2020年12月にソフトバンクは新しい料金プランであるSoftBank on LINEを発表しました。携帯業界は、月額料金値下げの要請を受けて相次いで新料金プランを発表しており、ソフトバンクがどのような料金プランを出すのか注目されていました。
ソフトバンクは大胆にもMVNOであるLINEモバイルを自社に取り込み、LINEと一体となってソフトバンクの新しいプランをブランディングすることによって、今までにない新しい価値を提供しようとしています。
そこで気になるのは、値下げプランで先行したドコモのahamoとの比較。ahamo対抗プランとしてのSoftBank on LINEはユーザーにどのようなメリットがあるのか。また、ポイントや割引が適用できるのかなど、疑問も湧いてきますよね。
今回は、新しいSoftBank on LINEの概要をチェックするとともに、ahamoや楽天モバイルとの比較を交えてSoftBank on LINEのメリットを探ってみました。
目次
SoftBank on LINE開始発表!ahamoとの比較は?
ソフトバンクが提供を開始するSoftBank on LINEとは何ですか?
SoftBank on LINEと、ahamoや楽天モバイルとはどのような違いがあるのでしょうか?
ソフトバンクがSoftBank on LINEを発表
2020年12月、ソフトバンクはかねてから懸念のあった高い料金プランの是正に対する回答として、月額2,980円で20GB使えるSoftBank on LINEを発表しました。
これは、SoftBank on LINEよりも前に値下げプランとして発表されていたドコモのahamoに対抗するプランであり、携帯業界に風穴を開けた楽天モバイルに対抗するプランでもあります。
SoftBank on LINEのスペックは以下の通り。
プラン名 | 月額料金 | 容量 | 国内通話 | 5G | 容量超過後速度 | eSIM |
SoftBank on LINE | 2,980円 | 20GB+LINEノーカウント | 1回5分無料 | 〇 | 1Mbps | 〇 |
20GB2,980円、1回5分の無料通話、5G対応というスペックはahamoを完全に意識したプランですね。というか、はっきり言うと真似なんですが、ahamoと違うのはLINEのデータ通信は通信量にカウントされないことと、eSIMに対応していることです。
さすがにLINEを子会社化するだけあって、ソフトバンク携帯であるにもかかわらずLINEが使いやすいようになっていますね。
LINEモバイルを完全子会社化
SoftBank on LINEの登場によってLINEモバイルはどうなるのかというと、LINEモバイルはソフトバンクの完全子会社となりソフトバンクの一部となってLINEモバイルはなくなります。
とはいえ、LINEモバイルのサービスが廃止されるかというとそうではなく、3GBや6GBなどのベーシックプランは引き続き使えます。しかしSoftBank on LINEのサービス開始によって、LINEモバイルの既存プランは新規受付停止となります。
SoftBank on LINEはLINEモバイルの後継となりますが、使用する回線はソフトバンク回線をそのまま使うので、速度低下の少ない高品質な携帯になります。MVNO時代のLINEモバイルとはまったく違うものになるということですね。
また、LINEを利用しているユーザー層は20代~30代が多く、割合としては80%がアクティブにLINEを使っているとのこと。
そうした、いわゆる「若者向け」ブランドであることも意識していることを読み取ることができ、同じく若者向けを意識したahamoに徹底して挑む形になっています。
SoftBank on LINEはソフトバンクのオンライン専用ブランド
LINEモバイルを取り込むことによって登場するSoftBank on LINEは、その名前の通りON LINEであることが特徴です。
これは先行したahamoがオンライン専用ブランドであることと同様で、やはり楽天モバイルも意識した結果です。楽天モバイルは製品やSIMカード、またはサポートをオンラインメインで提供しているので、その分コストを下げることに成功しています。
SoftBank on LINEのオンライン専用ブランドとしての特徴は以下の通り。
- 申し込みやサポート受付はWebとLINEでやる
- 店舗はない
- 物理SIMだけでなくeSIMに対応する
- MNPは必要
SoftBank on LINEも、SIMカード提供やサポートをオンラインにして、さらにeSIMに対応することによってSIMを論理的なものにします。物理的ではなく論理的というのが、いかにもデジタルネイティブ世代に訴求する内容になっています。
そして携帯の申し込みはオンラインストアだけでなくLINEアプリも使うことになります。LINEのトークは使い慣れている人も多いことから、ユーザーインターフェースをLINEにすることは申し込みの簡便さにもつながると予想します。
MNPにかかる手数料なども、ahamoに合わせて無料化してくると思われます。
SoftBank on LINEとahamoの比較
SoftBank on LINEとahamoの比較を見てみます。
SoftBank on LINE | ahamo | 楽天モバイル | |
容量 | 20GB+LINEノーカウント | 20GB | 無制限 |
