークが具体的にどのようになっているのか、見てみましょう。またソフトバンク光を使うメリットや、より良い使い方などを解説します。
フレッツ光とは
まず最初に、NTT東西のフレッツ光を解説します。
NGNと呼ばれるNTT東西が提供するアクセス回線
NTT東西はインターネット接続のためのネットワークを提供する事自体が制限されており、都道府県単位でのネットワーク提供をするようにNTT法で定められています。
顧客に対する電気通信はNTT回線からユーザー宅までのアクセス回線であり、インターネットに接続するネットワークはプロバイダが担当します。
なのでインターネットからユーザーに近い位置のネットワークはNTTのネットワークを使うことが多く、このネットワークは、以前は地域IP網と呼ばれていました。フレッツISDNやフレッツADSLでは地域IP網を使っています。
そこで、光回線ではどうなのかというと、NGN(Next Generation Network)網というネットワークを使います。これは、電話回線前提のネットワークではなく、完全にIP(インターネット・プロトコル)というインターネット技術に基づいたネットワークになっています。IPはパケットで通信します。
NGNであれば電話などの音声と、動画配信やストリーミングなどの技術を効率よく届けることが可能です。
契約はNTTとプロバイダの2つになる
前述したように、回線がNTTとプロバイダの二つに分かれるので、NTTのフレッツ光とプロバイダの2つを契約しなければなりません。
ここが多少面倒な部分で、請求がNTTとプロバイダの2つに分かれること、料金的にも多少高いというデメリットがあります。
フレッツ光のネットワーク構成
フレッツ光のネットワーク構成は、プロバイダとの接続に網終端装置を使う方式と、IPv6ネットワークとしてゲートウェイルーターを使う方式の2つがあります。
一般的に話題となっているのは、IPv6にすると速いのではないか、ということが言われています。しかしIPv6というのは、IPアドレスの次世代規格なので速度に直接関わっているわけではありません。
ただ結果的にIPv4と異なるネットワークになっているので、プロバイダがゲートウェイルーターを増やせば、増大するユーザー数に対応できることになります。IPv4でもネットワークを増強すればいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、網終端装置はユーザーのセッション数に限界があり、台数も容易に増やせないようです。
IPv6を使うのであれば、以下ようなネットワーク図になります。
帯域は10Gbpsまであるが多くの人は必要ない
回線速度が10Gbpsという高速のフレッツ光クロスというサービスが開始されましたが、結論から言うと、ほとんどの人は10Gbpsという帯域を必要としません。
10Gbpsとは何なのかというと、メールを1秒間で128,000通送ることができたり、エクセルのファイルを1秒間に128個転送できたりします。要は大容量ファイルの転送があっという間に終わるということです。
しかし我々は、そんな大容量通信をすることはほぼありません。100GBや1TBの動画データをやり取りするならともかく、一般人は買い物や、せいぜいHD動画に必要な5Mbpsという帯域を使うだけです。フルHD 1080pの動画で5Mbpsなので、10Gbpsという帯域は99%の人が必要としません。
フレッツを使った光コラボを一番おすすめできる理由
なぜフレッツ光を使った方がいいのでしょうか?正確には、フレッツ光を使った光コラボレーションを使うことが良い、と言えます。もちろんNTTとフレッツ光を契約して、色々なプロバイダを試すことができます。プロバイダが全部同じパフォーマンスかというと、そうではないからです。
ですが、長期的に回線を運用することを考えると、プロバイダとフレッツ光がまとまっている光コラボレーションが安くていいと思います。そして全国で使えます。
我々は、毎月の電気代の請求が安いと、喜びと安心感に包まれます。インターネット接続もそれと同じで、毎月の明細に書かれている請求金額が安いほど精神的に楽に、そして喜びと安心と開放感に満たされます。
ソフトバンク光とフレッツ光の違いを解説
ではここで、本題であるソフトバンク光とフレッツ光の違いを説明します。
端的に言えば、ソフトバンク光はフレッツ光を利用した光コラボレーションです。どのようにフレッツ光を利用しているのか、ソフトバンク光はどのようなネットワークなのか、見てみます。
ソフトバンク光はアクセス回線にフレッツ光を使う
ソフトバンク光はNTTフレッツの光コラボレーションで、NTTの光ファイバーとソフトバンクのネットワークをセットにして提供するものです。Yahoo BBをフレッツで使うと請求は別々ですが、ソフトバンク光なら請求はソフトバンク一つになります。
ソフトバンクは自社で光ファイバーを提供するのではなく、NTT東西の光ファイバーを借りています。なので先ほど示したようにユーザー宅にはNTTフレッツ光回線を接続します。
フレッツ光を使ったとしても、光回線のサービス提供はソフトバンクが一括して行います。NTT側の問題もソフトバンクが窓口となって代理で対応します。NTTは回線を卸売りするというわけです。
多くの場合、プロバイダとNTTが連携する仕組みを作っているので、プロバイダに相談すると光ファイバーに関する問題も対応してくれます。