月額料金 | 2,980円 | 2,980円 | 2,980円 |
国内通話 | 1回5分無料 | 1回5分無料 | かけ放題 |
5G | 〇 | 〇 | 〇 |
容量超過後速度 | 1Mbps | 1Mbps | 1Mbps |
eSIM | 〇 | × | 〇 |
店舗 | × | × | 〇 |
縛り | なし | なし | なし |
光セット割 | × | × | 〇 |
先述したように、SoftBank on LINEとahamoの違いはLINEノーカウントとeSIM対応です。他は横並びで、光回線とのセット割等もありません。SoftBank on LINEとしてはahamoにしっかり合わせて、さらにLINE使い放題とオンライン専用ブランドの強化のためにeSIMになっています。
eSIMはオンラインのメリットを一番受けられるのではないでしょうか。いつでもどこでも携帯をMNPできるのがポイントで、顧客に対する販売機会を逃しません。深夜2時でもすぐにMNPできます。ユーザーにもメリットがありますし、事業者も圧倒的コストダウンになります。
なので、SoftBank on LINEはよりユーザーフレンドリーになっていて、LINEとeSIMで特に若い世代に対してリーチしていくブランディングになっています。
筆者もSoftBank on LINEがサービスインしたらeSIMを試してみると思いますが、チェックすべきポイントは申し込み手順のユーザーインターフェースが簡単かどうか。Webやアプリによる申し込み方法が複雑だと、それだけ申し込みのハードルが上がります。どのようなデザインの販売になるか、またはサポートになるのか、要チェックですよね。
追加として触れておきたいのは、キャリアメールなどがあるかどうか。
- キャリアメール→発表なし
- テザリング→発表なし
- 機種→まだまだ発表なし
上記は発表なしで詳細が不明ですが、ahamoに合わせるならキャリアメールはなし、テザリングはできるということになりそうですね。販売する機種は今後決めていくと思いますが、iPhoneは売るでしょう。iPhone SE(第2世代)などはeSIMに対応しているので、iPhoneは積極的に対応していくと思われます。
しかし上記の表を見ると、楽天モバイルが強いですよね。データ通信無制限、電話かけ放題で2,980円ですから、サービスエリア以外で考えれば依然として楽天モバイルが優位です。
ポイントや割引は?
ポイントや各種割引などはどうなるのでしょうか?
- PayPay連携→発表なし
- Yahoo!プレミアム→発表なし
- おうち割光セット→発表なし
まだ上記項目は不明ですね。ただ、ahamo等に合わせていくとなればコストをかけられないので、PayPayボーナスのポイント加算率UPはないでしょう。ワイモバイルは日曜日にPayPay STEPで最大22%になりますが、SoftBank on LINEはシンプルになしだと思います。
他にも、ahamoと合わせるならおうち割光セットもないでしょう。もしおうち割を適用したら1,980円になるので格安SIMクラスになってしまいます。シンプルさを売りにしていくと思うので、SoftBank on LINEは複雑なポイントや割引は適用なしだと思われます。
火付け役は楽天モバイルであることを明記しておく
これまでSoftBank on LINEとahamoの比較を見てきました。20GB2,980円という料金プランはahamoが先行したもので、SoftBank on LINEはそれに追随するものです。
しかし、それよりもずっと前に楽天モバイルが2,980円という価格で仕掛けていたわけであり、楽天モバイルは2,980円でデータ通信無制限、電話かけ放題です。SoftBank on LINEとahamoが並べた新料金プランは、そもそも楽天モバイルなしで登場してきたわけではありません。
そう考えると、やはり楽天モバイルが価格破壊のリーダーであるわけで、楽天回線エリアならソフトバンクやドコモを上回る条件でサービスを提供しています。
では、SoftBank on LINEは楽天モバイルに比べて何が優位かと言えば、通信品質です。基地局が23万サイトとNo1の数であり、電波はドコモよりよく入ります。建物内やエレベーターの中で、ドコモより電波が入ります。
なので、SoftBank on LINEは当面楽天モバイルに対してサービスの品質で上回りますが、楽天モバイルのエリアが全国に拡大すればソフトバンクもうかうかしていられないでしょう。
2021年開始のSoftBank on LINEに注目!
SoftBank on LINEは2021年3月開始の予定です。ahamoと違うのはLINEの使い放題とeSIM対応。特にeSIMでいつでもどこでもMNPしてSoftBank on LINE(SOL?)を始められるのは簡単便利で、現代のアクティブなオンラインのライフスタイルにマッチしていますよね。
これからは、SoftBank on LINEのようなキャリアとMVNOを融合させたようなブランドがシェアを増やすかもしれません。MVNOユーザーは使っているSIMが安いので、そう簡単に飛びつかないかもしれませんが、キャリアユーザーにとってSoftBank on LINEの2,980円は魅力的。
毎月の電話料金が高いと思った人は、ソフトバンクのオンライン専用ブランドであるSoftBank on LINEに気軽にMNPすることを検討できるかもしれません。注目ですね。