フレッツ光の先はソフトバンク独自ネットワーク
フレッツ光の先はソフトバンク光のネットワークになります。正確にはYahoo BBとして構築したネットワークになります。ADSLのYahoo BB構築の時は結構急いでネットワークを作ったようです。それでもYahoo BBを開始してから20年近く経つので、回線の増強を繰り返していると思われます。
ただその他の光回線と同じように、IPv4 PPPoEだとプロバイダとNTTを繋ぐネットワーク機器が網終端装置というのものになり、網終端装置はセッション数に限りがあるので地域によって混雑する場合もあります。
しかし、IPv4だから遅くなる、という単純なものではありません。NTT収容ルーターにどのくらいのユーザーが収容されているか、また、同じ回線を使うユーザーがどんなインターネットの使い方をしているかなど、回線を使うエリアとユーザーによってパフォーマンスが違ってくるのです。
ソフトバンク光のIPv6はBBIXのネットワーク
ここで、IPv6高速ハイブリッド IPv6 IPoE + IPv4というオプションを有効にして光BBユニットを使って接続するなら、ソフトバンク系列であるBBIXのネットワークに接続できます。BBIXを使うと下記のネットワーク図になります。
このサイトでは何度か紹介していますが、BBIXはVNE事業者の位置付けで、ソフトバンクに代わってIPv6ネットワークをユーザーに提供しています。
IPv6(IPoE)を使うと何がいいのかというと、以下の通り。
- IPv4アドレスの枯渇に対応する
- IPoEによるシンプルなネットワークを使える
- NTT回線で網終端装置ではなくゲートウェイルーターを使う
ゲートウェイルーターはBBIXが増設できるので、ユーザー数に応じてネットワークを増強できます。
スプリント買収によるTier 1の位置付け
この話はあまり意味がないかもしれませんが、ソフトバンクは米国のスプリントの株式を持っているので、いまだにTier 1プロバイダと言うことができます。Tier 1は、インターネットの上位ネットワークとして世界中と繋がっているということです。
スプリントの株を持っているというだけなので、ソフトバンクの国内ネットワークが世界と直接繋がっているという情報は目にしません。それでもソフトバンクはブロードバンドシェア国内No1のプロバイダなので、多数の会員を捌くことのできるネットワークを保守していると言えます。
ソフトバンク光のメリット
ソフトバンク光のメリットは以下の通り。
- Yahooサービスとの連携
- おうち割光セットで1,000円引き
- 違約金還元
- 工事費実質無料
- IPv6はBBIXのネットワーク
- NTTの光回線市場の独占に対抗
最後の独占に対抗というのはちょっと大げさですけど、光コラボであるソフトバンク光を使って、NTTを回線事業者として使うなら自然とNTTによる市場の支配を止めることができます。
市場の支配とか、何を大げさな…とか思うかもしれませんが、独占はだめですよ。なのでソフトバンク光は積極的に使いましょう。もちろんNTTの光ファイバーを使うので、間接的にNTTにもお金が行きます。そして他社プロバイダの違約金還元、工事費実質無料で、さらにスマホが割引になるので言うことはないですね。
結構美味しいメリットとしては、PayPayを使って料金を払うと、PayPayボーナスとTポイントが両方貯まることですね。それでYahooのショッピングやコンテンツのサービスを使ったりするとかなりお得です。実際、スマホとソフトバンク光の両方を使うとTポイントがすごい貯まります。ポイントはあればあるほど実質的な支払いがお得になるので、使っていいと思います。
ソフトバンク光を契約する場合にやりたいこと
できれば、IPv6(IPoE)の申し込みはやっておきたいところです。回線速度の速さというより、IPv6を使うことによってインターネットのIPアドレス枯渇問題に協力することになるので、IPv6はデフォルトで使っていくことが望ましいと言えます。
IPv6は必須ではありませんが、もしIPv6を使いたい、パフォーマンスを改善したいと思うなら、接続方式変更のお申し込みのページからIPv6(IPoE)を申し込むことができます。
フレッツ光との違いを理解してソフトバンク光を契約する
以上見てきたように、フレッツ光はNTTと契約して光ファイバーを使い、プロバイダも契約しないといけないですが、ソフトバンク光であれば、光ファイバーとプロバイダの両方を一括して契約することができます。
そして料金の支払いはソフトバンクのみ、困ったことがあればソフトバンクに相談すればいいです。尚且つ、YahooショッピングやPayPayを使うのが楽しくなります。
フレッツ光単体で契約して、各種プロバイダを使ってみるのもアリです。NTT系プロバイダだと大体バックボーンがNTTコミュニケーションズになるので、夜間帯に帯域制御されるとか、そういうことも分かります。
もしスマホがソフトバンクで、ADSLを使っているとか、そもそも光を引いてないとか、そういう状況ならソフトバンク光を使って回線とYahooの連携を楽しんで、さらに割引を受けられるのでメリットありますね。今後もフレッツ光を活用した光コラボは拡大していくので、この流れには乗っておきたいところです。